インタビュー
4Gamer×ゲーマガ連動企画第1弾! 今だから話せるサウンドノベル「428 -封鎖された渋谷で-」の秘密を,総監督イシイジロウ氏に直撃!
Tips
■Wii版のリリース
「428」が最初に発売されたのは,2008年12月4日。プラットフォームはWiiで,販売はセガが行った。
■3機種ともベスト10にランキング
ゲーマガ2010年1月号での読者ランキングでは,Wii版が3位,PS3版が4位,PSP版が6位にランキングしている。
■PS3版とPSP版
Wii版発売の9ヵ月後,2つのプラットフォームに移植された。PS3版は2009年9月3日,PSP版は9月17日に,ともにスパイクから発売。
■KONAMIの内田さん
KONAMIのプロデューサー,内田明理氏。「ラブプラス」を手掛け,ファンからは“お義父さん”と呼ばれる。
■レベルファイブの日野さん
レベルファイブ代表,日野晃博氏。「レイトン教授」「イナズマイレブン」などを世に贈りだした敏腕クリエイター。
■コーエーの杉山さん
コーエーの専務取締役執行役員,杉山芳樹氏。「戦国無双」などのプロデューサーを経て,現職へと就任。
■お互い褒めあってる
イシイ氏は「ラブプラス」ファンの1人であり,ゲーマガ2009年12月号の企画記事では,同作開発陣に熱いメッセージを贈っている。
■街
1998年1月にセガサターンで発売された,チュンソフトのサウンドノベル第3弾。8人の主人公の物語が,渋谷を舞台に交錯する。映像には実写が採用されている。後にプレイステーション版が発売され,タイトルも「街〜運命の交差点〜」と改められた。
■街2
「街」と同じ舞台・時間軸を別のキャラクターが活躍する“主人公100人構想”のもと,制作される予定だった幻の続編。「街」から10年経った現在も,待ち望むファンは多い。
■追加シナリオ
「街」本編で採用されなかったシナリオを再構成し,ほぼテキストのみの形で追加された2つの物語。主人公は新人助監督のサギ山と,結婚詐欺師のパトリック・ダンディ。
■サウンドノベル
チュンソフトが「弟切草」で定着させたゲームジャンルのひとつ。テキストを読み進めるとともに,映像・サウンドによる演出がなされ,気分を盛り上げる。「428」までを含め,8作品が発売されている。
■正志の109前での逆さハリツケ
「街」の主人公の1人,金曜日こと篠田正志の物語のラストシーンのこと。花火が上がる夜空を背景に,109の前で正志がなぜか逆さハリツケにされてしまう唐突なラストに,ファンの物議をかもした。
■バンの爆破シーン
物語のヤマ場であるバンの爆破シーンは,現地撮影の映像とCG,ブルーバックでのワイヤーアクションなど,複数の映像が合成されている。
■渋谷パンテオン
かつて渋谷駅東口前に存在した映画館。2003年6月に閉鎖された東急文化会館の中にあった。
■渋谷のApple Store
渋谷公園通り中程にあるアップルの直営店。渋谷ロフトとパルコパート1のななめ前の一等地にあり,休日は特に人で賑わう。
■ユナイテッドアローズ
アップルストアから約100mほど坂を上ったところにあるセレクトショップ。ここにはかつて「街」の1シーンに登場したミスタードーナッツがあり,「428」の撮影時はそのビル全体が建て替え中だった。
■毛利さん
この「428」で撮影監督を務めた毛利安孝氏。長く助監督として活躍し,2006年の短編映画集「PET BOX」内の「コトリタチノ楽園」で監督デビュー。
■黒沢清監督
「スウィートホーム」「CURE」などのホラー作品で名を馳せる映画監督。
■1クール
TV番組などの編成期間の単位。1クールは3ヵ月間で,10〜11週の放送となる。
■メイキング映像
イシイ氏の手によって撮影された「428」のメイキング映像は,本作のプロモーションビデオのほか,初回購入特典のDVDにも収録されている。
■フィルム撮影
「街」の開発当初はまだデジタルカメラは普及しておらず,すべてフィルムカメラでの撮影だった。画面は撮影→現像→プリント→スキャン→レタッチという手順で作られている。
■膨大な写真
「428」の制作において,撮影された写真は約12万枚におよぶ。
■「24」
正式名称は「24 -TWENTY FOUR-」。2001年から放映されているアメリカの超人気TVドラマ。1話が1時間のリアルタイムで進行し,1シリーズが24話で完結する。1時間ごとに複数の物語が同時進行するなど,「428」にもこの作品をリスペクトしている点が多く見られる。
■加納
