【ヒャダイン】「ポケットモンスター サン・ムーン」，3日間のプレイ報告

ヒャダイン /  音楽クリエイター

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第54回「『ポケットモンスター サン・ムーン』，3日間のプレイ報告」

　ども。ついに「ポケットモンスター」シリーズの完全新作「ポケットモンスター サン・ムーン」（以下，サン・ムーン）が発売されましたね！　この原稿を執筆している時点（11月20日）で，発売日から3日連続でやりまくっております。

　今回は完全新作なのでいろいろとシステムとかも変わっているのですが，一貫して言えるのは，すべてがシンプルになっている点！　もちろんいい意味ですよ。
　やはりスマホゲーム全盛の今だからということあんでしょうか。そりゃ，メインターゲットである子供達もスマホゲームに慣れているでしょうしね。そうしたシンプルさの良いところを抽出したのだなあと感じました。そこで今回は，“シンプル”というキーワードを軸にサン・ムーンの感想を綴っていきたいと思います。

　まず世界観！　「アローラ地方」に主人公が引っ越しをするというところからスタートします。アローラ地方，その名前から推測できるように，アローラ，アロハ，ハワイをモチーフとしているのですね。これまで日本各地やパリ，NYなど都会モチーフが多かったイメージですが，今回はゴリゴリな観光地！　リゾートなんだな。
　これって子供も大人も世界各地の人も分かりやすい世界観ですよね。ハワイ一択って。そしてその島巡りをする，という旅の目的もシンプル。それにともない，なんと「ジムリーダー制」を廃止！　それぞれの島にいる「島キング」の試練を達成していく。まあ，これはジムリーダーがやっていたことと似ているんだけど，島巡りというコンセプトに合わせて従来のジムリーダー制をやめちゃう思い切りの良さ，すごいよねー。

　あと冒険のやり方もシンプルになっていて，「ロトム図鑑」というのを序盤に渡され，それがマップにもなるのですが，街の中で自分が今どこにいるか，目的地はどこなのかが一目瞭然なんです。これってほぼGoogle Mapじゃん！　超分かりやすいよ。
　今までのシリーズだと，大きな街にいるとき，自分がどこにいるのか分からなくなって迷子になりがちだった僕。キンセツシティやミアレシティで右往左往したことはしばしば。方向音痴つらー。これも今っぽい機能ですよね。
　そして，一番シンプルだと思ったのがダンジョンなんですよ！　これはすごい改革だと思ったんです。従来のダンジョンは，敵エンカウントうじゃうじゃ傷薬切れてうんざり，行き止まりや道間違い多數，宝物ぽちぽち落ちてる……そんな怖い場所でしたが，ここがぐっと軽くなっている。道路からそれたちょっとした別エリアぐらいの感じ。これって実は，大革命じゃないかと思うんですよね！

　さらに，冒険要素として「ポケモンライド」なるものが新登場しております。今まで「ひでんわざ」として脈々と伝わってきた，海を泳いだり空を飛んだりする方法が，アローラ地方ではポケモンライドですべてOK！　これもジムリーダー廃止と同じく改革ですよねー。今までの伝統の破壊と再構築。やっぱり攻めていかないといけないんだよ。
　ポケモンライド，その名の通りポケモンに乗れちゃうんだよ。リザードンやラプラス，サメハダーなどにのって南国を飛び回るってバカンス感満載ですよ。ほら，南国に行って試乗体験する感覚。操作方法もいたってシンプルです。難しい操作は何もいりません。


　新しいバトル要素「Zわざ」もすごくシンプルな発想だと思うんだよなー。前作でメガシンカという新しい概念が登場したのですが，メガシンカできるポケモンは限られていたんですよね。一部の選ばれしポケモンだけがメガシンカできたんだけど，今回のZわざはどのポケモンでも使用可能なんです。
　ビードルでもコイキングでもZわざを使えるんだよ！　すべてのポケモンを平等に愛してほしいというシンプルな発想でしょうか？　1バトルにつき1回しか使えない超必殺技みたいな感じなのですがアクションも技名も今までのポケモンの文脈と少し違う，新しいスタイルだと思います。
　各タイプによってZわざのポーズも違うので，小学生なんかだと全種類を覚えたくなるんじゃないでしょうか？　Zわざを発動するZリングもグッズとして売っているし，ニチアサに夢中な男子との親和性も抜群だ。


