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紹介しきれなかった小ネタから著作権問題まで:ChinaJoy拾遺物語
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印刷2009/08/08 19:39

イベント

紹介しきれなかった小ネタから著作権問題まで:ChinaJoy拾遺物語

画像集#001のサムネイル/紹介しきれなかった小ネタから著作権問題まで:ChinaJoy拾遺物語
 ChinaJoyというのは,かなり大規模なゲームショウには違いない。公式サイトなどを見ると,E3,東京ゲームショウに続く世界第3位の位置を狙っているらしい。
 十数万人が集まることは間違いなく,入場券を買うための列が,コミケ並とまではいわないが,会場の周囲に沿って果てしなく延びている。入場券を買うだけで数時間はかかるはずだ。列などなく,ただ人が群がるだけだった数年前を思えば,行列ができることだけでも驚異的な進歩ではある。思えば,オリンピック効果はもの凄かった。

 ゲームショウの一般公開日というのは,実質取材にならない日というのが普通である。とくにこれだけ人が多いと,ゲームの画面撮影などは順番待ちをしたり,押し合い圧し合いを制しながらやらなければならないものなのだが,ChinaJoyでは意外とすんなり撮影できるのだ。なんというか,ブース内より通路のほうが人口密度が高いのは確かだ。

ゲームしている人がいないわけではない。張り付いてプレイしている人もいるが,そういうのは旧作のほうが多いかも
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突然,脈絡もなくハルヒダンスを踊り出すコンパニオン
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 あちこちのステージでイベントが始まると,どどっと人が移動する。コンパニオンが並べば,またどどっと人が動く。なんか,ゲームを見にきてない人も多い? 
 舞台からノベルティグッズを投げると一斉に手が上がり,群がってくる。まあ,これは中国のみならず,ある程度どこでも似たり寄ったりなのだが,ちょっと規模が違う(一般参加者の多いドイツはさらに凄いらしいので,GamesComのレポートに期待しよう)。

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 今年のChinaJoyをいっそう印象深くしたのは,初日にも書いたShanda(盛大)のカートである。最初は,10万人以上の人出が確実なイベントでこんなものをタダで配って大丈夫なんだろうか,最終日までもつんだろうかと懸念していたのだが,最終日まで余裕で乗り切っていた。
 朝,会場に向かっていると自転車に件のカート1台をくくりつけて颯爽と帰っていくおばちゃん,カートを何台も束に重ねて持ち帰る親子連れなどの姿が見える。数台持って帰るのはまだ分かるのだが,入場料は100元(1500円くらい。ちなみに平日は50元で土日は100元だったので驚いた)と考えると,それ1個のために(おそらく)早朝から並んでいたのでは,元が取れないんじゃないかと余計な心配をしてしまう。

こいつらはガチだと思わせた光景。カート足りるのかと心配していたのが馬鹿らしくなる。後ろの段ボールの山に注目。トラックが何度も段ボールと空き段ボールを乗せて行き来していた
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カートをもらうための列は会場外まで長く延びていた
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今年のゲームの傾向……やはり武侠系か


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 ゲーム自体に目を向けてみると,各社,独自ゲームも増えてきてはいるが,いま一つ目を引く部分がない。モチーフとしては,やはり武侠がほとんど。三国志や西遊記なども,ほぼ武侠モノと考えると,残りはダンス系かFPS系くらいしかないのではという勢いである。
 日本で通用しそうなゲームということで見渡すと,完美時空や9you,Snail Gameなど,すでにさんざん紹介してきたようなところしか残らないのが現実だ。

タイトルでちょっと期待した「秦始皇」だが,中身は普通すぎ?
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 今回個人的に一番気になったのは九陰真経だったのだが,念のために「建物は本当に斬れるのか」とSnailに確認してみたところ,即答で「斬れる」とのこと。「どの建物でも斬れるのか,斬ったあとはどうなるのか」と再確認したところ「まだ分からない」とのことだった。
 ポリゴン分割と物理エンジンを使えば,ムービーのように斬ることは不可能ではないのだが(最近流行の破壊計算よりははるかに軽い),そうそう斬りまくられても困るわけで,クエスト絡みか,自由に使えるのか,今後の展開に注目したい。

 

