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Dreamkiller
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印刷2009/10/26 11:47

連載

海外ゲーム四天王 / 第20回:「Dreamkiller」

海外ゲーム四天王 〜戦うおじさん〜
第20回:今週の女性心理学者:「Dreamkiller」
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 チェコのデベロッパ,Mindware Studiosが開発した「Dreamkiller」は,患者さんの夢の中に入り込み,病気の原因となっているクリーチャーをバリバリ撃ち倒して病気を治すという,非常に珍しい治療法を使う女性心理学者になれるFPSだ。
 最近物忘れが激しいので,心の中の「ぼんやりクリーチャー」を退治してほしいという人も多いかもしれないが,本日の「海外ゲーム四天王」で紹介するのはそんな一本。設定は異色でデザインもかなり個性的だが,モノとしては撃ちまくり系のシンプルなFPSなので,難しいことを考えず,奇妙キテレツなデザインのクリーチャーどもをバリバリやっつけていこう。

他人の夢に入り込んで銃を撃ちまくるという医療のまったく新しい形を示してくれるDreamkiller

 

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 他人の夢に侵入し,その人を蝕む心の闇を直接退治するという女性心理学者を主人公にした異色のFPS,それが本日の「海外ゲーム四天王」で紹介する「Dreamkiller」だ。
 彼女の名前はAlice Drake。幼い頃見た夢の体験により,いつしか他人の夢の中に入り込める力を身につけるようになった彼女は,成長して心理学者になり,その特殊能力を使って彼女のもとを訪れる患者を癒している。
 夢の中にはさまざまなクリーチャー=病気の元が巣くっており,Alice,つまりプレイヤーはそうしたクリーチャー達を倒していかなくてはならない。夢とはいえ,やられればおしまいなので,治療はまさに命がけ。医学に献身する彼女に頭が下がる思いだ。

 ゲームにはシングルプレイキャンペーンと,マルチプレイモードが用意されている。
 シングルプレイで訪れてくる患者には,仕事に影響が出るほどクモが嫌いなクモ恐怖症の男,仕事をしなければならないという意識に取り付かれてワーカホリックになった男などが次々と登場する。クモ恐怖症の患者の夢の中に登場するクリーチャーは想像できそうだが,果たしてワーカホリックの原因となるクリーチャーはいかなる姿形をしているのだろうか? ネクタイしめて,「オラオラ,仕事しろ」とか言ったりするのだろうかと興味は尽きない。

 

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 各患者の夢の中は,それぞれ6〜7つのレベルで構成されており,最後に元凶となるボスが登場する。おのれ,病気め! とそれを退治できれば治療はめでたく終了。このように,次々に訪れる患者の心に入っていくというシステムなので,一つ一つのステージは完全に独立したものになっている。それぞれの夢が独自のデザインを持ち,個性豊かなのはいいのだが,そのため,どうしても細切れな印象を受けてしまうのが残念なところ。

 プレイそのものは撃ちまくり系のランボースタイルで,なぜか夢の中に彼女のための武器が用意されているので,それを使ってクリーチャーどもを次々と撃ち倒す。
 武器としては,チェーンガンやショットガンに似たものが登場し,なにせ夢なので弾丸は無制限だ。敵を倒し続けてキル数が溜まると,短時間だがパワーアップモードのようなものが発動し,この間は画面がモノクロになり(敵は赤く表示される),一撃必殺でヤツらを倒せる。クリーチャーはなかなかグロテスクなデザインのものが多く,そいつらが激しく血を撒き散らしたり,手足がちぎれたりといった派手なゴア表現とともに倒れていくので,シューターとしての爽快感は高い。

 

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 マルチプレイのゲームモードにはデスマッチやチームデスマッチ,キャプチャー・ザ・フラッグ(CTF)といったおなじみのもののほか,オリジナルモードとなるコンクエストが用意されている。コンクエストモードは,マップ上に用意されている脳のオブジェクト(患者の精神を表すらしい)を,二つのチームのどちらが先に確保するか競うもので,変形CTFといったところか。
 残念ながら,マルチプレイ人口は多いとはいえず,とくに日本時間の夜間(北米では深夜〜早朝にあたる時間帯)だと,相手になるプレイヤーがなかなか見つからない。

 

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 本作を開発したのはチェコに本拠を置くデベロッパ,Mindware Studiosで,2007年に「Painkiller: Overdose」という,Painkillerの拡張パック(もともとはMODだった)をリリースしている。
 そのため,クリーチャーや武器のデザイン,音楽,マップ構成など,全編に漂う雰囲気はPainkillerそっくりで,Painkillerのファンだった人ならすんなりとその世界観に入っていけるだろう。
 半面,上述したように各ステージが独立しているうえ,それぞれが短めなので,どうしてもこぢんまりとした印象を受ける。武器の種類もあまり多くなく,あまり考えずにサクサク進んでいけるところは手頃なゲームとはいえるが,もう少し何か欲しいなという物足りなさを感じてしまった。
 せっかく「夢」という,なんでもありの世界を舞台にしているのだから,プレイヤーが「まさか!」と叫んでしまうような途方もないことを何かしてほしかったような気がするが,とはいえ,Steam経由で容易に手に入るし,価格も29.99ドルとお手軽なので,何か変わった雰囲気のFPSがプレイしたいという人には,よい選択になるだろう。

 

コラム:「Painkiller」って,なに? という人のために
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 「Painkiller」とは鎮痛剤のこと,というのはホントだが,筆者のいうPainkillerは,2004年に発売されたホラーFPSのことである。
 交通事故で死んだ男が,天国に行きたかったら悪魔と戦ってきなさいという神の命令により,さまざまなクリーチャーと血みどろの戦いを繰り広げるという異色のストーリーで,当時としては美しいグラフィックスにより,グロテスクなクリーチャーや血みどろのゴア表現,巨大なボスクリーチャーとの激しい戦闘などをたっぷりと堪能させてくれる一本だった。とても万人向けとはいえないので,結果として大ヒットというわけにはいかなかったようだが,一部でカルト的な人気を獲得している。
 本作「Dreamkiller」は,そのPainkillerの精神的続編ともいわれているようだが,正当な続編(ストーリーはつながっていない)にあたる「Painkiller: Resurrection」が2009年10月27日に発売予定となっているので,Dreamkillerが気に入ったら,そちらも試してみよう。

 

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■■朝倉哲也(ライター/四天王)■■
 最近どんな悪夢を見るのか聞いてみたところ,夜中までゲームをやっているので眠りが浅く,あまり覚えていないとのこと。しかも最近は首すじとかも痛く,肩もよくコるので困っていると,聞いてもいないことを切々と訴えてくるライターの朝倉氏であるが,えーと……そんな朝倉氏の「海外ゲーム四天王」が読めるのは4Gamerだけ(←苦しいまとめ)。
  • 関連タイトル:

    Dreamkiller

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