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「ALIENWARE 17」「ALIENWARE 15」「ALIENWARE 13」一挙検証(1)「ゲーマー向けノートPCの代名詞」最新モデルが持つ速度性能を明らかにする
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印刷2015/03/21 00:00

レビュー

「ゲーマー向けノートPCの代名詞」最新モデルが持つ速度性能を明らかにする

ALIENWARE 17,ALIENWARE 15,ALIENWARE 13

Text by 宮崎真一


 ゲーマー向けPCの代名詞的存在と紹介しても過言ではないALIENWAREから,2015年春モデルが発表になったわけだが,このたび4Gamerでは,そんなALIENWAREの2015年春モデルとなる「ALIENWARE 17」「ALIENWARE 15」「ALIENWARE 13」を同時に入手することができた。いい機会なので,全部まとめて,じっくりテストしてみようと思う。

ALIENWARE 17(右),ALIENWARE 15(中央),ALIENWARE 13(左)
メーカー:Alienware(Dell)
問い合わせ先:問い合わせ先一覧ページ
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 筆者がALIENWAREのノートPCを評価するのは本当に久しぶりだが,前編となる本稿では,まずスペックをチェックしつつ,その速度性能を明らかにしてみたい。後編では,ゲーマー向けノートPCとしての使い勝手を掘り下げる予定だ。


3モデルともGPUはMaxwellベースのGeForce

外付けグラフィックスボックスにも対応


 というわけで,まずは性能を左右するスペックを,順に見ていこう。なお,BTOオプションは,在庫状況やAlienwareによる戦略変更などの理由により,変わることがある。あくまでも原稿執筆時点である2015年3月20日現在のものであることを,あらかじめお断りしておきたい。

左はALIENWARE 17の本体底面。正直に述べて,底面カバーを全部開けて中身を見る,といったことを行おうとすると,非常に難度が高い。今回の撮影にあたっては「分解できそうだけど壊れる気がしたのでやめる」という決断を下したくらいだ。ただその一方,メモリやストレージへアクセスするだけなら,矢印で示したところにあるビスを2つ取り外し,中央部のカバーを取り外すだけでよかったりもする
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 また,以下の製品紹介ではしれっと本体底面のカバーを開けているが,これは,Alienwareのメーカー保証内で行える行為だ。新型のALIENWAREノートPCでは,GPUやCPUまで覗こうと思った場合には非常に分解の難度が高く,まったくお勧めできない一方,メモリモジュールやストレージへのアクセスは,従来製品よりもさらに容易になった。なんというか,ユーザーのうっかりで致命傷に至る危険をできる限り避けつつ,拡張性を確保する方向での配慮がはっきりと窺えるのである。変更した結果は保証されないが,何かあれば元に戻せばまた保証を受けられるようになるので,ここは大変好ましいポイントとして,やはり事前にお伝えしておこうと思う。


ALIENWARE 17


ALIENWARE 17。今回取り上げる3製品で唯一の10キー搭載モデルだったりもするのだが,冒頭で予告したとおり,そういった使い勝手周りの話は後編で行うので,しばしお待ちを
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 ALIENWARE 17のベースモデルは「スタンダード」「プレミアム」「プラチナ」「スプレマシー」の4つ。GPUは,スタンダードのみが「GeForce GTX 970M」(以下,GTX 970M)で,プレミアム以上は「GeForce GTX 980M」(以下,GTX 980M)だ。要するに,どれを選んでも第2世代Maxwellベースということになる。

 組み合わされるCPUは,スタンダードとプレミアムが「Core i7-4710HQ」(4コア8スレッド対応,定格2.5GHz,最大3.5GHz,共有L3キャッシュ容量6MB),プラチナ以上が「Core i7-4980HQ」(4コア8スレッド対応,定格2.8GHz,最大4GHz,共有L3キャッシュ容量6MB)で,いずれも,NVIDIAのスイッチャブルグラフィックス技術「Optimus」によって,CPUに統合されたグラフィックス機能と単体GPUとを切り替える仕様になっている。

