レビュー
今度はネバダ州のカジノ街「フォーチュン・シティ」がゾンビで埋め尽くされる
デッドライジング2
カプコンから,大量のゾンビを倒しまくるゾンビパラダイスアクションゲーム「デッドライジング」シリーズの最新作となる「デッドライジング2」が発売された。対応機種はPlayStation 3,Xbox 360,PCの3機種となっている。PC版は10月28日発売だが,コンシューマ版がそれに1か月ほど先行する形で,9月30日に登場したのだ。
「デッドライジング2」公式サイト
デッドライジングといえば,ゾンビがうじゃうじゃいる閉鎖空間(前作はショッピングモール)を舞台に,身近にあるさまざまなアイテムを使ってゾンビを倒しまくり,あちこちで発生するイベントに首を突っ込んで,限られた時間の中で生存者“サバイバー”を一人でも多く救出しながら,事件の真相に迫っていく,サバイバルアクションだ。
舞台となる空間は非常に広く,1ステージずつクリアしていくのではなく,原則どこに行って何をしてもいいという,自由度の高いゲームとなっている。「2」では新しいアイテムやアクション,オンラインCO-OP(協力プレイ)など,さまざまな要素が追加され,パワーアップを果たして帰ってきた。
開発はカプコンの協力のもとにカナダのBlue Castle Gamesで行われたが,いわゆる「洋ゲー」的なテイストを出しつつも,カプコンのエッセンスが注入され,しっかり日本人好みの雰囲気を持った作品に仕上がっているように感じた。特筆すべきは女性キャラクターのモデリング。こちらのレベルはかなり高く,登場人物は外国人ばかりだが,海外デベロッパのタイトルにありがちな「濃い」顔にはなっておらず,我々でも親しみやすい印象だ。
デッドライジング2の世界は,前作のウィラメッテ事件から5年が経過したアメリカとなっているが,各地でアウトブレイク(爆発的感染)が発生し,ゾンビが街に溢れかえるという事態を引き起こしている。ゲームの舞台はネバダ州にあるギャンブラーのための娯楽街,「フォーチュン・シティ」だ。
主人公はチャック・グリーンという元モトクロスバイクのチャンピオン。彼には妻とケイティーという娘がいるが,ラスベガスで発生したアウトブレイクに巻き込まれ,妻を失い,娘もゾンビに襲われ感染者となってしまう。チャックはケイティーを守るため,定期的に「ZOMBREX」というゾンビ化を抑える薬を購入し,娘に注射しなければならない。
ZOMBREXは高価な薬なので,チャックは購入資金を稼ぐために,フォーチュン・シティで開催されている悪趣味なTV番組「TERROR IS REALITY」 (テラー・イズ・リアリティー)に出場することになる。だが番組終了後,フォーチュン・シティでアウトブレイクが発生し,さらにチャックがアウトブレイクの首謀者と見なされるというトラブルに巻き込まれてしまう。そこで彼は軍の救助部隊が到着する72時間以内に,身の潔白を証明し,事件の真相を暴かなければならない。
以上のような設定でゲームはスタートする。前作デッドライジングの話も多少は登場するが,本作から遊び始めても,問題なくゲームの世界に入り込んでいける。
Xbox 360ユーザーなら,Xbox LIVE マーケットプレースで配信されている「デッドライジング2: CASE 0」を遊んでおけば,チャック達がフォーチュン・シティに来る前の出来事を見られるし,CASE 0のセーブデータを「2」本編に引き継いで,序盤をちょっと有利な状態で始められる。今さらながらだが,これから始めるのなら先に遊んでおくのがいいだろう。
「デッドライジング2: CASE 0」レビュー
今回のレビューは,Xbox 360版を使用して行っている。本稿ではシングルプレイ,オンラインCO-OP,対戦プレイのプレイフィールをお届けしよう。なお,デッドライジング2は前作と違い,日本版でもハードなゴア表現がある。スクリーンショットは暴力描写の控えめなものを選んで掲載しているが,苦手だという人は閲覧に注意して読み進めてほしい。
