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印刷2009/07/27 11:14

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海外ゲーム四天王 / 第9回:「Warhammer 40,000: Dawn of War II」

海外ゲーム四天王 〜戦うおじさん〜
第9回:今週のスペースマリーン:Warhammer 40,000: Dawn of War II
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 「SF」で「RTS」で「洋ゲー」で「ギャルひかえめ」と聞けば,我が国における人気獲得の面でいささか厳しい雰囲気が漂ってくるのはやまやまだが,そういうタイトルこそ本連載,「海外ゲーム四天王」の出番だ! そうに違いない,と立ち上がったのがライターの朝倉氏。宇宙の覇権を賭けて戦うという気宇壮大なストーリーを背景に,銀河の制圧を企む凶悪な敵と戦う欧米で人気のRTSを軽く紹介してみよう。戦闘特化型RTSなので,資源だの鉱山だの,いるのをうっかり忘れて敵のエジキになってしまった村人などを気にする必要はないのだ。

人気RTSシリーズの最新作は,いつものようにPC専用タイトル RTSはプレイしたことがない,という人もオススメの戦闘特化型だ

 

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ご存じのように本作は,ゲームの物理効果をリアルに見せる「NVIDIA PhysX」にも対応している。PhysXを効かせることで,より迫力ある爆発だの煙だのが楽しめるのだ

 数千年後の未来,地球を飛び出し銀河の各地に散らばっていった人類は,緑色の肌をした凶暴なオーク,遠い昔に銀河を支配していたというエルダー,そして残忍で凶暴なティラニッドなどと遭遇。やがて,人類と彼らによる銀河の覇権を賭けた終わりなき戦いが始まった……というのがここに紹介する「Warhammer 40,000: Dawn of War II」のストーリーだ。RTSファンにはすっかりおなじみのシリーズだが,一応説明しておくと,ベースとなっているのはイギリスのGames Workshopが開発/販売しているミニチュアを使ったウォーシミュレーション。開発は「Company of Heroes」で知られるカナダのRelic Entertainmentで,これまで,拡張パックを含めてシリーズ4本がリリースされている。

 

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 プレイヤーは,人類の戦闘部隊スペースマリーンの中でも精強なことで知られる,ブラッドレイブン(Blood Raven)部隊の援軍として銀河の辺境へ到着する。
 本作には,一般的なRTSでおなじみの資源採取,施設の建設,ユニットの生産,技術開発などの要素はなく,与えられたユニットでミッションを戦い抜く戦闘特化型のRTSだ。
 ゲームには,プレイヤー自身のほかに最大で五人のユニットが登場する。それぞれに直接攻撃が強かったり,銃撃による強力な後方支援が得意だったりなどの能力があり,固有のスキルまで持っているので,みんな使い勝手が良い。とはいえ,ミッションには自分を含めて四人までしか出撃できないため,誰を残して誰を連れて行くかがまず悩みどころ。

 

コラム:どこが違う? WarhammerとWarhammer 40,000
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 WarhammerとWarhammer 40,000,名前が似ているため,最初はその区別がよく分からないかもしれないが,ざっくりいえば「Warhammerは剣と魔法のファンタジーで,Warhammer 40,000はファンタジー要素を持ったSF」といえるだろう。
 Warhammerの世界では,人間と共にエルフ,ドワーフ,ハーフリング,オーク,オウガといった種族が,ドラゴン,マンティコア,グリフォンなどといったモンスター達と共存しており,どこからともなく現れたケイオス(混沌)の軍勢と激しい戦いを繰り広げている。MMORPG版の「Warhammer Online: Age of Reckoning」もこの世界観だ。
 対するWarhammer 40,000は,地球を遠く離れた銀河で起きる人類とエイリアン種族との果てしない戦いがバックグラウンドとなっている。エイリアンと戦うために人類が作り出したのがスペースマリーンで,兵士達は肉体改造や遺伝子操作によって怖れを知らぬ人間兵器となっている。エイリアンには,本作にも登場したオーク,エルダー,ティラニッドのほかにタウ・エンパイア,ネクロンなど多数おり,宇宙の覇権を巡っていつ果てるとも知らぬ戦いを続けているのだ。魔法のような不思議な技を使う種族もいるが,あくまで基本はSFなので,宇宙戦艦や戦車などといったテクノロジーが随所に登場する。

 ちなみにWarhammer 40,000の読み方は「ウォーハンマー・フォーティーケー」(40K)だ。40,000を,「よんまん」と呼ばないほうがツウだと思われるはずだ(筆者は,ついそう読んでしまうが……)。

 