 ハイエンドクラスのノートPC用GPUが搭載されたノートPCでは,モバイル用途が一切考慮されないケースも少なくないだけに,アプリケーションプロファイルの問題が健在化して,うまくGPUが使われないとか,逆に大した負荷がないのになぜかGPUが使われてしまうとかいったことがあって,その挙動に100%の信頼を置くことができないOptimusが強制されるのは,ちょっと残念だ。

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 搭載される液晶パネルは17.3インチ,解像度1920×1080ドットで,IPS方式のもの。プレミアム以下はノングレア(非光沢)なのに対し,プラチナ以上ではタッチセンサー付きのグレア(光沢)仕様となり,変更できないのは好みが分かれるだろう。解像度の選択肢も,もう一声欲しいところではある。

本体底面中央のカバーを外したところ。メモリスロットとM.2スロット,HDDトレイへアクセスし,実際に換装したり増設したりできる(※増設結果はメーカー保証外)
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 メインメモリは標準で容量4GBのPC3-12800 DDR3L SDRAMによるデュアルチャネル構成。多くのゲーマー向けノートPCメーカーが,最下位モデルでは当たり前のようにシングルチャネル仕様として,ゲーム性能をわざわざ落としているのに対し,ALIENWARE 17はスタンダードでもデュアルチャネルであり,ここは大いに好感が持てる。
 ストレージは,全モデルで容量1TBのHDDが標準搭載。プレミアム以上では内部的にはSerial ATA 6Gbps接続となるで容量128GBのM.2型SSDがシステムドライブとなる。BTOオプションを使えば,SSDの容量は256GB(税別1万円)あるいは512GB(税別3万8900円)へ増やすこともできる。

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M.2スロットは4つあるので,やろうと思えば相当に大容量のSSDストレージを構成することが可能だ
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HDDはごくごく標準的な9mm厚の2.5インチモデルだった。やろうと思えば換装は容易だろう

 なお,今回筆者のところへやってきたのはプレミアムだ。


ALIENWARE 15


ALIENWARE 15
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 ALIENWARE 15は,15.6インチでノングレアのIPS液晶パネルを搭載したモデルとなる。選択肢はやはりスタンダードとプレミアム,プラチナ,スプレマシーの4つ。ALIENWARE 17と同じく,タッチセンサー付きのグレアパネルも用意されているのだが,ALIENWARE 15だとスプレマシーであってもBTOオプションなので,この点はありがたい。

本体底面中央部のカバーを開けたところ。ALIENWARE 17と非常によく似ており,ほとんど「そのままダウンサイジング」といった感じだ
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 GPUの選択肢は少々特殊で,BTO標準構成だと,スタンダードが「GeForce GTX 965M」で,プレミアムがGTX 970M,プラチナ以上がGTX 980M。スタンダードはBTOオプションでGTX 970Mを,プレミアムはBTOオプションでGTX 980M(税別5万円)および「Radeom R9 M295X」(税別1万5000円)を選択可能なのに対し,プラチナ以上はGPUが固定となっている。Radeon R9 M295X搭載時にスイッチャブルグラフィックス周りがどうなるのかは明らかになっていない――おそらく「Enduro」が採用されると思うが――ものの,GeForce選択時は,ALIENWARE 17と同じくOptimusが有効だ。

 組み合わされるCPUは,スタンダードが「Core i5-4210H」(2コア4スレッド対応,定格2.9GHz,最大3.5GHz,共有L3キャッシュ容量3MB)で,プレミアム以上がi7-4710HQ。こちらもモデルごとにCPUは固定だ。さすがに最新世代の3Dゲームだと4コアはほしいところなので,現実的な選択肢はプレミアム以上ということになるだろうか。

 メインメモリとストレージの仕様は基本的にALIENWARE 17と同じ。ただし,Serial ATA 6Gbps接続のM.2タイプで容量128GBのSSDが標準搭載となるのは,ALIENWARE 15だとプラチナ以上だ。今回筆者のところへやって来たモデルはプレミアムなので,SSDは搭載されていなかった。

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ALIENWARE 17と比べると,M.2スロットの数が半減したが,それでも2つある
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2.5インチストレージトレイの仕様はALIENWARE 17とほぼ同じ