「428」の主人公となるキャラクターの1人。渋谷警察署の刑事。ゲームスタートからの最初の1時間の物語は彼と,もう1人の主人公・遠藤亜智しか選べなくなっている。
■5日間
「街」の物語は,5日間で構成されている。主人公8人の1日のシナリオを全て読み終えると,翌日のシナリオへ進めるようになっている。
■タマ
前代未聞の着ぐるみ主人公。その正体は物語の中盤で衝撃的に明かされる。
■北島さん
本作の脚本を執筆した北島行徳氏。同じくサウンドノベルの「3年B組金八先生」や「忌火起草」などの脚本も手掛けている。執筆行の傍ら,障害者プロレス団体「ドッグレッグス」を主催し,自らもリングに立つ。そのため本編にもプロレスネタがいくつかちりばめられている。
■「街」にあったシナリオや写真のバグ
「街」のシナリオ5日目,中村社長が演ずる(!)渋谷警察署の署長が,同時刻帯の別のシナリオのまったく別の場所にいるという矛盾が起こっている。
■11時のどこか
正確には11:55の時間帯。加納がバッドエンドになった状態で亜智のシナリオを進めると,中村社長の姿を見られる。
■亜智とひとみ
主人公キャラクターの1人,遠藤亜智と亜智のシナリオでのヒロインとなる大沢ひとみ。杖をついて,ピストルを持つ男に追われ渋谷中を駆け回る。
■杖の男
誘拐事件に巻き込まれたひとみを追う謎の男。物語の後半で意外なその正体が明らかとなる。彼が杖をついている理由は,「428」の小説版で触れられている。
■バッドエンド
サウンドノベルにおいて,物語が正しくない形で終わる“ゲームオーバー”の状態。ただし内容的には“バッド”ではないものもあったりする。
■うちの中村
ご存じ,チュンソフト代表取締役社長の中村光一氏のこと。チュンソフトのすべてのゲームに,プロデューサーとして関わる。
■僕も呼んでいただいて
今回のインタビューの聞き手である“ウメ”ことゲーマガの梅田編集長は,加納と亜智の10:30〜10:35のバッドエンドへ続くシーンに,通行人のエキストラとして出演している。
■2人の選択肢を正しく選ばないと進めない
「街」の主人公の牛尾&馬部2人の3日目のシナリオで,選択肢を両者が正しく選ばないとどちらもバッドエンドになってしまうギミック。
■サターン版の「街」の難度
一番最初に「街」が発売されたサターン版には,物語のフローチャートなどがなく,バッドエンドを回避するヒントも表示されなかったため,非常に難易度が高かった。
■タイムチャート
「428」で,5人の主人公の動きをツリー状に表示するチャート。これを見ると今現在,誰がどのシーンなのかが一目でわかる。
■月9
「げつく」と呼ばれるフジテレビ月曜21時の連続ドラマ枠。昔からヒット作が放映され,特にメジャーな役者陣が抜擢される。2009年秋放映の「東京DOGS」では,ひとみ役の近野成美さんもゲスト出演している。
■ユナイテッド93
2001年のアメリカ同時多発テロで,ハイジャックされたユナイテッド航空93便の機内の様子を描いた,2006年のノンフィクション映画。
■カナン役の子
本編の後半に登場する謎の少女・カナンを演じていたのは,当時12歳だった美少女モデルのティギー・ウィリアムスさん。
■建野役の工藤俊作さん
加納の先輩刑事,建野を演じている俳優。渋い脇役で多くのドラマや映画に出演するほか,セガの「龍が如く」では声優として出演している。
■ジャック
主に加納のシナリオに登場するCIAの諜報員。今回の事件の黒幕を追って日本へとやってくる。
■加納役の天野さん
主人公の一人である加納慎也役を演じる,天野浩成さん。2004年の「仮面ライダー剣」で,仮面ライダーギャレンとなる橘朔也を好演した。
■役者にセリフ
「428」の撮影時は,静止画を使ったゲーム内容にもかかわらず,役者全員がセリフをしゃべっている状態で撮影が行われている。その様子はメイキング映像などで見ることができる。
■忌火起草
「428」の一つ前に発売されたサウンドノベル。ドラッグや都市伝説を題材にしたホラー作品で,絵には実写を採用。登場キャラクターのセリフは画面のテキストには出ず,すべて音声にて再生される。
■顔が隠れていた
「忌火起草」は実写のサウンドノベルだが,登場人物は目から上が意図的に隠されている。
■かまいたちの夜
1994年にスーパーファミコンで発売された,サウンドノベル第2弾。雪山のペンションで起こる殺人事件を描いたサスペンス。巧妙に組み上げられたシナリオ展開は一部のファンに今も語り継がれ,3作目まで制作されている。
■ミステリー編
「かまいたちの夜」のメインとなるシナリオで,事件を解決できずに進めると,どんどん人が殺されていき,どこかで自分も殺されてしまう。