メインイベント「ケースファイル」で事件の真相に迫る
デッドライジング2は自由度の高いゲームゆえ,基本的に何をしてもいい。遊びはたくさん用意されている。ただ,何か目標が欲しいというのなら,とりあえずメインイベントである「ケースファイル」を追ってみるといいだろう。
これをクリアしていくことで徐々に事件の真相が明らかになり,真のエンディングに近づくことができる。失敗するとエンディングに悪影響を及ぼし,見逃すとその場でゲームオーバーとなる場合も多いので,ケースファイルは確実にクリアしたい。
ケースファイルは複数あり,一つクリアした後で次の発生時間を見ると,時間に余裕があることが多い。その空き時間を利用して,フォーチュン・シティ内を歩き回ってサバイバーを救出したり,ケイティーのためにZOMBREXを探してみたり,カジノに入り浸ってスロットマシンで一攫千金を狙ってみたりすることは十分可能だ。
なお,薬は一日一回使えば済むが,投与できる時間は決まっており,これを守れなかった場合はケイティーがゾンビ化してしまうので,時刻には常に注意を払っておきたい。最初はケースファイルを進めつつ,ZOMBREXの入手を優先してプレイしていくのがいいだろう。
イベントでは,ゾンビ以外に「サイコパス」というボス敵が現れることがある。彼らは感染者ではなく普通の人間なのだが,ゾンビの大量発生や大切な人を失ったショックなどから錯乱しており,チャックのことを「アウトブレイクを起こした張本人」と捉え,襲い掛かってくるものもいる。
サイコパスはケースファイルのほか,後述するサイドケースでも登場するが,いずれもかなりの強敵だ。戦いを挑む前に,強力な武器や回復アイテムを用意しておきたい。
次々と発生する単発イベント「サイドケース」も
クリアしてサバイバーを救出しよう
ケースファイル以外にも「サイドケース」というイベントがあり,これはあちこちで,次々と発生する。ゲーム進行に直接は影響しないため,最悪無視してしまっても構わないのだが,クリアすれば報酬でアイテムやお金をもらえることもあるので,余裕があれば挑戦していきたいところだ。
ただ,サイドケースは数自体がかなり多く,さまざまな場所で同時多発的に発生するため,すべてをクリアするのは難しい。これを効率よくクリアしていくには,「どういうルートで進むか」「このイベントはどのタイミングでクリアするか」といったことを考える必要がある。
また,サイドケースでは“サバイバー”を見つけることが多々ある。彼らは,まず問題解決の手助けをしてやり(彼らは問題を抱えていることが多い),拠点となる「セーフハウス」まで連れ帰れば救出したことになる。サバイバーを多く救出することも本作では重要な活動の一つだ。
サバイバーを見つけたら,イベント発生現場からセーフハウスまで,ゾンビの群れの中をかき分けて連れ歩くこととなる。前作はこれが難しく,目を離すとすぐゾンビの餌食となっていたが,本作ではサバイバーのAIが改善されて動きが良くなっているので,銃などを持たせればバリバリ活躍してくれる。
なお,イベントは腕時計で時間を確認した際,現在発生中のイベントが画面の右端に表示される。イベント名の下にはカラーバーがあり,白なら「残り時間4時間以上」,赤なら「残り時間2時間」という具合に,色で残り時間を確認できる仕組みとなっている。時間切れになったイベントは自動的に失敗となり,二度と挑戦できない。
繰り返しプレイで主人公はどんどん強くなる
難しく感じたら即やり直すのも手
主人公チャックには「レベル」という概念があり,一定量の「PP」(Prestige Point)を獲得すれば成長していく。PPは主にゾンビを倒すことで得られるが,50体倒すごとに500PPがボーナスで入るほか,1000体,2000体などのキリ番ボーナスもある。また,サバイバーを無事セーフハウスに連れ帰ったり,サイコパスを倒したりしたときにも,莫大なPPが入る仕組みだ。イベントをクリアするということは,それだけチャックの成長を早めるということにもなる。