ALIENWARE 13


ALIENWARE 13
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 ALIENWARE 13は,「他社の一般的なノートPCなら15.6インチクラスかそれ以上の大きさの性能を,13インチのIPS液晶パネル搭載の筐体に詰め込んだモデル」という位置づけの製品になっている。ベースモデルはスタンダード,プレミアム,「Office付き」とプラチナの4つだが,Office付きというのは事実上「スタンダードに『Office Premium』が付属したモデル」なので,残る3モデルについて話を進めよう。

 ALIENWARE 13でユニークなのは液晶パネルの選択肢で,スタンダードは解像度1920×1080ドットのノングレアパネル,プラチナは解像度2560×1440ドットのタッチセンサー付きグレアパネルとなる。プレミアムはBTO標準だと前者で,後者を税別2万7600円で選べる仕様だ。最もパネルサイズの小さなALIENWARE 13が,最も高精細なパネルを選べるというわけである。

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 GPUは全モデルで共通し,「GeForce GTX 960M」(以下,GTX 960M)で固定だ。ALIENWARE 17&15と同じく,Optimusによるスイッチャブルグラフィックス機能が有効となっている。
 組み合わされるCPUはスタンダードが「Core i5-5200U」(2コア4スレッド対応,定格2.2GHz,最大2.7GHz,共有L3キャッシュ容量3MB)で,プレミアム以上が「Core i7-5500U」(2コア4スレッド対応,定格2.4GHz,最大3GHz,共有L3キャッシュ容量4MB)といずれもBroadwell-U世代の2コア4スレッド対応モデルでやはり固定となっている。CPUのスペックは,ゲームタイトルによってはボトルネックとなりそうだ。

本体底面のデザインが,明らかにALIENWARE 17&15と異なるALIENWARE 13。顕著なのは,標準採用のHDDが7.5mm厚のものに換装されており,また,M.2スロットが用意されないところだろう。プラチナモデルでは,2.5インチトレイのところがM.2スロット×2へ換装されるのだと思われる
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 メインメモリは,スタンダードとプレミアムのBTO標準構成がALIENWARE 17およびALIENWARE 15と同じく容量4GB×2。プラチナだけは8GB×2のデュアルチャネルになっている。スタンダードだとメモリ容量を変更できないのに対し,プレミアムだと8GB×2(税別2万1463円)を選択できるというのも面白い。
 BTO標準構成のストレージは,プレミアム以下が容量1TBのHDDで,プラチナだけは容量256GBのSSDとなる。いずれもストレージは1基のみのサポートとなるため,プレミアム以下で容量256GBのSSD(税別1万4800円)もしくは容量512GBのSSD(税別3万9000円)を選択する場合は,HDDと排他になる。
 ただ,プラチナだけは話が別で,容量512GBのSSD(税別2万4200円)へ変更できるほか,容量512GB+容量128GBというM.2接続のSSD 2枚セット(税別3万9000円)へも換装できるようになっていた。

 なお,今回入手したモデルはプレミアムなのだが,GPUはGTX 960Mの“リブランド前”のモデルとなる「GeForce GTX 860M」(以下,GTX 860M)である。もっとも,両者の間に性能面の大きな違いはないと考えられるので(関連記事),テストにあたってそれほど気にする必要はないはずだ。


ALIENWARE Graphics Amplifierなど


ALIENWARE Graphics Amplifier
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 今回入手したALIENWARE 17とALIENWARE 15,そしてALIENWARE 13はいずれも,Alienware肝いりの外付けグラフィックスボックスである「ALIENWARE Graphics Amplifier」に対応している。これは,3モデルともスプレマシーのみ標準で付属しているが,もちろんプラチナ以下でもBTOオプション(税別2万9800円)で選択可能だ。
 機会があれば,ALIENWARE Graphics Amplifierの単体評価もお伝えしたい。

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 3製品に共通の仕様としては,日本語配列だけではなく英語配列のキーボードも無料で選択できることと,有線LANコントローラが1000BASE-T準拠の「Killer e2200」,無線LANコントローラが「Killer Wireless-AC 1525」と,Killer Netoworking製で統一された「Killer DoubleShot Pro」仕様になっていることも挙げられるだろう。
 そのほか入手した3モデルの主なスペックは表1のとおりだ。

