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[E3 09]直前情報! 北米時間6月2日から開催されるElectronic Entertainment Expo 2009の見どころは?
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印刷2009/06/01 11:04

イベント

[E3 09]直前情報! 北米時間6月2日から開催されるElectronic Entertainment Expo 2009の見どころは?

E3は再びメガショウに戻るのか?


 現地時間の2009年6月2日〜4日,かつて「ゲーム業界で最も重要なイベント」といわれたElectronic Entertainment Expoがロサンゼルスのコンベンションセンターで開催される。「かつて」と書いたのはもちろん,2007年と2008年の「E3 Media and Business Summit」の評判が必ずしもよくなかったからだ(関連記事)。
 取材する側にしてみれば,あらかじめ決められたスケジュールに従って会場内のインタビュールームを移動すればよかったのだから,楽といえばやたらに楽だったのだが,足で取材する必要のないスタイルは,多くのメディアにとってあまりにもシステマティックに感じられたようだ。また,イベントを主催するゲーム業界団体,ESA(Entertainment Software Association)の会員ではない企業は参加できず,北米以外の中小メーカーのタイトルがほとんど出展されなかったのも不満として挙げられていた。

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「E3 Media & Business Summit 2008」記事一覧

「E3 Media & Business Summit 2007」記事一覧

「E3 2006」記事一覧


 そうしたメディアやメーカーの声に応え,この2009年,再びメガショウに戻るというE3は,どのようなイベントになるのだろうか? ここで簡単に情報をまとめてみよう。
 公式サイトの出展者リストに名を連ねるのは約180社。だが,パブリッシャやメディア,ハードメーカーなどの名前も多いので,純粋なゲームメーカーはそのうちの三分の二程度といったところだ。これは,最大の出展者数を記録した2006年の約400社に比べ,半分以下でしかなく,展示面積も半減している。
 また,出展にESAの会員である必要はなくなったため,昨年ESAを退会した大手メーカーのうち,Activision BlizzardやLucas Artsなどが戻っている。参加を見合わせたメーカーとしては,id SoftwareやNCsoftがあるが,id Softwareについては,昨年(2008年)のE3ではブースこそ構えなかったものの,各社のプライベートカンファレンスで新作発表などを行い,意外なほどのプレゼンスを見せている。今年もそうした形の参加があるかもしれない。
 ロシアの大手メーカーである1C Companyやウクライナのデベロッパ,GSC Game Worldの姿はなく,全体にロシア/東欧勢は寂しい状況だ。もっとも,デベロッパに関してはパブリッシャのブースで展示されることが多く,例えばチェコのBohemia Interactive Studioの名前はリストにはないが,彼らの「ArmA II」は,パブリッシャである505 Gamesのブースで見られるだろう。

開催準備の進むコンベンションセンター。恒例の垂れ幕も復活した
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 フロアプランとしては,コンベンションセンターのWestとSouthの二つのホールが使われ,それ以外にミーティングルームが用意されており,これは,スペースが足りなくて屋外のブースさえあった2006年の半分ほどの床面積になるだろう。ベテランのE3ウォッチャーにとっては,かなり独特なカオスを形作っていたKentia Hallが使われていないのが惜しいと思えるかもしれないが,あの雰囲気が戻ってくるとしても,それはしばらく先の話になりそうだ。
 E3といえば,巨大なブースと鳴り響くBGM,そしてきらびやかなブースベイブを思い浮かべる人もいるかもしれないが,これについてはどの程度のものになるものか,現時点ではよく分からない。「人ごみをかき分けて進むE3」についてはあまり再現してほしくないものの,ブースベイブについてはぜひ再現してほしい気がする。

ArmA II
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 各社の「やる気」はかなり感じられる。「詳しくはE3で」というリリースが多いし,E3へ向けて「謎のカウントダウン」を行っているメーカーサイトもある。新作発表の予定も目白押しだ。フランスのUbisoft Entertainmentは,例年この時期,プライベートカンファレンス「UBI Days」をパリで開催していたが,今年はE3に傾注するとしてそれを中止している。新しいE3に対する各社の温度差はもちろん大きいが,予想していたよりはるかに力が入っているという印象だ。


2009年,ゲームのトレンドは


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PC版も用意されている,Battlefield: Bad Company 2