チャックのレベルが上がれば,体力や攻撃力,持ち運べるアイテムの量が増加するほか,後述する「コンボカード」というアイテムや,攻撃スキルを会得していき,どんどん強くなっていく。最初は武器を使わないと倒せなかったゾンビが,成長すると拳で殴殺できるようになるなど,目に見えて強くなっていくのは爽快だ。
そして,上がったレベルや獲得したお金,コンボカードやバイクの鍵などの一部アイテムは,次のプレイに引き継ぐことができる。いわゆる「強くてニューゲーム」だが,途中どうしても勝てないサイコパスに遭遇したときなどは,思い切って最初からやり直し,より強くなった状態で挑んでみるとか,そういった遊び方もできる。
巨大すぎるリゾート地「フォーチュン・シティ」
カジノもショッピングエリアもあり
ゲームの舞台となるフォーチュン・シティは,ショッピングエリアやカジノ,ホテルなど複数の施設が建ち並ぶ,リゾート地となっている。前作のショッピングモールも巨大だったが,デッドライジング2はそれ以上に広くなった印象だ。
ただし広大すぎるので,序盤はどこに何があるのかすら分からず,マップを見ながらのプレイとなるだろう。基本的にセーフハウス以外はどこもゾンビで溢れており,安全な場所はほとんどないといってもいい。
エリアごとに特色があり,例えば「ショッピングエリア」なら,食料品(体力回復アイテム)が豊富にあるスーパーや,洋服や靴を扱うセレクトショップなどがある。「カジノ」ならスロットマシンなどが並ぶ遊技場のほか,お酒を扱うバーがあり,ここで飲み物同士をミキサーで組み合わせて,オリジナルのドリンクを作ってみたりもできる。店舗や施設は紹介しきれないくらい膨大にあり,最初のうちは見て回っているだけでも楽しい。
拠点となる「セーフハウス」はショッピングエリアのRoyal Flush Plazaから移動可能で,ここには娘のケイティーが常に待機しているほか,救出したサバイバー達も集まっている。分厚い扉でゾンビの侵入が防がれており,基本的にはゲーム内で最も安全な場所の一つといえる。
ほかには「地下通路」があり,建物間を素早く移動することも可能だが,地下に通じる扉はゲームを進めるにつれアンロックされていくため,最初からすべてのエリアにアクセスできるわけではない。
意外と重要なのが「トイレ」だ。本作ではオートセーブというシステムはなく,セーブするにはセーフハウスまたはトイレに行かなければならない。主人公が倒されるとセーブデータからのやり直しとなるので,定期的に寄っておいたほうがいいだろう。今どきオートセーブがない点は賛否が分かれそうだ。
さまざまなアイテムを使ってゾンビを撃退
強力な武器から笑える武器まで種類豊富すぎ
ゾンビを攻撃するには,椅子,鉈,ショットガンなどなど,マップ内に落ちている数々のアイテムを利用するのがいい。施設内を移動していて誰もが実感するであろうが,とにかくアイテムの量がすさまじい。意外なものが武器になったりもするので,拾える物はどんどん拾ってみよう。
攻撃用のアイテムは,殴ったり,ぶつけたりと,物に応じて使い方や効果はさまざま。アイテムの種類は前作と比べてもかなり増えており,通常攻撃のほかにもボタンの長押しで「ヘビーアタック」が出せるなど,一つの武器で複数の攻撃を繰り出すことができる。
スレッジハンマーやファイヤーアックスなど,いかにも痛そうな武器でゾンビを倒すのもいいが,某ゾンビ映画のように,アナログレコードをブーメランのように投げつけたりもできる(もちろん効果は微妙)。またアイテムとは関係ないが,混乱に乗じて盗みを行う不届き者に制裁を加えてみるなど,ゾンビ映画へのオマージュと見受けられる要素が随所にあり,ゾンビファンならニヤリとしてしまうような演出は,前作よりはるかに強化されたポイントだ。
