【ヒャダイン】「ゼルダ無双 厄災の黙示録」をクリアして，また「ブレス オブ ザ ワイルド」に戻る2021年

ヒャダイン /  音楽クリエイター

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第79回「『ゼルダ無双 厄災の黙示録』をクリアして，また『ブレス オブ ザ ワイルド』に戻る2021年」

　ども。昨秋，「ゼルダ無双 厄災の黙示録」（以下，厄災の黙示録）が発売されましたね。もともと「無双」シリーズが大好きで，さらには「ゼルダの伝説　ブレス オブ ザ ワイルド」（Nintendo Switch / Wii U。以下，BotW）をやりこんだ私としては，やらない理由がない！　発売日からさっそくプレイしました。
　無双といえば，敵がワラワラ出てきてバサバサ斬っていくのが醍醐味なだけに，Nintendo Switchの処理能力でどこまで大丈夫なのかな？　と，ちょっぴり心配をしていましたが，まったくもって問題なし。結論から言うと，めちゃくちゃ楽しかったです。


　物語はBotWの100年前。BotWで描かれていた，ゼルダ姫の誕生日に厄災ガノンが復活してハイラルが壊滅，リンクが100年の眠りにつく前を描くという，まさかの前日譚！
　無双シリーズなので，スピンオフみたいな感じになるのかと思いきや，ちゃんとBotWとのつながりも色濃くあって。BotWでおばあさんだったインパやプルアが若い！　回想シーンや神獣に乗り込んだときに魂でのみ現れたウルボザ，ミファー，リーバル，ダルケルが生きている！　そして操作できる！　さらにおひいさま（ゼルダ姫）も操作できるという贅沢っぷり。詳しくは言えないんですが，BotWから見た在りし日の姿や新発見要素が盛りだくさんで，それもまた楽しい。
　とにかくストーリーが充実していて，BotWではウツシエ回想でダイジェスト版みたいだった記憶を詳細に，しかも声優さんの声付きで楽しむことができます。BotWでは描かれていなかったハイラル王とゼルダ姫の関係もていねいに描写されているし，力に目覚めることができないゼルダ姫の葛藤も分かりやすかった。
　BotWは，すべてをミニマムに削ぎ落とし，純水のような世界観でプレイヤーを没頭させるようなストイックさでしたが，それの補完的な作品としても厄災の黙示録は機能しているのかも，なんて思いました。


　無双シリーズとしてのゲーム性ですが，うん，とても楽しい！　ほかのタイトルとはちょっと違って，コンボ数や撃破数などによるボーナスはなく，連撃を続ける快感みたいなものは薄いのですが，逆に言うとコンボが途切れたときのストレスなどはとくにないので，楽っちゃ楽です。
　さらにBotWの要素を最大限に抽出しようというスタッフの気概を感じられる部分が多く，シーカーストーンによるビタロックなどの特殊攻撃はもちろん採用されています。しかもキャラクターによってアクションが変化するので，全キャラで試し打ちするのも楽しいです。ロッドも特殊アクションとして生かされており，炎，雷，氷のロッドを全キャラで使えるのも魅力的。


　そして何より，各キャラクターの独自アクションが楽しい！　リンクは片手剣，両手剣，槍でアクションが変わり，ゼルダ姫はシーカーストーンによる攻撃，ウルボザは雷，リーバルは弓矢で空中戦，ダルケルは守りと溶岩を駆使，ミファーは噴水を発生させて自在に水を使うという。さらにBotWではおばあちゃんだったインパも執政補佐官として大活躍。「戦国無双」シリーズにおける，ねねのような分身＆素早い攻撃。
　あとはネタバレになるからなかなか言えないですが，BotWに出てきたあのキャラとか，あんなキャラまで使えちゃうという。ちなみに私が一軍として使っていたのは，インパです。


　また，神獣を操作できるのも爽快感抜群です。BotWでは厄災ガノンに乗っ取られて民衆を困らせていた四神獣ですが，そもそもは正義の味方。今回は四つとも操作可能なんですね。でっかい神獣に乗り込んで小さい敵をレーザーや氷，雷や炎でしばきまくれるのは爽快感しかありません。シューティングゲームのような一面も持ち合わせた無双ってのも，珍しくていいですよね。
　そしてBotWといえば料理！　いろんな素材をゲットして鍋の前でグツグツ煮込んだ，あの素敵な思い出。今回もフィールドで素材をゲットしたり，専門店で買ったりして料理を作ることができます。ステージ突入前に料理を作れば，そのステージのプレイ中はずっと走行速度アップや攻撃力アップといったプラスの効果が続きます。攻撃力アップの料理を食べまくったら敵が柔らかくなって最高です。あと純粋に料理が美味しそう。お腹が減るんだよな。


　で，ひととおりプレイした結果，私はBotWを再度やり始めました。100年前の厄災を経験して，その100年後のハイラルを旅するという順番。BotWの中で描かれていた歴史と，厄災の黙示録で描かれていた物語は少し違うのですが，それでも以前BotWをプレイしたときとは違う感情で旅をしています。
　今までただの脇役だと思ってスルーしていた（ごめんなさい！）インパや大妖精達のセリフや行動をスキップすることなく注視してしまいます。あと，大厄災ですっかり荒れ果ててしまったハイラル城を，とても神妙な顔つきで眺めてしまいます。100年前はあんなに立派だった城が……と。あらためて厄災ガノンへの憎しみが増しますね。
　BotWと厄災の黙示録では操作方法が異なるのでちょっと戸惑うこともあるんですが，それはそれ。すぐ慣れるもんです。厄災の黙示録にも出てきたヒノックス，イワロック，ライネル，ガーディアンと戦うときも，ちょっと倒し方が違うため，むしろ新鮮な気持ちで対戦できます。
　そして何よりあらためてオープンワールドの素晴らしさを再認識。美しいハイラルの大地を無尽蔵な体力を持ったリンクが，昼夜天候問わず歩き回る，そして山も登る登る。途中でウルボザら英傑達の面影を感じながら胸が痛くなったりして。


　緊急事態宣言が出て外出もままならない昨今ですが，BotWの世界では我々は自由。好きなところを歩き回れます。さらに厄災の黙示録によって各キャラクターへの理解度が増し，それがストーリーをさらに楽しませてくれるようになりました。
　BotWが好きだった人は，厄災の黙示録をプレイしてから，再度BotWをプレイしてみてはいかがでしょうか。

■■ヒャダイン（音楽クリエイター）■■ ヒャダイン氏とマネージャー氏と本連載の担当が，昨年，「桃太郎電鉄 〜昭和 平成 令和も定番！〜」で対戦！　15年設定を5〜6時間かけてプレイしました。「優勝は担当さんにかっさらわれたけど，やっぱり対人戦は楽しい！」とのことです。