※ストレージデバイスは,あくまでも4Gamerで入手した個体のものです。出荷される全製品がこのデバイスを搭載すると保証するものではありません
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デスクトップPCとの比較でALIENWARE 3機種の立ち位置を探る

ALIENWARE 13だけはオンラインRPGのテストを多めに


 テスト環境の紹介に移ろう。
 今回用意した3モデルの性能をはっきり理解するためには,よく知られたデスクトップPC向けGPUを搭載するシステムと比較するのが手っ取り早いであろうという判断から,今回は表2に示したマシンを用意した。「4コア8スレッド対応で,なるべく低いクロックのものを」ということで「Core i7-4770T」(以下,i7-4770T)をCPUとして採用しつつ,ハイクラスからエントリーミドルクラスまでのGPUを組み合わせる,といったイメージだ。

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 表3は,ALIENWARE 17・15・13で採用される単体GPUと,今回比較用として用意した「GeForce GTX 970」(以下,GTX 970)および「GeForce GTX 960」(以下,GTX 960),「GeForce GTX 750 Ti」(以下,GTX 750 Ti),「GeForce GTX 750」(以下,GTX 750)の主なスペックをまとめたものになる。以下,デスクトップPCは「i7-4770T+GTX 960」といった具合に,「CPU名+GPU名」表記としたい。
 なお,表2でその名を挙げたグラフィックスカードのうち,GIGA-BYTE TECHNOLOGY製のGTX 960搭載カード「GV-N960WF2OC-2GD」とGTX 750搭載カード「GV-N75OC-1GI」は,メーカーレベルで動作クロックが引き上げられたクロックアップモデルであることから,同社製のオーバークロックツール「OC Guru II」(Version 1.78)を用いて,表3で示したリファレンスレベルにまで下げている。

※ALIENWAREの3製品で採用されるGPUには下地に薄い黄色を引いています
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 NVIDIAからはより新しいグラフィックスドライバ「GeForce 347.88 Driver」がリリース済みだが,テスト開始タイミングの都合で,今回は「GeForce 347.52 Driver」を用いる。ただし,ALIENWARE 13だけはどういうわけか347.52ドライバを導入できなかったため,プリインストールの「GeForce 344.73 Driver」をそのまま用いることとした。

 テスト方法は基本的に4Gamerのベンチマークレギュレーション16.0準拠。ただし,表3でも想像できるとおり,ALIENWARE 13に搭載されるGPUのスペックはALIENWARE 17&15と大きく異なるため,今回,ALIENWARE 13だけは,描画負荷が高い「Crysis 3」と「Dragon Age:Inquisition」(以下,Inquisition)のテストを省略し,「Battlefield 4」(以下,BF4)では「エントリー設定」と「標準設定」のテストを行うことにする一方で,「MHFベンチマーク【大討伐】」(以下,MHFベンチ【大討伐】)と「PSO2 キャラクタークリエイト体験版 ver. 2.0」のベンチマーク機能(以下,PSO2ベンチ)を追加している。
 両テストでは,解像度ごとに2回連続実行し,その平均値をスコアとして採用することにした。PSO2ベンチのグラフィックス設定プリセットは「簡易描画設定5」だ。

 テスト解像度は1600×900ドットおよび1920×1080ドットの2パターンを選択している。


ALIENWARE 17の性能は“エントリーハイクラス”といったところ。一方のALIENWARE 15はGTX 750 Tiよりやや上か


 まずはALIENWARE 17とALIENWARE 15のテスト結果から見ていこう。
 グラフ1は「3DMark」(Version 1.4.828)の総合スコアを,グラフ2は「Fire Strike」テストにおけるGPUテスト結果「Graphics Score」とCPUテスト結果「Physics Score」を抜き出したものだ。
 ALIENWARE 17のテスト結果は,i7-4770T+GTX 970とi7-4770T+GTX 960のほぼ中間に位置しており,デスクトップPCにおける中の上,もしくは上の下という,なかなか立派なもの。ALIENWARE 17で搭載される解像度1920×1080ドットまでの解像度であれば,まずもってどんなタイトルでも快適にプレイできるだろうと期待できるだけのスコア,とも言い換えられるだろう。