　あと，ポケモンを可愛がる機能「ポケパルレ」も「ポケリフレ」に進化しています。今までは女子や子供しか使わなかったんじゃないかな，という機能だったポケパルレ。タッチペンや指でポケモンをなでたりお菓子をあげたりしてなかよし度を上げていくんですが，まあゴリゴリのポケ廃勢はやらないよね。ニンフィア進化させるときくらいだよね。
　それがポケリフレでは，みんななでなでせざるを得なくなっているんですよ！　っていうのもね。バトルでまひややけど，どくやねむりなどの状態異常になるじゃないですか。するとバトルが終わったときに「お手入れ」というボタンが表示されて，これを押すとポケモンにお薬を塗ってあげられるんですよ。そんで，30秒くらいこちょこちょしてあげるとなんと状態異常が治るんです!!
　これも今までの伝統の破壊ですよね。こちょこちょしたら状態異常が治るんだったらフレンドリィショップで薬を買う必要ないじゃん!!　実際そうなんです。薬を使うのは戦闘中に頓服で治すためだけになるんですよね。旅において状態異常が怖くなくなるんですよ。
　これってゲームの難度を下げることになるので，どうしてそうまでしてこの機能を入れたのかなー？　なんて考えていたんですが，やってみてすぐ分かりました。状態異常になったポケモンをていねいになでなでしてあげると，ものすごく母性本能がくすぐられる!!
　怪我した我が子に「いたいのいたいのとんでけー」って言いながら撫でてあげる母性ですよ。ピカチュウとかなでてあげるときゃわわとなるんですが，問題はごつい系ポケモンですよ！　ニャビーの最終進化ガオガエン，プロレスラーみたいになるんですが，奴が状態異常になったときお薬を塗りました。むきむきのガオガエンをなでなで，なでなで。治ったときにニコニコ喜ぶんじゃなくてセクシーな流し目でこちらに感謝をしめしてくれる!!　うっほー!!　こりゃあ女子たまらんぞ。女子，ガオガエンに惚れちまうぞ。


　一方，ポケ廃のみなさんへの配慮もきっちりされておりまして。まず「バトルロイヤル」システム。4人が同時にスタジアムに立ってよーいどんでつぶしあい！　助け合うもよし，裏をかくのもよし，高度な戦略が必要となりますね。従来のダブルバトルと同じく「まもる」というわざが大活躍しそうです。


　もちろん厳選育成も健在。たまごのふ化が従来より簡単になったという話もあります。まだふ化させていないので情報だけですが。
　それに，Zわざは今までのゲームバランスをガラッと変えると思います。高レーティング勢も新しい闘い方をすでに研究始めているようです。メガシンカも健在で，クリア後に「あー，こういう形でメガストーン出てくるんだ」ていう形で出てまいります。旅メインのちびっこはZわざで夢中，ポケ廃はメガシンカとZわざを使い分けて高度な作戦を練るという相変わらずのハイブリッドぶり！
　そしてこれまたにくいのが，過去作の鍛え上げたポケモンをポケバンクで最新作に移植できるようになるのが2017年1月以降の予定なんですよ。すなわち最低2か月はサン・ムーンでゲットして厳選育成したポケモンで勝負することになるわけなんですよ。
　新ポケモンもたくさん出てますし，アローラフォルムのポケモンも出てくるから新鮮な気持ちでバトルに立ち向かえる，ということなんでしょうね。さらに，クリア後は今までのシリーズをやってきた人達がニヤッとできる，バトルツリーでのイベントもあるので大人も満足！

　という具合に，時流に合わせてシンプルにスクラップ・アンド・ビルドを英断し，新たなスタンダードとして大進化したサン・ムーン。もっともっとやりこんで骨の髄までしゃぶりたいと思います！

■■ヒャダイン（音楽クリエイター）■■ ヒャダイン氏は，12月23日に発売されるももいろクローバーZのアルバム「MCZ WINTER SONG COLLECTION」に，新曲「真冬のサンサンサマータイム」を提供したそう。「へんてこな曲」らしいですが，曲名からして楽しげです。