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海外ゲーム四天王 / 第48回:「Red Dead Redemption」
なんかもう,売れまくっちゃってるらしい,Rockstar Gamesの「Red Dead Redemption」(PlayStation 3/Xbox 360)。Grand Theft Autoシリーズだけでは気がすまず,二つのヒットシリーズを生み出したという雰囲気で,心の底からうらやましいったらない。
開拓時代の西部を背景に,汗臭いガンマン達が撃ったり撃たれたり,野生動物を狩ったり狩られたりする(※編注:狩られる可能性は低い),非常に自由度の高い本作を,開発者さえ考えつかなかったような死に方を繰り返したライターのUHAUHA氏が紹介するのだった。
開拓時代も終わろうという1900年代初め,西部のとある町にやってきた孤高のガンマン,John Marston(ジョン・マーストン)。かつてアウトローだった彼は,悪の道から足を洗って家族と平和な生活を送ろうとしていた。その矢先,冷酷な連邦捜査官の手により妻と子供が誘拐されてしまう。家族を助けるための条件は,かつての盟友でギャング団のリーダーでもある,Bill Williamson(ビル・ウィリアムソン)を捕えることだった。
こんな感じで,いきなり誰が悪人なのか分からないような状況で幕を開けるのが,泣く子も黙るグランド セフト オートシリーズを手がけるRockstar Gamesが放つ,ウェスタンをテーマにしたアクションアドベンチャーゲーム「Red Dead Redemption」だ。欧米では2010年5月にリリースされ,いきなりビッグヒット。Rockstar Gamesを傘下に持つTake-Two Interactiveの決算報告によれば,わずか1か月で500万本を売り上げたとか。メディアの評価も非常に高く,GTAシリーズに続く二本目の柱が誕生したといえそうだ。
マカロニウエスタンっぽいオープニングムービーで,あんなことやこんなことが起き,最後にジョンはボニーという女性に助けられる。ゲームはそこからスタートだ。
ゲームシステムはGTAシリーズと同じで,マップ上に記されたポイントに行くとミッションがもらえる仕組み。ゲーマーにはすっかりおなじみなので,戸惑うことはないだろう。また,豊富に挿入されるムービーを黙って見ているだけでストーリー展開は十分把握できると思うので,英語がそれほど分からなくても大丈夫だ。というか,大丈夫だった。
ミッション内容は,牛を追って牛舎に入れるという雑用から,保安官と一緒に悪党(ギャング)を倒しに行くような派手なものまで,バリエーションは豊富だ。悪党相手のミッションは,基本的に銃を撃ちまくってヤツらを全滅させればオッケーだ。
とはいえ,中には複雑なミッションもあり,例えばボニーの父親が見あたらないので探しに行ったら,牧場の仲間が何者かに殺されたうえに馬小屋に火を放たれ,さらにボニーが悪党に……という具合に状況が次々に変化したりするものもある。もちろん,ミッション開始地点に行かなければ次のミッションへは進まないので,広い西部を自由にほっつき歩くことも可能だ。
約72平方kmという広大なマップには,アメリカらしい雄大な大自然が再現されており,高台から町や平地を一望したとき,その美しさに鳥肌が立ってしまったほどだ。
もちろん,明るい日中が過ぎて日が沈み,やがて静寂な夜が訪れて星空が姿を現すといった時間帯の変化,そして霧雨からしのつく雨,遠くの空に稲妻が光り雷が落ちるといった天候の変化まで再現されている。風が吹けば砂ボコリが立ち,雨が降れば水たまりができるなど,リアルなグラフィックスは感動モノだ。
こんな荒野を愛馬で走り回ると,ミッション以外にさまざまな事件が発生する。
例えば,オオカミなどの野生動物に襲われている人を助けたり,暴漢に襲われている女性を助けたりなど,こうした突発的なサブミッションが豊富に用意されているのだ。ワイルドウエストは危険が一杯だが,クリアすると報酬が得られるので,正義とおサイフのために挑戦してみよう。
さらに,「規定数の鳥を撃ち落とす」といったチャレンジイベントも用意されていたり,町ではポーカーや蹄鉄投げなどのミニゲームも楽しめるしと,まさに西部劇版GTAである。
荒野には人を襲う悪党達のほかに馬,鹿,スカンク,兎,ガラガラヘビ,鷹などの野生動物が生息しており,狩猟して得た皮や肉を売ることで,お金が得られる。このお金で銃やアイテムなどを購入できるのだ。そのため,動物を見かけるたびに追いかけ,ナイフで解体して皮や肉を調達するなんて,狩人みたいな生活を送ることもできる。マタギのジョンだ。
とはいえ,クーガーやグリズリーなどの凶暴な動物も生息しており,狼の群れに飛びかかられたりもする。クーガーに襲われている人を助けようとした筆者は,逆にクーガーに襲われ,襲われていた人に助けてもらうという情けない目にあったこともある。とにかく荒野では油断大敵なのだ。
言うまでもなく武器は銃がメインで,銃を撃つときは必ず狙って撃つのが基本だ。難度選択にもよるが,構えたときに近くにいる標的物を自動的にエイミングしてくれるので,あとは撃つだけだ。ちょっと照準を上に上げるだけでヘッドショットになるし,乗馬中も簡単に狙えるから,銃撃そのものは楽チン。
もちろん,自分で狙いを定めて撃つこともできる。便利なのが時間をスローにする“Dead Eye”で,発動中に複数のターゲットを捕捉してから早撃ちで一掃できるので,自分がまるでクリント・イーストウッドになったようでいい気分だ。
ステータスには名声(Fame)と名誉(Honor)があり,ミッションをクリアしたり,悪党を倒したりするとアップする。ただ,名声のほうは上がり続けるが,名誉は行いによって常に上下し,悪人を倒せば上がるし,善人を撃てば下がってしまう。
ギャング団に襲われている人がいたから助けようと思ったら,間違って善人に弾が当たって賞金首として追われるハメになったなんてことにもなるからカンベンして。もちろん,見境なしに遭遇する人々を撃ちまくって賞金首として追われる,アウトローなプレイも楽しめ,意外とそっち方面で生きていくほうが楽しかったりするから困りものだ。
というわけで,まだまだ書きたいことは山ほどあるのだが,ともあれ毎日毎日,ホコリっぽいアメリカの大地で悪人と銃を撃ち合い,逃げ回る野生生物を追いかけるワイルドな日々を送っている筆者だ。さあ,今日もまた荒野を走り回ろう!
本作はGTAシリーズが好きな人や西部劇アクションに興味がある人には挑戦して損はしないタイトルだ。実際にプレイしてみると,世界的に絶賛されている意味がよく分かる。細かいところまで,実によく作り込まれているのだ。
世間でいろいろ言われているとおり,モラル的にはかなりヤバイ描写もたくさんあるので,あくまでゲームの世界と現実を割り切って考えられる大人のプレイヤー向けであることは間違いない。
詳細は未発表ながら,9月に日本でも発売されると公式サイトにあるので,そのときまたじっくり詳細をお伝えしたいと思っている。
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(C) 2005-2011 Rockstar Games, Inc.
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