 一方のALIENWARE 15は,i7-4770T+GTX 960に若干届いていないものの,i7-4770T+GTX 750 Tiを大きく上回っており,デスクトップPCではミドルクラス相当の3D性能ポテンシャルを持っているといえそうである。

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 続いてBF4の結果がグラフ3,4で,グラフの傾向は3DMarkのスコアをほぼ踏襲する形となっている。ただし,ALIENWARE 15とi7-4770T+GTX 960のスコア差は,3DMarkだと5〜7%程度だったのが,BF4では8〜14%程度と若干広がった。GTX 970MはGTX 960よりGPUの規模が大きく,メモリバス帯域幅も広いので,これが有効に機能したということだと思われる。

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 グラフ5,6は,今回採用したタイトルのなかでは最も描画負荷の高いCrysis 3におけるテスト結果で,ここではALIENWARE 17のスコアがi7-4770T+GTX 970比で71〜77%まで落ち込んでいる。その理由をはっきりとは断言できないものの,GPUの規模やメモリバス帯域幅などが総合的に影響した可能性はありそうだ。
 ALIENWARE 15とi7-4770T+GTX 960の力関係は,BF4とおおむね同じといったところだろうか。

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 一転して,非常に負荷の低いFPSである「BioShock Infinite」の結果がグラフ7,8だ。ALIENWARE 17のスコアはi7-4770T+GTX 970の84〜93%程度,i7-4770T+GTX 960の14〜22%程度で,高負荷になればなるほど後者とのスコア差を付けている。これはひとえにメモリ周りの性能差によるものだろう。
 一方のALIENWARE 15は,最も描画負荷の低いHigh設定の1600×900ドットでスコアが振るわないが,その理由はよく分からない。それ以外のテスト条件では,i7-4770T+GTX 960およびi7-4770T+GTX 750 Tiのほぼ中間だ。

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 続いて再び描画負荷の高いタイトルであるInquisitionの結果がグラフ9,10で,案の定というかなんというか,ALIENWARE 17のスコアはi7-4770T+GTX 970比で71〜77%と離されてしまい,i7-4770T+GTX 960をかろうじてかわすのに精一杯という状況になってしまっている。
 一方のALIENWARE 15は,i7-4770T+GTX 960とi7-4770T+GTX 750 Tiのほぼ中間という順当な位置に収まっていた。

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 新生FFXIVベンチ キャラ編の結果をまとめたグラフ11,12だと,標準品質(ノートPC)では上位3製品でスコアの頭打ちが発生している。それだけに,1600×900ドットでALIENWARE 15のスコアが振るわないのは気になるところだが,BioShock Infiniteと同じく,ここも理由はよく分からない。
 より負荷の高い最高品質だと,1600×900ドットでALIENWARE 17とi7-4770T+GTX 970のスコア差が縮まるものの,おおむね,3DMarkやBF4と似た傾向が得られている。

※グラフ画像をクリックすると,平均フレームレートベースのグラフを表示します
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 グラフ12,13は「GRID Autosport」のテスト結果だが,ここではALIENWARE 17,ALIENWARE 15ともスコアが振るわない。GRID Autosportは,シングルGPU構成であれば,GPU性能が比較的素直にスコアとして反映されやすいのだが,それでこの結果ということは,「熱設計の枠内で十分な性能が出ている」と判断され,GPUコアクロックのブーストが一定レベルで抑えられているということなのかもしれない。

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ALIENWARE 13はデュアルコアCPUが足枷になるケースもあるが,オンライン専用タイトル中心なら問題なしか


 続いてはALIENWARE 13のテスト結果を順番に見ていこう。
 グラフ15は3DMarkの総合スコア,グラフ16は先ほどと同じようにFire StrikeのGPUおよびCPUスコアを抜き出したものだが,グラフ16を見る限り,GTX 860M(≒GTX 960M)とGTX 750ではおおむね同程度の3D性能が得られるという理解でよさそうだ。Fire StrikeにおいてALIENWARE 15のスコアがi7-4770T+GTX 750より若干低いのは,Physics Scoreからはっきりと見て取れる「2コア4スレッド対応のCPUと4コア8スレッド対応CPUの違い」によるものと見てまず間違いない。

