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印刷2009/07/01 11:35

プレイレポート

お馴染みのテーマ曲を口ずさみつつ読んでほしい,「バトルフィールド1943」先行プレイレポート

 「バトルフィールド」シリーズといえば,新作の登場がFPSファンにとって,数年に一度のお祭りとなるビッグタイトル。前作「バトルフィールド:バッドカンパニー」Xbox 360版 / PLAYSTATION 3版)がシングルプレイにちょっと浮気していたこともあって,「ええい,新作はまだか」とやきもきしていた従来のファンも多かろうが,そんなバトルフィールドがついにマルチプレイに帰ってくる。

画像集#002のサムネイル/お馴染みのテーマ曲を口ずさみつつ読んでほしい,「バトルフィールド1943」先行プレイレポート

 「バトルフィールド 1943」は,Xbox360版PLAYSTATION 3版,そしてPC版が発売予定のマルチプレイ専用FPSだ。前作のバトルフィールド:バッドカンパニーから1年ぶり,PCとしては「バトルフィールド 2142」から3年ぶりとなるシリーズ最新作では,現代や未来の戦場を描いていた近作から一転,1943年の第二次世界大戦を背景に,米国海兵隊と日本海軍の戦いを描いている。第二次世界大戦が舞台ということで,シリーズ第1作である「バトルフィールド 1942」の直系の続編ということになろう。

 さて,そうと聞いてはいてもたってもいられない筆者は,早速エレクトロニック・アーツにお邪魔し,リリース直前の開発バージョンをテストプレイをさせてもらったのでレポートをお届けしよう。なお,あくまで開発バージョンなので,実際の製品と違う部分があるかもしれないことをお断りしておく。また掲載しているスクリーンショットには,チュートリアルモードで撮影したものもあるので注意してほしい。

あのシステムはどうなった? 気になるゲームシステムをチェック


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 では,まず既報の部分も含め,基本的な情報から確認していこう。
 バトルフィールドシリーズといえば,大人数の参加者による大規模戦がウリだが,本作がサポートする参加人数は12人対12人の最大24人となっている。PC版を中心に展開されていたこれまでのシリーズに比べると少々寂しく感じられる数ではあるが,コンシューマタイトルとして見た場合には,十分に大規模といっていいだろう。
 また回復と補給の要素は大きく簡略化されており,受けたダメージは時間が経過すると自然に回復する。体力も数値化されておらず,ダメージは画面エフェクトで判断するようになっている。弾薬もリロードとクールタイム(特に手榴弾などの再使用には時間がかかる)が存在するものの致命的な弾切れはなく,ほぼ無限に撃つことが可能だ。
 ラジオチャットなども省略され,プレイヤー同士のコミュニケーションはボイスチャットのみというシンプルさだ。敵の発見については,交戦中の敵が自動でミニマップにスポットされ,フレンドリーファイア(同士討ち)の判定がないので,チームキルに配慮する必要もない。
 また前作「バトルフィールド:バッドカンパニー」から採用された,最新のゲームエンジン,「Frostbiteエンジン」を採用し,フィールド上の木や建造物を完膚なきまでに破壊できるのも大きな特徴だろう。

 それぞれの要素を詳しくみていこう。


兵科

 本作に登場する兵科は,「歩兵」「ライフル銃兵」「偵察兵」の3種類だ。これまでのシリーズから大幅に簡略化され,それぞれが複数の役割をこなすようになっている。また弾薬と回復の概念が存在しないので,「バトルフィールド 2」の「援護兵」や「衛生兵」にあたる兵科は無くなっている。

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歩兵:サブマシンガン/バズーカ/手榴弾/レンチ
歩兵はこれまでのシリーズにおける,「工兵」と「対戦車兵」を併せた兵科だ。サブウェポンには車両にダメージを与えられるバズーカを供え,またレンチでダメージを受けた車両の修理を行える。

ライフル銃兵:ライフル/ライフルグレネード/手榴弾/銃剣
ライフル銃兵は,「突撃兵」に相当する兵科で,対人戦闘能力ではピカイチの兵科だろう。サブウェポンのライフルグレネードが非常に強力だ。

偵察兵:スコープ付ライフル/ピストル/遠隔起爆式爆弾/剣
偵察兵は,バトルフィールド 2でいう「狙撃兵」と「特殊兵」にあたる兵科となる。メインウェポンはスコープ付きライフルで,遠距離からの狙撃が可能。手榴弾の替わりに装備している遠隔起爆式爆弾は,近作でのC4爆薬に相当するもので,遠隔操作で車両や建物などを破壊できる。

日本海軍の偵察兵は,メレー攻撃に日本刀を使用。米国海兵隊の場合はナイフになる
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部隊システム

 部隊システムとは,いわば兵士同士でパーティを組めるというもので,本作では最大4人までの部隊を作れる。部隊を組むことの最大のメリットは,リスポーンポイントを確保できることだ。今回は司令官システムがないので部隊長も存在しないが,部隊のメンバーが誰か一人でも残っていれば,その位置からリスポーンが可能となる。

部隊に入っていれば,リスポーンポイントとして,拠点のほかに部隊の位置を選ぶことができる
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マップ

 本作に登場するマップは3種類,シリーズのファンにはお馴染みの「ウェーク島」をはじめ,「硫黄島」「ガダルカナル島」と,いずれも島が舞台となっているのが特徴だ。どのマップでも両軍は洋上の空母からスタートし,また空母は占領されることがないため,ゲーム開始後も安全なリスポーン地点として使用できる。ゲームモードはコンクエストのみで,各チームに用意されたチケットが先に0になったほうが負けという,これまたお馴染みのものだ。
 チケットは敵を倒すことで減らせるほか,占領している拠点が多ければ,相手チームのチケットを自然減少させられる。拠点を制圧することは,チケットを効率よく減らせることのほかにも,リスポーン地点を確保することにもつながり,非常に重要なものとなっている。拠点の制圧は,それぞれの拠点になる旗の周辺に留まることで行え,留まっている人数が多いほど,早く占領できる。