物理計算にも力が入っており,宝石をぶつけてみたり,金属バットで野球の球を打ってゾンビにぶつけたりした場合,跳ね返り方が当たった部分に応じて変化したりする。ほかにもゾンビを攻撃で吹き飛ばし,車椅子やゴミ箱にぶつけてみると,当たり方によってオブジェクトの吹っ飛び方の勢いも変わるなど,よりリアリティある動きが再現されている。
ゾンビの大群をまとめて倒したい場合,ガスボンベを銃で撃ったり,ダイナマイトを投げ込んだりするのもいいが,個人的には“乗り物”を使うのがお気に入りだ。
前作にもスケートボードや自動車が出てきたが,2では他に,ダートバイクや電動カートなどが登場する。これらに乗ってゾンビの群れに突っ込めばキルカウントがどんどん上がっていき,ストレスも吹っ飛ぶ楽しさだ。ほかには補助輪つきの子供用自転車があり,いい年をしたヒゲ面のオッサンが窮屈そうに自転車に乗り,ゾンビを轢きまくるという絵は相当面白く,モニターの前で爆笑してしまった。
お笑い系のネタだと,恐竜のマスクやコブンの被り物などをゾンビに被せてみたり,シャワーヘッドを頭にぶっ刺して血のシャワーを降らせてみたりと,おバカな要素も盛りだくさんで,ブラックユーモア的な笑いがたまらない。
「コンボカード」で新たな武器も作り出せる
PPも増加するので普段から使っていきたい
武器アイテムには銃のアイコン,食料品にはリンゴのアイコンが付いているのだが,他に「スパナ」のアイコンが付いたものがいくつも存在する。これは特定のアイテムと組み合わせることが可能なアイテムのことで,「コンボ武器」という新しい武器を作れるのだ。このシステムこそ,デッドライジング2の最大のフィーチャーと呼べるものだろう。
一例を紹介すると,「ベースボールバット」と「釘」を組み合わせると「釘バット」になり,「パイロン」と「スプレー缶」という,殺傷力のないアイテム同士を組み合わせると「エアホーン」という音波兵器になる。
コンボ武器の特徴として,威力が高いのはもちろんのこと,通常の武器と比べて,より多くのPPを獲得できるという点が挙げられる。釘バットならゾンビを一撃で倒せるので,これを振り回していたら,あっという間に周囲が片付き,PPもどっさり得られていた……なんてこともあり,楽しいことこのうえない。
この,コンボ武器の作成「チャックの凶悪日曜大工」(命名:筆者)は,マップの各所にある「メンテナンスルーム」で行う必要があるが,何と何が組み合わさるかは,隠し要素となっている。レシピは,レベルアップ時やサバイバーを救出したとき,壁のポスターを調べたときなどに得られる「コンボカード」で確認でき,偶然組み合わせを発見した場合は,「スクラッチカード」として登録される。
まだすべてのコンボ武器を作れたわけではないが,その多くは派手な演出と高い威力を持ち合わせており,こいつで暴れるのは本当に面白い。個人的には宝石を高速で発射し,ショットガンのようにゾンビを撃ちぬく「ジェムブロアー」が気に入っている。
コスチュームチェンジも楽しみの一つ
ナイスなコーディネートで悲壮感も台無しに
攻撃アイテムや食料品のほか,ショップに展示されている「服」を着て,コスチュームを変えてしまうということもできる。チャックは最初,ライダーズジャケットとジーンズというイカツい格好をしているが,服や帽子,メガネや靴などをチェンジし,ガラリとイメージを変えることが可能だ。
用意されたコスチュームには,B-Boy風のヒップホップファッション,タキシード,ポロシャツなどのほか,レディースや子供向けの服さえも着られてしまう。とくにレディース向けのコスチュームは露出度の高いものが多く,毛むくじゃらのチャックがへそだしルックをしているのは,いろんな意味で危ない。
また,ショッピングエリアにある美容院に行けば,髪形も変えられるし,セーフハウス内のトイレでは,ダウンロードしたコスチュームに着替えるということもできる。
コスチュームを変えた場合,ムービーシーンでもその衣装が反映されるのだが,女装している状態などの場合,シリアスなシーンでもネタにしか見えなくなる恐れがある。……これはこれで面白いが。