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 ユニットは敵を倒すなどで経験値が溜まっていき,最大でレベル20まで成長する。またユニットには武器や防具などを装備させられるので,ミッションクリアの報酬などでもらったアイテムを装備させて強くするというRPG的な楽しみも備わっているから楽しい。

 最初のいくつかのミッションではオークが主な相手となるが,その後エルダーが登場し,やがてティラニッドが現れるというダンドリ。オークは,まさにファンタジーものに登場するオークそのもので,緑色の肌や,脳ミソまで筋肉でできているかのような言動など,粗野で暴力的だ。対するエルダーは人類に似たスマートな姿形をしており,テレポートや魔法などを使いこなす。そして昆虫と骸骨と恐竜をミックスしたような,いかにも怪物然としたティラニッドは,言葉や道具を使うといった文化がなく,ただひたすら殺戮と破壊を繰り返す獰猛な連中だ。

 

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 シングルキャンペーンでは,三つの惑星を移動しながら,これらエイリアンと戦っていくというストーリーが展開する。各ミッションは,クリアした時点で敵の全滅度,マップ上のオブジェクトの確保の度合い,クリアに要した時間などが加算されてポイントが付けられていき,獲得したポイントによってサブクエストが登場する。
 サブクエストをやらなくてもメインキャンペーンに支障はないが,クリアすればユニットのレベルアップや,よりよい装備を入手できる。筆者自身は妙にサブクエストに熱中したため,メインキャンペーンの最後のほうでユニットのレベルが最高になってしまい,やや緊張感を欠くことになった。サブクエストはメインキャンペーンをクリアしたあとでもプレイできるので,サブクエスト好きの人もほどほどにしておいたほうがよさそうだ。

 

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 マルチプレイではSteamの機能を使っての対戦のほか,PCを相手にしたスカーミッシュモードによる擬似マルチプレイが楽しめ,スペースマリーン以外にオーク,エルダー,ティラニッドといった,シングルプレイでは敵として登場するエイリアン種族をプレイできる。スペースマリーンにはない,さまざまなスキルが試せるのが嬉しいところ。マップは砂漠,荒野,荒れ果てた工業地帯など全部で10種類で,最大で三人vs.三人の戦いが楽しめる。シングルキャンペーンでは敵だったスペースマリーンとオークがタッグを組み,エルダーとティラニッドを迎え撃つといった異色のマッチも可能だ。

 

コラム:我が国におけるWarhammer

 Warhammerシリーズを展開しているのは,イギリスのゲーム会社Games Workshopだ。「Warhammer」は,1983年にミニチュアをボード上に展開させて遊ぶ大人の戦略ゲームとして登場した。戦略を駆使する知的な遊びとしての面白さ以外に,精巧に作られリアルにペイントされたミニチュアは,コレクション的な要素も兼ね備えており,欧米を中心にファンを増やしていった。
 日本ではゲームズワークショップ社が,東京の神保町や池袋など,関東に7店舗の直営ショップを展開し,ミニチュアやルールブックなどの販売をしている。日本公式サイトではゲームの世界観の解説,イベント情報,ミニチュアの塗装方法などといったコンテンツが用意されている。
 筆者は神保町のホビーショップで,ボードゲームで使用されるミニチュアを見たことがあるのだが,どれも実に精巧にできており,見ているだけでもかなり楽しい。機会があればぜひ覗いてみよう。

 

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 さすがに世界的に人気のタイトルだけに,日本人プレイヤーのコアタイムであろう20:00頃という,北米では早朝となる時間帯でもプレイしている人が多い。対人戦闘を楽しみたい人には嬉しいところだ。
 日本語にローカライズされていないのが残念だが,英語が苦手な人でもストーリー抜きでそれなりに楽しめるはず。シングルプレイで難度を最低にしておけば,かなりサクサクと進められるので,あまりRTSをプレイしないという人にも安心してお勧めできる。
 美しいグラフィックスと奥深いストーリーを持った,SF RTSジャンルを代表するタイトルといえるので,興味があるなら,まずはSteamで配布されているデモ版(要年齢認証)をどうぞ。

 

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■■朝倉哲也(四天王ライター)■■
 先々週の「PROTOTYPE」に引き続き,今週も登板した四天王の一人,朝倉氏。鋭い嗅覚で最新の海外ニュースを発見し,レビューを次々にこなし,そして四天王の一人でもあるといういけてる男だが,任天堂のDSとソニーのPSPの区別がいまいちつかないという意外な弱点も持っているナイスガイだ。
  • 関連タイトル:

    Warhammer 40,000: Dawn of War II

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