司令部からウェーク島を望む。チケット残量と拠点制圧状況は画面中央上に表示表示されている。本作ではチケットは数値では表示されないようだ。
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ビークル

 今回のテストプレイで確認できたのは,戦車にジープ,戦闘機,そしてボートの四つだ。戦車とジープについてはこれまでどおりの操作感と言え,いずれも操作は簡単だが,戦闘機だけはやはり慣れが必要だろう。
 戦闘機には対空兵器の機関砲と,対地兵器の爆弾が搭載されており,今作でも戦闘機の優位性に揺るぎはない。戦車の主砲による攻撃は,ほとんどの建物を吹き飛ばすことが可能で,トタン塀やフェンスなどは踏み潰して進むことも可能になっている。また米国海兵隊側は,どのマップも洋上の空母からスタートとなるので,ボートの確保も重要になってくる。
 これらの乗り物の弾薬補充は,本拠地で行え,また戦闘機の場合は上空を通過するだけでも弾薬の補給が可能だ。

戦車なら,フェンスなどをこのようにガンガン壊しながら進むことが可能だ
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 また各マップに設定された通信バンカーでは,爆撃機編隊による絨毯爆撃が可能だ。これまでのシリーズの「Artillery」に相当する要素といえ,使用には一定の間隔が必要だが,これが非常に強力だ。とくに建物の破壊が可能な今作では,まさに一面を焼け野原にでき,隠れてやり過ごすことはほとんど不可能といっていい。接近前に戦闘機で撃墜するか,爆撃地点から一目散に逃げ出し,距離をとるしかないだろう。

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空爆は自動ではなく,自ら操作して行う。戦闘機ほどではないが,目的地を正確に爆撃するには多少の慣れが必要だ
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建造物の破壊

 建造物の破壊は本作の一番のウリといってもいい要素だ。フィールド上のほとんどのオブジェクトは破壊が可能で,破壊できないのは,建物の土台部分と物見台の鉄骨,自然にある岩といった地形構造,点在するトーチカくらいのものだった。筆者としても想像以上になんでも破壊できることに驚いたほどで,戦車から遮蔽をとりたい歩兵は,これまで以上に苦しい立場に置かれるだろう。
 なお本作のオブジェクトはいくつかのパーツから成り立っているようで,残念ながら「Crysis」のように撃った部分からポッキリ,というわけにはいかなかった。その分処理は軽いので,実際のプレイで問題になることはないだろう。

例えば木を撃った場合はこのように3パターン程度の破壊パターンが見られた。折れた木のオブジェクトも30秒程度で消滅してしまったので,倒れたオブジェクトを遮蔽に使うのはまったくお勧めできない。
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カジュアルに舵を切り,生まれ変わったバトルフィールド


マッチングはクイックマッチのみで,サーバーを選択したり,ルームを検索するといったことはできないようだ。そのほかにはフレンド専用のルームを作成し,招待する機能が用意されている
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 さて本作の要素を駆け足で紹介してきたわけだが,いかがだろうか。PC版を散々遊び倒した人から見ると,参加人数に,兵科,マップの数と,いずれもスケールダウンしている感は否めないというのが正直なところだろう。筆者もそう考えていたのだが,プレイしているうちにそれらは必ずしも必須の要素ではないのだと考えさせられた。

 重要なのは参加人数とマップスケールのバランス,そして完成度であり,単純な数はさほど問題ではない。名作と名高いバトルフィールド 2であっても,人気のマップは決まっており,すべてのマップを満遍なく遊んでいるという人は少なかったはずだ。
 簡略化された各要素は納得のいくものであり,もともと死ととなり合わせの戦場では,弾薬など撃ちつくす前に死んでしまうことも少なくない。そういう意味でDICEのとった取捨選択は正しいといえるだろう。

 ただ肝心のマップの完成度については,残念ながら今回のテストプレイでは判断できなかった。建造物の破壊などがあり,おそらく歩兵よりも車両や戦闘機に重きが置かれたバランスになっているだろう本作では,短時間のプレイでは結論の出しようがない。この点についてはリリース後,歴戦の兵士達の意見が出揃うのを待たねばならないだろう。

 むしろ気になったのは,これまでのバトルフィールドと変わらない部分だ。今回のテストプレイはXbox 360版にて行ったのだが,どうもエイム補正のようなものもとくに存在しないようで,慣れの問題もあるだろうが,パッドでの操作はかなりシビアに感じた。この部分にはもう少し配慮があってもよかったかもしれない。

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 今回は海外の開発版サーバーに接続し,人数も増減が激しい中でのテストプレイだったが,これまでの点を含めつつも,筆者の感じたプレイフィールは「まごうことなきバトルフィールド」だった。その点については保証できるので,カジュアル化に不安を覚えている人は安心してほしい。タイトル画面で流れるテーマ曲を聞くだけでテンションが上がってしまう筆者のようなプレイヤーはもちろん,これまでバトルフィールドシリーズに触れたことがない人にも,ぜひ体験してほしいタイトルだ。

 なお,シリーズ初のダウンロード専売タイトルとなる本作だが,現在のところ具体的な配信日はアナウンスされていない。しかし今回のテストプレイ時の感触では,Xbox 360版とPLAYSTATION 3版については,もうまもなく発表があるのではないかと思われた。あのテーマ曲が聴けるのももう間近,発表を楽しみにしていてほしい。

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