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 グラフ17,18はBFのスコアで,ここにおけるALIENWARE 13のスコアはi7-4770T+GTX 750の90〜93%程度だ。BF4はマルチスレッドに対応しているので,これはCPU性能が生んだ違いだろう。
 レギュレーションでは平均65fps以上を合格ラインとしているが,エントリー設定の1600×900ドットならばそれを満たしており,ALIENWARE 13でも,グラフィックス設定次第ではBF4クラスのゲームを快適にプレイできると言えるのは心強い。

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 続いてグラフ19は,標準設定相当となるHigh設定で実行したBioShock Infiniteの結果となるが,ここでALIENWARE 13はi7-4770T+GTX 750の81〜84%と,スコア差が若干開いている。とくに1600×900ドットでギャップが拡大気味であることからすると,ここでのスコア決定要因は主にCPU性能だろう。

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 グラフ20,21は新生FFXIVベンチ キャラ編のテスト結果だが,新生FFXIVがマルチスレッド処理に最適化されていることもあって,ALIENWARE 13のスコアはなかなか無惨だ。CPU性能が“効く”タイトルだと,2コア4スレッド対応のCPUは,露骨に足枷となるわけである。
 ただそれでも,標準品質(ノートPC)では,解像度1920×1080ドットにおける総合スコアが,スクウェア・エニックスの定める最高指標である「非常に快適」のラインたるスコア7000を超えている点は評価できそうだ。1600×900ドットで,セカンドベストの指標である「かなり快適」の枠内(5000〜6999)に収まっている点も押さえておきたい。

※グラフ画像をクリックすると,平均フレームレートベースのグラフを表示します
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 ここからは描画負荷の低いオンラインゲームのテストだ。まず,MHFベンチ【大討伐】のスコアがグラフ22となるが,ALIENWARE 13のスコアはi7-4770T+GTX 750の81〜85%程度。BioShock Infiniteと似た傾向で,やはりCPUがボトルネックになっている気配を感じる。
 ただ,テスト中の平均フレームレートを「Fraps」(Version 3.5.99)で取得してみたおところ,解像度1600×900ドットで79.0fps,1920×1080ドットで57.6fpsだったので,高テクスチャ版MHFのプレイにも支障はまずないと述べていいだろう。

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 3Dベンチマークの最後,グラフ23はPSO2ベンチの結果で,ALIENWARE 13のスコアは,なんとi7-4770T+GTX 750の63〜65%程度に沈んだ。GTX 860Mが無効化されているわけではないことは確認済みなので,ここもCPUが足枷になっていると理解すべきだ。

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ノートPCらしくは消費電力は総じて低め。Broadwell-Uを採用したALIENWARE 13はなかでも白眉


 2015年春モデルのALIENWARE 17・15・13はいずれも,バッテリーパックを取り外せない仕様になっている。また,ALIENWARE 13はさておき,より大きな2モデルの場合,バッテリーパックは「外出先でのゲームプレイ用」というより「自宅の中でちょっと移動するときのUPS(無停電電源装置)」的な存在になるので,スコアは参考値となるうえにそれほど重要というわけでもないだろうが,ともあれ,ログの取得が可能なワットチェッカー「Watts up? PRO」を用いて,システム全体の消費電力を測定してみよう。

 テストにあたっては,ゲーム用途を想定し,無操作時にもディスプレイの電源がオフにならないよう指定したうえで,OSの起動後30分放置した時点を「アイドル時」,各アプリケーションベンチマークを実行したとき,最も高い消費電力値を記録した時点を,タイトルごとの実行時としている。

 ALIENWARE 17とALIENWARE 15のスコアはグラフ24のとおり。アイドル時は比較対象のデスクトップPCが軒並み60W台なのに対し,主役の2モデルは30W未満と,ノートPCらしいスコアを見せている。アプリケーション実行時の消費電力も,液晶ディスプレイという大きなハンデを抱えているにもかかわらず,ALIENWARE 17はi7-4770T+GTX 960から24〜45W程度も低い。ALIENWARE 15もi7-4770T+GTX 750から4〜16W程度低かった。

