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音楽に対する“終わりなき愛”に満ちていた,作曲家 伊藤賢治さんの音楽活動20周年記念公演「gentle echo meeting 2」をレポート
ヴォーカルとして,「宇宙戦艦ヤマト」のスキャットで有名な歌手の川島和子さんも登場し,トークや演奏が行われた同イベント。本稿ではその模様をお届けしていこう。
「gentle echo meeting 2」出演者リスト
・伊藤賢治さん(ピアノ)
・川島和子さん(ヴォーカル)
・太田光宏さん(ギター)
・吉池千秋さん(ベース)
・滝山清貴さん(ドラムス)
・依田彩カルテット(ストリングス)
伊藤賢治オフィシャルサイト
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伊藤賢治さんが歩んできた20年の総決算
名曲から新曲まで披露された充実の公演
開幕してすぐに演奏されたのは,アニメ「宇宙戦艦ヤマト」からスキャット「無限に広がる大宇宙」。少年時代から同作の大ファンだったという伊藤さんがピアノを担当し,川島さんが当時と変わらぬ素晴らしい声を披露してくれた。
そのままトークコーナーへと移行し,宇宙戦艦ヤマトの思い出について語り始めた伊藤さんと川島さん。1974年に放送開始された同作は,アニメとしては初めて,音楽にシンフォニースタイルを取り入れた作品であることや,本放送当初は裏番組である「アルプスの少女ハイジ」に視聴率を取られて打ち切りにされ,再放送で大ヒットしたことなど,懐かしい話題で盛り上がっていた。
「聖剣伝説」のアレンジCDである「想いは調べにのせて」で,初めて一緒に仕事をしたという伊藤さんと川島さんだが,トークではそのことについても言及。会場では当時の音源が流され,川島さんが「やっぱり声が若いですね」と照れくさそうにしていたのが印象的だった。
また,サプライズで服部隆之さんと向谷 実さんからのお祝いメッセージが流されたのだが,お二人とも伊藤さん同様に宇宙戦艦ヤマトの大ファンらしく,「我々にとって永遠のスターシャだ」と川島さんの歌声をベタ褒め。それを聞いた川島さんはますます照れくさそうに,口元をおさえて笑っていた。
そして伊藤さんに対しても,20周年のお祝いに加え「今後も素晴らしいゲームミュージックを作ってくれ」と期待を述べたお二人。伊藤さんは恐縮している様子だった。
ちなみにこのお祝いメッセージは,伊藤さん自身がお酒の席で録音したらしく,服部さん向谷さん共にかなりの酔いっぷり。異様なテンションが会場の笑いを誘っていた。
続いて,ギタリストの太田光宏さんもステージに登場し,三人でのトークへ。これまでの音楽活動を振り返った思い出話から,なぜか太田さんの家庭環境にまで話は広がり,「部屋でレコーディングをしていると知らない間に息子が入ってきて『お父ちゃんヘタやなぁ』と言われる」というエピソードを語っていた。
ちなみに当の息子さんは,物販コーナーでCDの販売を手伝っており,公演終了後にはやたらと人々の視線を集めていた。
トーク終了後は若干の休憩を挟み,いよいよ楽曲の演奏へ。川島さんがヴォーカルを担当した「マナの使命」「天界の騎士と星詠の歌姫」,そして今回が初披露となる「邪聖の旋律」のアレンジバージョンが披露された。
20周年に関して森さんは「区切りであり,通過点でもあると思います,今後も素晴らしい曲を作ってください」とのコメント。伊瀬さんは「20周年ということで,ほとんど私の人生丸々ですよね。長いこと第一線で活躍されていて,本当に尊敬しています。これからもぜひご一緒できたらと思いますので,よろしくお願いします」と述べていた。
メッセージの後は「Rain」のインストゥルメンタルと「Starlight melody」,そして「戦闘2〜勇気と誇りを胸に〜」「熱情の律動」へと続き,会場の盛り上がりはMAXへと達した。
激しいバトル曲の後,ゆるやかな「Polymnia - ポリュムニア」を経て,いよいよ最後の演奏へ。再び川島さんがヴォーカルを務め,ラストを飾るに相応しい「終りなき愛」が披露された。そして,いつまでも鳴り止まぬ拍手に包まれたまま,「gentle echo meeting 2」は幕を閉じた。
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