シリーズ初のオンラインCO-OPに対応
フレンドと一緒に暴れまくれ
デッドライジング2は“オンラインCO-OP”に対応しており,2人での協力プレイを楽しめる。ホストとなる場合はCO-OPの設定が可能で,誰でも入ることができる「パブリック」,フレンドのみが入れる「フレンド」,招待した人だけが入れる「プライベート」の3つから選んで部屋を作ることができる。
また,シングルプレイ中のフレンドのゲームに乱入することもできるし,メインメニューからパブリック状態の部屋を探し,そこで遊ぶことも可能だ。
CO-OPではホストのストーリーをプレイでき,参加する場合は自身のストーリーの進行度には影響しないものの,獲得したPPやお金,コンボカードは保存され,これは自分のシングルプレイゲームにも反映される。
プレイヤーが2人になるため,単純に火力も一人プレイ時よりアップしており,次々とゾンビを倒していけるのはもちろんのこと,強敵のサイコパスも楽に倒せるようになる。もし,勝てないボスが出てきたときには,ほかのプレイヤーの参加を募ったり,フレンドを招待したりしてから挑むのもいいだろう。
今は発売から間もないため,協力プレイの相手を探すのはさほど苦労しないし,とくにフレンドとあーだこーだしゃべりながらプレイするのは相当面白い。サバイバーを救出するときも,一人は戦闘メイン,もう一人はサバイバーを抱きかかえて移動という具合に役割を分けられ,一人で遊んでいるときと比べて負担が減り,生存率もグンと上がったように感じられた。
ゾンビやアイテムなど,描写するオブジェクトが大量にあるため,ラグも気になるところだが,ゲームの進行に致命的な影響を与えるようなラグは筆者がプレイしている間はなかった。とくに国内同士のプレイヤーとなら,一人で遊ぶときとさほど変わらない,プレイ感覚は良好といえるだろう。
「TERROR IS REALITY」は独立したモードとしても登場
最大4人でオンライン対戦が可能だ
本作にはストーリーモードとは別に,悪趣味なTV番組「TERROR IS REALITY」がオンライン対戦用のモードとして用意されている。ストーリーモードの序盤では1種目に出場したが,オンラインでは9つの競技の中から4つが選ばれ,最大4人のプレイヤーでスコアを競うことになる。
マッチング方式は「パブリックマッチ」と「ランクマッチ」の2つがあるが,ランクマッチのみ獲得したスコアをお金に換金でき,ストーリーモードで使えるという特典が用意されている。そのせいか,マッチングに関してはランクマッチのほうが人の集まりが良いようだ。では9つの種目について,ルールを説明していこう。
・BALL BUSTER
ボウリングボールを発射する大砲を使った狙撃ゲーム。ゾンビは射撃の的のようにいろいろな場所に登場するので,それを撃てばポイントとなる。ボーナスゾンビを撃った場合は,ボウリングボールを連続発射できたり,ライバルの大砲を弾詰まりさせたりできる。
・BOUNTY HUNTER
ゾンビを狙撃し,そのポイントを競うゲーム。ゾンビは中央に設置されたミキサーに向かうので,吸い込まれる前に撃たなければポイントにはならない。中央にある的を撃てば,ボーナス得点のほか,ライバルの周辺にシャッターを出現させ妨害できる。
・HEADACHE
ゾンビに爆弾付きのヘルメットを被せた後,スイッチを押してゾンビを爆破するとポイントを得られる。ダイナマイトもあり,これを使えばライバルが被せたヘルメットを外すこともできる。
・MASTER SHAFTER
大砲からゾンビが打ち上げられ飛んでくるので,落下地点に先回りし,槍で串刺しにするというゲーム。ライバルが多い場所ほど得られるポイントも増えるが,奪い合いとなった場合は,画面の指示に従ってボタンをテンポよく押し続け,ライバルをどかさなければならない。
・POUNDS OF FLESH