※そのまま掲載すると縦に長くなりすぎるため,簡略版を掲載しました。グラフ画像をクリックすると完全版を表示します
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 さらにインパクトが大きいのがグラフ25で,ALIENWARE 13はアイドル時にわずか14W,アプリケーション実行時でも70W台半ば。i7-4770T+GTX 750とでは,もはや比較になっていない。

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 最後にCPUとGPUの温度も確認しておこう。ここでは,3DMarkの30分間連続実行時点を「3DMark時」として,アイドル時ともども,CPUは「HWMonitor PRO」(Version 1.22),GPUは「GPU-Z」(Version 0.8.2)から,それぞれ温度データを取得することにした。なお,テスト時の室温は24℃で,比較対象のデスクトップPCはPCケースに組み込んでいない。

 というわけでグラフ26,27はCPU温度だ。ALIENWARE 17とALIENWARE 15はアイドル時に41〜45℃程度,高負荷時に80〜81℃程度で,デスクトップPCと比べると高めであるものの,とくに問題のある数字ではない。むしろこのクラスでは妥当といったところだろう。
 ALIENWARE 13も,アイドル時は消費電力ほどインパクトのあるスコアを示しておらず,高負荷時はデスクトップPCよりやや高いが,こちらもとくに問題はない。

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 興味深いのは,グラフ28,29にまとめたGPU温度だ。ALIENWAREの3モデルは,アイドル時はOptimusによってGPUが無効化されるため,スコアが「N/A」となる。そのため高負荷時のスコアを見ることになるわけだが,ここでALIENWARE 15のGPU温度が,ALIENWARE 17と比べて6℃も低い。筐体がALIENWARE 17より小さい以上,温度は高くなっても不思議ではないのだが,そこで下がっているということは,GPUの冷却を重視した設計になっているのかもしれない。

 なお,ALIENWARE 13のGPU温度は高負荷時でも60℃。これは「かなり低い」と言えるレベルである。

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いい意味で「驚きのない」速度性能

スペックから期待されるとおりの実力を示すALIENWARE


 以上,予告どおり,速度性能にフォーカスして検証を行ってきた。
 2015年春モデルのALIENWARE 17が持つ3D性能はおおむねGTX 970とGTX 960の間といったところで,解像度1920×1080ドットであれば,ほとんどの3Dゲームタイトルを快適にプレイできるだろう。ALIENWARE 15の実力は「GTX 960に近い」とは言えないものの,GTX 750 Tiと同等以上のポテンシャルを持っているため,一部の“重い”タイトル以外は,解像度1920×1080ドットかつそこそこのグラフィックス設定でプレイ可能なはず。ALIENWARE 13はCPU性能が足を引っ張るケースが目立ち,総合的にはGTX 750よりやや下になるが,オンライン専用タイトルであればまず問題なく,最新世代の3Dグラフィックスを採用するようなタイトルも,グラフィックス設定次第で,十分,プレイできるフレームレートを確保できる。

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 ここで重要なのは,3モデルがいずれもいい意味で「驚きのない」スコアを示していることだ。ノートPCの場合,冷却能力不足などの原因で,搭載されるGPUやCPUが100%のポテンシャルを発揮できないケースが少なくないのに対し,今回テストした3モデルには,そういうがっかりな結果がほとんどないのである。厳正を期せば,シェーダヘビーなタイトルであるCrysis 3におけるALIENWARE 17とi7-4770T+GTX 970の大きなスコア差などからは,ALIENWARE 17で熱的な問題が発生してクロックが落ちた可能性も見て取れるので,「まったくない」とは言えないものの,少なくとも落胆させられるようなスコアは出なかった。
 ここは,ゲーマー向けノートPCにおいてさりげなく重要なポイントなのだが,それをおおむねクリアしてきているあたりは見事だ。ゲーマー向けノートPCの代名詞的存在らしい完成度ともいえるだろう。

 ……と,最後は持ち上げすぎたかもしれない。次回は,ゲーマー向けノートPCとしての使い勝手に焦点を当て,価格も考慮しつつ,最終評価をしてみたいと考えている。

デルのALIENNWARE 17販売ページ

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