■残った3人
主人公5人のうち,大沢とタマのシナリオは少し早めに終わり,後半は加納・亜智・御法川の3人のシナリオが展開していく。
■さらば宇宙戦艦ヤマト
'70〜'80年代に国民的人気を誇ったSFアニメーション「宇宙戦艦ヤマト」の劇場版第2弾。乗組員がヤマトとともに特攻して終わるという衝撃的なラストを迎えたが,その公開後原作者の松本零士の手による結末の異なるTVアニメ版が放映されファンを驚かせた。
■桂馬のシナリオ
「街」の主人公の1人,刑事の雨宮桂馬の5日目のシナリオは,一度結末を見せたと思わせておいて,実はまだ終わっていないという演出がなされている。
■TYPE-MOON
奈須きのこ氏と武内崇氏が立ち上げたゲームブランド。「月姫」や「Fate」などのビジュアルノベルで,ファンから多大な支持を得る。チュンソフトのサウンドノベルをリスペクトし,「妹切草」というパロディも発表している。
■カナン編
とある条件を満たすと出現する「428」の隠しシナリオ。TYPE-MOONの奈須きのこ氏がシナリオを,キャラクターデザインを同社の武内崇氏が手掛ける。
■弟切草
チュンソフトのサウンドノベルの記念すべき第1弾。最初の発売は1992年3月で,プラットフォームはスーパーファミコンだった。“復讐”を花言葉にもつ弟切草をモチーフとしたホラーが描かれる。
■Fate
TYPE-MOON制作のビジュアルノベル「Fate/stay night」を指す。7人の魔術師と7人の使い魔による聖杯戦争が描かれる。格闘ゲームやRPGなど,さまざまな外伝がリリースされている。
■魔法使いの夜
TYPE-MOONの最新作として発売が予定されているビジュアルノベル。「月姫」に登場した蒼崎青子が主人公となる予定。過去に奈須きのこ氏の手によって書かれたが,正式な形では発表されていない作品で,ファンはその発売を心待ちにしている。
■シャム
カナン編に登場する重要キャラクター。カナンとアルファルドの師匠となる人物。
■御法川
「428」の主人公の1人,御法川実。職業はフリーライター。恩人の編集者を救うため,記事のネタを探して渋谷を奔走する。
■奈須さん
TYPE-MOON所属の作家,奈須きのこ氏。独自の世界観を持つ伝奇小説を得意としている。
■武内さん
TYPE-MOON所属のイラストレーターの武内崇氏。「月姫」「Fate」など,同社タイトルのキャラクターデザインを手掛けている。
■大塚明夫さん
マウスプロモーション所属の声優。渋く低めの声質で,主から脇まで幅広い役柄をこなす。ゲームでは「メタルギア ソリッド」シリーズのスネーク役でも有名。
■鈴音編
カナン編と同様,条件を満たすと出現する「428」の隠しシナリオ。亜智の妹の遠藤鈴音が主役となり,本編の時間軸とは別に進行していく。シナリオは「かまいたちの夜」でもおなじみのミステリ作家・我孫子武丸氏が手掛けている。
■3年B組金八先生
サウンドノベルシリーズ第5弾。正式名称は「3年B組金八先生 伝説の教壇に立て!」。プレイヤーは金八先生の代理として教壇に立ち,生徒たちにまつわるさまざまな問題に立ち向かう。発売は2004年6月で,プラットフォームはPS2。
■沢城みゆきさん
マウスプロモーション所属の声優。'99年に「デ・ジ・キャラット」のプチ・キャラット役で声優デビュー。「3年B組金八先生」では中島ヒカル役を好演。カナン編では主役のカナンを演じている。
■坂本真綾さん
フォーチュレスト所属の声優。洋画の吹き替えとアニメの声優,どちらもこなす実力派。「ガンダムSEED DESTINY」のルナマリア役や「ファイナルファンタジーXIII」のライトニング役,マクロスフロンティアOP「トライアングラー」主題歌などを担当。本作ではアルファルドを演じる。イシイ氏の10年前の監督作品「Little Lovers」シリーズに出演している。
■ブラック・ジャック
法外な報酬で医療を行う無免許医師の活躍を描く,手塚治虫原作の人気コミック。大塚氏はアニメーション版で主人公ブラック・ジャックを演じている。
■ブラックジャックによろしく
医療現場における不条理や不正を描いた佐藤秀峰原作のコミック。「ブラック・ジャック」とは直接の関係はない。
■出現条件
19:00以降の特定の選択肢5つをすべて正しいものを選んで“NEVER ENDS”を見ると,“黒いしおり”が出現し,読めるようになる。
■エコ吉編
「428」の最後の隠しシナリオ。亜智が着ているTシャツの胸に描かれたキャラクター・エコ吉の活躍を描いた異色作。物語の後半,亜智の胸を見てみると……!?
