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[CEDEC 2009]すでに次世代ゲーム機対応に動き出しているCrytekの見据えるもの
普通のグラフィックスだけでも並ぶモノがなさそうなのだが,高精細で描かれたゲーム内のオブジェクトが任意に破壊できたりと,ゲームシステムも只者ではなく,こう考えると,ますます独走で未来を突っ走っている感がある。そんなゲームを支えているのがCryENGINE 2で,さらに発展させたCryENGINE 3を同社は開発中だ。
さて,現状のハードウェアで可能そうな部分はほとんど実現してしまっている同社は,すでに次世代ハードウェアに向けた開発を開始しており,それがどのような方向性を持ったものなのかを示すのが本セッションとなる。
FarCryを作っている間にも,次世代のハードウェアを対象にした新エンジンの開発は進められており,それはCrysisとCryENGINE 2として世に出ることになる。Crysisでは,フォトリアリスティックとインタラクティビティという二つの相反する要素が要求され,どのようなバランスのデザインにするかが問題になったようだが,社長はあくまで「両方だ」と突っ撥ねたため,実際に高いレベルで両立した作品ができあがったとのこと。フォトリアリスティックなゲーム画面を実現するには,単に技術だけでなく,アーティストの仕事も非常に重要だったという。
同社は,あと3年は現在のレベルから大きな進展はないだろうと予測している。現在のゲームエンジンは性能のピークに達しており,現状のハードウェアでは,もうこれ以上扱えるものはないという。今後数年は,ゲーム内物理シミュレーションやAIといった方向でならゲームを差別化していくことができるだろうとのこと。
ゲームグラフィックスで「ルネサンス」すなわち大きな変革がくるのは,おそらく2012年か2013年と予測している。ちなみに,2008年の取材では,ルネサンスは2011年くらいとされていたのだが,ちょっと先送りになってきているようだ。
汎用化が進むGPUとマルチコア化が進むCPUは,ともに並列処理を指向しており,将来的にはぶつかることになるかもしれないとJones氏は語る。
2012年までは,ゲームは固定解像度(とはいっても1920×1080のフルHDだが)に留まり,キャラクターは「不気味の谷」のリスクも超えられないだろうという。
ルネサンス以降,すなわち次世代では,キャラクターはBrievableで,ゲームは現在のCG映画の画質になると断言している。そのためには,ラスタライズの改善も必須であるという。
現在のグラフィックスハードウェアは,三角形のポリゴンをベースとしてラスタライズを行う方式のものが進化を重ねた結果の製品である。しかし,それも限界に近づいており,次世代に向けて,Crytekでも新たな方式を模索しているようだ。ちなみに,Crytekのいう「次世代」とは,Crysisの3〜5倍の量のアセットが滑らかに動くレベルのものだとのこと。
次世代の描画方式として,Jones氏が挙げていたのは,
Point Base Rendering(ポイントベースレンダリング)
Ray Tracing(レイトレーシング)
Rasterization(ラスタライゼーション)
Sparse Voxel Octree(スパースボクセルオクトリー:SVO)
といった技術だ。
これらの解説において「残念ながらムービーは持ってこれなかった」と語っていたので,おそらくCrytek社内では,ムービーが撮れるくらいにはこれらのレンダリング手法の評価段階には入っているものと思われる。
現実感の湧かない話も多いかもしれないが,3年後には確実にゲームグラフィックスは一変する。5年後には,CG映画のクオリティがリアルタイムで再現できるという。PCはもちろん,PlayStation 4(?)やXbox 1080(?)といった次世代ゲーム機(これも2008年には「Xbox 720」といっていたので,もう1回転くらいしてほしいのかもしれない)が登場すれば,それにあわせたゲームはどうしても必要になってくるのだ。
最後に映示されたのは,Crysisのアセットを使ったCryENGINE 3のデモ映像である。非常に高解像度(フルHD?)でレンダリングされており,かつリアルタイムに録画されたものだ。これは「非常にハイパワーな次世代のPCのハードウェアのようなもの」を使ったリアルタイムデモであるとされている。途中の15秒だけ直撮りムービーでご覧いただきたい。
この直撮りムービーの解像度では細部が分からないのであまり意味はないのだが,なんとなく遠くのボケ加減が違うような気がするとか,なんとなく高精細な気がするなどと妄想してみてほしい。
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