プレイレポート
競馬を知らなくても楽しめる? 2月20日発売「ウイニングポストワールド」のプレイレポートを掲載
競馬SLGの新機軸! 「ウイニングポスト」の名を継ぐ最新作がPCに登場
競馬のケの字も知らないにも関わらず,編集部の無茶振りにより週末をつぶしてゲームをプレイするハメになった筆者による「ウイニングポストワールド」(以下,WPW)のプレイレポートをお届けする。
果たして本作は,競馬の知識がなくても楽しめるのか? シリーズのコアなファンからはお叱りを受けそうな気もするが,最近はゲームから競馬の世界に入る人も珍しくないらしいので,プレイレポートとしてはきっと間違ってない……ハズ。きっとプレイ後には,立派な競馬ファンが一人出来あがっているに違いない。人気シリーズの底力に期待しよう。
馬主,調教師,騎手の三つの職業を選べる,コーエー競馬シミュレーションの決定版
本作,WPWがこれまでのシリーズに比べて大きく違うのは,従来の「馬主」を中心としたプレイのみならず,職業として「調教師」と「騎手」が選択可能になった点だろう。
コーエーではウイニングポストのほかにも,騎手に焦点を当てた「GIジョッキー」シリーズ,調教師がメインとなる「ホースブレーカー」があり,本作はその集大成といえる。これまでのナンバリングではなく,タイトルに「ワールド」と冠されていることからも,シリーズ直系の続編というより,コーエーの競馬シミュレーションの現時点での到達点とみるのがよいだろう。
ゲームを開始すると,プレイヤーはまずこの三つの職業から自分のプレイする職業を選択し,キャラクターを作成する。WPWでは「シナリオモード」と「ワールドモード」の二つのモードが用意されているが,どの職業を選んでも,最初に「シナリオモード」から進めていくことになる。まずはオーソドックスに馬主でのプレイを中心に見ていこう。
キャラクターメイキングでは,職業,性別,名前,ゲームの開始年の他,ボーナスポイントを割り振って「素質」を伸ばすことができる |
ボーナスポイントで取得できる「素質」には,特定のステータスの成長を楽にしたり,装備できるアイテムの数を増やすといった効果がある |
目標は1億円の借金返済!? シリーズ伝統の「馬主シナリオ」
本作ではどの職業/モードを選択しても,1ターン=1週間というタイムスパンでゲームが進行していく。基本的にはまずその週の馬の育成(or調教)を実行,次にプレイヤーの今週の行動をコマンドから選び,それらの結果を見て,また次のターンの行動を決めていくというオーソドックスなものだ。
次にコマンド選択だが,シナリオモードではプレイヤーが使用できるコマンドは,基本的なものに限定されている。「種付け」などの高度なコマンドは,ストーリーの進行上,今回シナリオモードでは使用できない。前作からのプレイヤーにはもどかしいかもしれないが,今はプレイヤーキャラクターの能力を鍛える「トレーニング」,そして馬主には欠かせない人間関係を築くための「訪問」の二つをみっちり行っていこう。
「トレーニング」コマンドは,プレイヤーキャラクター自らの能力を強化していくフローだ。対象となるステータスは,大きく訓練系と学習系の二つに分けられ,それぞれ訓練の効果の度合いと,成功率に関連する。どちらについても,対象となるステータスごとに,対応するトレーニングコマンドが用意されているので,自分の弱いポイントを重点的にトレーニングしていこう。例えば「引き運動」のトレーニングコマンドを実行すれば,訓練系ステータスの「スピード」と「逃先Lv.」が上昇する,といった具合で,子馬の育成を効率的に行うためにも,これらのトレーニングは必要不可欠となる。
さらにシナリオモードのみの重要な要素として,友好度による「アイテム」の獲得も見逃せない。アイテムとはキャラクターごとに用意されたスロットに装備することで,さまざまな効果を発揮する装備品だ。アイテムは友好度の高いNPCから,一定の条件によって入手できるのだが,これはシナリオモードでしか発生しないイベントとなる。後のワールドモードを有利に進めるためにも,シナリオモードでのアイテム入手は重要な攻略要素といえるだろう。
目標である1億円の借金返済のためには,週末に行われるレースで賞金を獲得しなければならないので,レースがある週は欠かさず競馬場に出かけ,観戦しよう。馬主プレイではレースは簡単な作戦を指示できるだけで,基本的には見ていることしかできないが,自分の育てた馬が走るレースは,やはり手に汗握るイベントだ。
各プレイにはヒロインともいえる女性キャラクターが登場する。馬主モードのヒロインは牧場主の孫娘である,穂高さくらさん。 |
こちらは姫神会長の娘である金髪お嬢様,姫神ノエル嬢。性格はいうまでもなくツンデレ。 |
師を超える名調教師を目指す! 手塩にかけて馬を育てる「調教師シナリオ」
より強い馬を作り上げるという意味においては,比較的馬主プレイと似た印象を受けるが,資金繰り的な要素は薄くなっており,より本格的になった調教による競走馬との駆け引きがクローズアップされている。