 2009年の傾向としては,カジュアルゲームの(さらなる)拡大がまず挙げられそうだ。メーカーのタイトルリストにはまだ未確定部分が多いが,それでもラインナップにはWiiやDS,PSP向けタイトルが目立つ。アメリカの調査会社NPD Groupによる2008年のトップセールスによれば,売り上げ上位四位までをWiiタイトルが占めており,今年は各メーカーともさらにWii向けタイトルに力を入れていくと予想される。
 Rock BandシリーズやGuitar Heroシリーズのメガヒットに見られるように,かつては一人で楽しむことの多かったゲームが,より大人数で楽しむものになる“ソーシャル化”もトレンドのようだ。オンラインを使ったソーシャルゲームも数多く登場するだろう。

Bioshock 2
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 もちろん,ハードなゲームが姿を消すわけではない。すでに1000万本以上の販売実績を達成したとされるRockstar Gamesのモンスターゲーム,「Grand Theft Auto IV」はジャンルとしてはクライムアクションであり,間違ってもご家族向きとはいえないはず。
 また,Activision Blizzardのコール オブ デューティーシリーズ最新作「World at War」も,前作「Call of Duty 4: Modern Warfare」に比べて微妙な仕上がりだという評価を受けつつも,ベストセラーリストの上位にランクされている。強烈なゴア表現と前作ゆずりのマルチプレイの面白さを身上とする本作は,明らかにコアゲーマー向けだ。

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Grand Theft Auto IV
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Call of Duty: World at War

 残酷描写が話題になった「Dead Space」や電ノコ付きライフルで敵をまっぷたつにする「Gears of War 2」など,コアゲーマー層を狙っても大ヒットにつながるという状況は各メーカーとも認識しており,今回のE3でも,「Assassin's Creed 2」(Ubisoft Entertainment),「BioShock 2」「Mafia II」(2K Games),「Mass Effect 2」(Electronic Arts)といったヒット作/話題作の続編や,「The Secret World」(Funcom),「Borderlands」(2K Games),「Dragon Age: Origins」(Electronic Arts)などの新たなIPがコアゲーマー向けとして注目される。
 「Modern Warfare 2」においてActivision Blizzardは史上最高の売り上げを目指すとしており,E3でも大きなスポットライトが当たるだろう。実際に見られる可能性はかなり低いが,「Diablo III」「DOOM 4」といった作品も俎上に載っている。

グラフィクスの大幅変更が行われたという「Borderlands」
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プラットフォームホルダーの動きにも注目


 もちろん,プラットフォームホルダーも揃ってE3に顔を出す。すでに恒例だが,Microsoft,ソニー,任天堂の三社はE3開催前――今年は日程の都合から,開催後になるメーカーもあるが――に独自のカンファレンスを開催し,重大な発表を行う予定だ。どれくらい重大なのかは行ってみなければ分からないが,いすれにせよ,新しいハードウェアや周辺機器の話題は4Gamer読者にとっても我々にとっても見逃せない。
Dead SpaceのWii向けバージョン,「Dead Space Extraction」
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 Xbox 360,PLAYSTATION 3,そしてWiiという据え置き型コンシューマ機に関してはさすがに世代交代の時期ではないが,発売から5年目を迎えるPSP(二度ほどマイナーチェンジしている)や,同じく5年目のニンテンドーDS(こちらもLiteとDSiが発売されている)にはドラスティックな展開があってもおかしくないかもしれない。

 また,我々が気にしなくてはならないのは,E3に出展されないものの,カンファレンスで登場するかもしれないタイトルだ。2008年のE3では,MicrosoftのイベントでXbox 360版「ファイナルファンタジーXIII」やPC版「ラスト レムナント」が電撃発表され,油断していた我々をあわてさせた。
 こうしたカンファレンスはプラットフォームホルダーだけでなく,いくつかの大手ゲームメーカーも独自に行う予定になっており,何らかのサプライズがあるのも,多くはそのときだ。巷では,最近どうなったのかさっぱり分からない「Alan Wake: A Psychological Action Thriller」の最新情報公開が下馬評の一番人気のようだが,まあそれ以外にも期待すべきものは多い。

Call of Dutyシリーズの最新作「Modern Warfare」
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 というわけで,ご存じのように昨年(2008年)10月からPCゲームに加えてコンシューマ機向けタイトルの情報も取り扱うようになった4Gamer。オールラウンドプレイヤーとして初めて臨むE3であり,以前は「面白そうだけど,コンシューマ機向けしかない」ということで涙をのんでいたゲームも遠慮会釈なく取材することになる。
 現地時間6月2日からの三日間は,2009年後半を占う重要な三日間になるはず。現地からのレポートを楽しんでいただきたい。

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