鹿の角がついたヘルメットを被り,これでゾンビを跳ね飛ばしてリフトに乗せた数を競うゲーム。ゾンビを多く積み上げるほど得られるポイントも増す。
・RAMSTAR BALL
巨大な鉄球の中に入り,球を転がしながら鬼ごっこをする。ゲームスタート時にランダムで選ばれた一人は,ゾンビを轢いてポイントを獲得する権利を持っており,ほかのプレイヤーはそれを獲得しようと体当たりをして奪い合いをする。
・SLICECYCLES
チェーンソーが装着されたバイクに乗って,ゾンビを轢きまくるゲーム。この競技は必ず最終種目になるようで,3ラウンド目の結果で順位が低いプレイヤーほど,タイムペナルティを課せられてしまう。とにかく轢きまくるほどポイントが加算されていく,シンプルなルールとなっている。
・STAND UP ZOMEDY
ゾンビに飾りをつけるゲーム。飾りはユニコーンヘッド,花瓶,バレエチュチュの3つがあり,どれか一つでも付けられればポイントが入り,すべて揃えればボーナスポイントも得られる。
・ZOMBONI
カートでゾンビを轢いて血液を採取し,それを4か所に設置されたメカゾンビの口に噴射すると,ポイントとして加算されていく。他のプレイヤーにわざとぶつかり,バランスを崩させて妨害することもできる。
以上のように,いずれも血生臭いゲームの数々が用意されている。1ゲームで4種目をプレイするが,だいたい10分程度で終わるようだ。ストーリー本編に影響する部分もあるが,全体的にはミニゲームを遊んでいるような感じで,がっつり遊ぶというよりは息抜き程度にやるといいかもしれない。
遊んでみて感じたが,生身の人間がゾンビを相手に危険なゲームに挑み大金を稼ぐというのは,ちょっと内容は違うが,アーノルド・シュワルツェネッガーの主演映画「バトルランナー」っぽいかなと思ったところだ。
前作からの正統進化作品
ダウンロードコンテンツにも期待したい
デッドライジング2は,前作の要素を継承しつつ,さらに追加要素を加えて正統進化した作品に仕上がっている。とくに今回から登場のコンボ武器のシステムはユニークで,どんな組み合わせで武器ができるかを探すのが面白く,ストーリーそっちのけでレシピ探しに没頭したりすることもあった。このシステムはゾンビ映画にありがちな,「その場にあるもので,なんとか事態をクリアする」というシーンを,ゲームでもうまく再現させているように感じられた。
プレイ時間は筆者の場合,エンディングを迎えるのにだいたい10時間ほど要したが,この広い舞台をまだ完全には理解できてはおらず,データを引き継いで2周目に突入したところだ。レベルを上げたり,コンボカードの収集に励んでみたりと,やれることはかなり多く,リプレイアビリティの高い作品となっている。
気になった点としては,ロード時間がちょっと長めなことと,セーブ/ロード時のボタンのレスポンスの悪さだろうか。ここは「フリーズしたのかな?」と思うくらい反応が遅かったりすることがあるので,遊んでいて正直不安を感じた部分だ。また,主人公が変わったことで写真撮影ができなくなったのも残念だ。
さて,既報のとおり,デッドライジング2ではダウンロードコンテンツの配信も決定している。中でも楽しみなのは,前作の主人公フランク・ウェストとチャックがタッグを組むという,「デッドライジング2: CASE WEST」だ。こちらはXbox 360のみの配信となるようだが,ウィラメッテ事件後のフランクの活躍を見られるというのは,非常に嬉しい。
CERO Z(18歳以上のみ対象)のタイトルだけあって,ゴアな描写はかなり激しく,遊ぶ人を選ぶタイトルだとは思うが,そういった描写が平気(むしろ好き)な人や,ゾンビ映画の好きな人は,間違いなくこの世界観を気に入ることだろう。もちろん,アクションゲームとしてもよくできているので,苦手でなければぜひプレイしてみることをオススメしたい。
「デッドライジング2」公式サイト
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