■CANAAN
カナン編に登場するキャラクターたちを主人公としたアニメーション作品。「428」での事件のその後を描き,御法川やマリアなど,本編で活躍した人物も数多く登場する。2009年7月より全13話が放映された。
■タバコがジタン
「街」で,主人公の1人であるフランス帰りの外人部隊・高峰隆士が,フランスのタバコ・ジタンを吸っている。
■チーマーが地下道でのされた話
「街」で,当時渋谷で暴れていたチーマーたちが,因縁をふっかけた高峰隆士に返り討ちにされている。
■10年前に花火が上がった日
「街」のラストシーンとなる10月15日の20時に,渋谷の街に花火が上がる。
■当時に関係する登場人物
加納編に登場する久瀬管理官,大沢編に登場する梶原刑事など。ともに「街」に登場する人物とは別人という設定だが,キャストは当時と同じ役者が演じている。
■桂馬
「街」の主人公の1人・雨宮桂馬。ヨレヨレのトレンチコートに帽子がトレードマークのオタク刑事。加納と同じく,渋谷警察署に勤務していた。
■スピンオフ
御法川は「3年B組金八先生 伝説の教壇に立て!」で初登場し,スピンオフという形で「428」の主人公として起用された。
■夜明けのうた
「街」のオープニングテーマ。鈴木結女が歌唱。ちなみにエンディングテーマは同じく鈴木結女が歌う「One and Only」。
■メイキング映像
「街」のメイキング映像は,エンディングでしか見ることができず,非常に貴重だった。
■上木さん
「428」の主題歌「世界はそれでも変わりはしない」を歌唱するアーティストの上木彩矢さん。本編にも本人としてスポット出演している。
■特典DVD
「428」の初回購入特典のDVD。Wii版は「SHIBUYA 60DAYS 〜Making of 428〜」,PSP版とPS3版は「428 PREMIUM FAN DISC」が用意され,内容も異なる。
■ファンの方をエキストラ
PSP版「街」をはじめとするサウンドノベル3タイトルの発売時のキャンペーンで募集された。募集当時はまだ「428」のタイトルは発表になっていなかった。
■ロートレックのロケ地
恵比寿駅にほど近い裏路地にある,レトロな喫茶店。店名は「ロートレック」ではなく,「喫茶 銀座」で,ファンの交流会などが行われる“聖地”となっている。
■スパイク
2008年末発売のWii版「428」をもって,セガとチュンソフトの当初契約したタイトルの発売がすべて終了。PS3版「428」以降のチュンソフト作品は,スパイクより発売となる。
■逆転裁判
カプコンから発売中の法廷アドベンチャーの人気シリーズ。ゲームボーイアドバンス版でスタートし,現在はニンテンドーDSを中心に展開中。
■レイトン教授
レベルファイブより発売されているナゾトキ・アドベンチャーのシリーズ。初代3部作は完結し,現在は第2シリーズに入っている。
■脱出パート
部屋から脱出するために,さまざまな仕掛けを解いていくパート。手持ちのアイテムなどを駆使して,パズル形式のミニゲームを解いていく。
■ノベルパート
サウンドノベルの形式で物語を読み進めていくパート。状況を表すテキストは下画面に,キャラクターのセリフは上画面に表示される。
- 関連タイトル:
428 〜封鎖された渋谷で〜
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