まず調教では,馬主プレイの育成と違い,担当する馬ごとに別個の調教指示が出せるようになる。さらに馬の「体力」と「気力」の状態から,調教の「強さ」を設定することも重要だ。体力と気力は共に馬の体調を示すステータスで,これらの状態いかんによってはレースの結果にも大きく影響がでる。「強い」調教はその効果も大きいが,馬の体力を減らすことにもなるので,レース本番に体力と気力が最高の状態になるよう,調整が必要なのだ。
目指せ2年で30勝! 手に汗握るレース展開を楽しむ「騎手シナリオ」
騎手はほかの職と違い,ステータスもレースに関係するものが揃っている。まず最も重要なのは,一にも二にも,プレイヤー自身の「体力」と「気力」だ。体力はレース中の位置取りを操作する「作戦コマンド」に使用するパラメータ。適切な位置取りが行えないと,馬の能力を十分に発揮できないばかりか,スキルによる「特殊技」も発動できなくなってしまう。コマンドの効果も,「気合」「引き」「ムチ」……といった「騎乗技術ステータス」によって変わってくるので,騎手プレイでは日々のトレーニングコマンドによって,これらを適切に伸ばしていくことが肝心だ。気力のほうは,先の特殊技を使用するのに用いられるもので,位置取りが正しくても,気力が残っていなければやはり発動できない。
実際のレースでは,このほかに「タイミングウィンドウ」を使って特殊ゲージを貯めることができる。ここの特殊ゲージは気力ゲージに上乗せされ,特殊技の発動に用いられるので,最後の直線で一発逆転を狙うことができる。特殊技は発動条件が厳しいものほど高い効果がみこめるので,自分にあったスキルを選択していこう。
特殊技は気力ゲージと特殊ゲージを使用するほか,発動条件が決められているものもある。特殊技「豪腕追い」はスキル「豪腕追い」を身につけており、かつ,道中の位置取りが「差し」か「追い込み」でないと発動できない。 |
一日に複数のレースがある場合,あとのレースのことを考えてゲージを温存する必要がある。1走でスキルを連発したために,続くレースではさんざんな結果になることも |
実はここからが本番,やり込みの「ワールドモード」
ワールドモードでは,シナリオモードで作成したキャラクターを最大6人まで登場させ,キャラクター同士で協力してプレイを進めることになる。それぞれのシナリオで一人前に成長したキャラクターを使い,それぞれの職業で年間リーディング制覇,そしてそして所有馬を年度代表馬にすることが,ワールドモードの最終目的だ。
さらに「種付け」や「セリ」,「牧場施設の建設」といったコマンドも解禁され,いよいよ馬主プレイも本格さを増してくる。シリーズのファンは待ってましたと言わんばかりのやり込みモードである。
筆者もまだワールドモードの入口に辿りついたばかりなので,詳しいレポートはできないが,シナリオモードで育てたキャラクター達が勢ぞろいし,手を取り合う姿は見ているだけでもワクワクする。ここから先はぜひ発売後に自分の目で確認してほしい。
ワールドモードの新要素「種付け」で重要な血統表。正直なところ,筆者には未だなんのことだかさっぱりわからない。 |
シナリオモードで獲得したアイテムは,ワールドモードに持ち込み可能。また獲得したボーナスポイントを使用して,シナリオモードを再プレイすることもできる。いわゆる「強くてニューゲーム」状態 |
シリーズのファンのみならず,競馬を知らない人にもうってつけの入門タイトル
キャラクターデザインも前作のリアル調から,ポップなイラスト調のものへと変更され,好みもあるだろうが,より多くのユーザーにアピールするのではないかと思う。レースシーンも3D化したことでリアルさを増し,音声による実況も雰囲気を大いに盛り上げてくれる。
システム面で言うならば,馬主/調教師/騎手と,それぞれの視点が用意されたことで,シナリオモードをクリアするだけで,各ステータスの意味や,職業ごとの役割を横断的に理解することができる。また競馬の世界における人脈の重要性や,各職業の立ち位置,馬との関わり方が見えてくるので,競馬の世界への入り口としても最適だろう。
あえて不満点をあげるとすれば,ネットへの対応がまったく用意されていない点だ。特に近年のPCゲームとして考えれば不思議なくらいで,ここは少し残念に思う。できれば今後の拡張キットなどで対応を望みたいところだ。
さてプレイレポートを終えて,筆者もこれですっかり競馬通,とまでは行かないまでも,ずいぶんと競馬に詳しくなってしまった気がする。いささか不本意ではあるものの,本物のレースに興味がでてきたのも事実だ。これを機に,競馬場に足を運んでみるのも良いか,などと考えている始末である。まてよ,確か4Gamer編集部の近所にはWINSがあったような。……まんまと編集部の罠にはまっている気がするが,とりあえず,気にしないでおくことにしよう。
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