中国ゲーム界が抱える諸問題


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 The9が出展していた「Mu X」というゲームがあった。
 Mu Xの前半の「Mu」というのは日本でいうところの「ミュー 奇蹟の大地」のことだ。Muの中国名にあたる「奇跡Mu」はThe9が版権を持っており,その続編としてThe9が勝手に作って発表したものがMu Xだ。ちなみに,The9でサービスされている「SUN」の中国名は「奇跡世界」で,Mu Xは「奇跡伝説Mu X」となっている。単に「奇跡伝説」なら,独自新作としても通用しただろうに,わざわざWEBZEN(SUNをThe9に提供し,Mu 2を開発中)に喧嘩上等なのが不思議である。
 こんな状況になったのはAuditionでも問題になった「タイトルの中国名の版権」を中国企業側が所有していたことによる弊害である。普通に考えると他社タイトルの続編を勝手に作るのはダメそうなのだが,とりあえず中国では通用するやり方となっているようだ。
 なお,Neteaseで展示されていたWoWにはちゃんと「魔獣世界」という中国名がついていたので,Blizzardは自社で中国名まで押さえていたようだ。でなければ,The9の新作は「MoW」ではなくて「魔獣世界2」になっていたのかもしれない。

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 ゲームに限った話ではないが,デザインや知的財産権などに関する中国でのパクリ問題は,いまだ根深いものがある。今回のChinaJoy取材記事のパクリ=山塞関係では「Hunter Blade」の記事が大きく話題になっていたのだが,ララ・クロフトやチョコボも,こちらから見ればかなり危険なレベルである。それら以外でも,ダンスゲームの曲名リストを見ると怪しそうなのが並んでいたりと,なかなか気が抜けない。
 なお,訴えれば安易に勝てると思っている人もいるのかもしれないが,そう単純な話でもない。海外ではなかなか日本の常識は通用しないのだ。 
 ほかでもない,4Gamerも以前,中国のサイトに中身をごっそりパクられた経験があるのだが,クレームを入れても「盗まれる状態で置いておくほうが悪い」と開き直られる始末で,ビジネスのあり方や意識の違いは痛感している。確かに,中国の情報サイトでは,拡大写真の中央にデカデカとロゴを置いて「それ拡大写真の意味ねーじゃん」と言いたくなるようなところもあるのだが……。

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 ChinaJoyとは関係ないのだが,先日日本でのサービスを開始した中国ナンバー1のWebゲームという謳い文句の「三国風雲」も,たまに入るキャラ絵がどう見てもコーエーの三国志だった。中国国内でならともかく,日本サービスはマズいレベルなので,現在は顔グラフィックスを変更ないし削除してサービスされている。
 三国志モノは,中国に限らずその多くがコーエーのキャラ絵をもとにしていたりするので(日本でもあった),もはやプレイヤーのキャラクターイメージも固定化している感はある。それを覆しつつ,違和感のないまったく違うイメージを作り上げていくことは簡単ではないだろう。
 とはいえ,例えば,現在google検索で「関羽」や「曹操」をイメージ検索するとコーエーキャラがトップになるわけでもない。時代は常に変化しているので,中国の方にも新たな潮流を作り出していただきたいものだ。

今回のChinaJoyで掲載した写真で一番人気だった皆さん
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 もちろん,すべての中国企業が知的財産権を侵害しているというわけではない。しかし,大手パブリッシャや大手開発会社でもこのような事例が散見されることを見ても,全体的に版権意識が薄いというか,日本とは意識が違うことは否めない。
 おそらく中国国内では,事実上ほとんどスルーされる問題なのだろうが,海外展開まで見据えると,まったく話にならない。せっかく技術力自体は向上しているのにもったいない。根本的な意識改革に向けての施策が強く望まれるところだ。長く続いた習慣は簡単には是正できないかもしれないが,数年前には,ChinaJoy会場で「行列」ができることがあるなどと誰も思っていなかったことだろう。政府が力を入れてアピールすることで,驚くほど迅速に行列は改善されていった。同様な政策に期待したいところだ。


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おもむろに薔薇の花びらをちりばめ……
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さっさと片付けて台に上がって……
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絵を描いていく。こんなのを描いては消しと何度も繰り返したり,砂を使った造形などを行ったりしていた。バーチャルワールド系ゲームのアトラクションか?

あちこちでGeForce 3D Visionのデモが行われていた。しかし,そのディスプレイでなんで赤青モード? なんで眼鏡使わない?
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会場で多用されていたAntec Skeltonケース
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終わったあとには,実に大量のゴミが

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