インタビュー
「Myself;Yourselfそれぞれのfinale」のテーマ曲を歌うVelforest.さんのミニインタビューを掲載
前作の後日譚にあたる“エンディング後”を描いた「菜々香finale編」「あさみfinale編」,外伝である「朱里;麻緒衣duo編」「雛子;柚希duo編」の計4本を収録している。新シナリオに合わせてビジュアルは大幅に描き下ろされており,キャラの音声も新規に追加録音される。
本作のオープニングテーマ曲「蒼黒のスピカ」を歌うのは,アーティストのVelforest.さん。彼女のCDデビューとなるこの曲は,6月24日に5pb.から発売される。今回,ゲームおよびCDの発売に先駆け,5pb.でVelforest.さんに話を聞く囲み取材が行われたので,本稿ではその模様をお伝えしよう。
「違う面をどんどん見せつけていけるような,
意外性のあるアーティストになりたい」
――「Myself;Yourselfそれぞれのfinale」のオープニングテーマ曲で,CDデビューすることになった経緯を聞かせてください。
はい。元々は名古屋で“教頭(Key)”という相方と一緒に曲を作っていて,知り合いに聞かせたり,デスメタルなどのCDを扱っているお店で置いてもらったりといった活動を4年くらいしていました。
ですが,諸事情で教頭が脱退することになり,その時に「もう自分には面倒を見てあげることができないから」と,教頭が5pb.の志倉千代丸さんにメールで「ぜひ聴いてください」と私達の曲を送ったんです。
それで,千代丸さんから「会社に遊びに来ませんか」と返事が来まして,それからトントン拍子でデビューの話が決まりました。
――デビューが決まった時,どんな気持ちでしたか?
Velforest.さん:
「私でいいのかなぁ?」という気持ちと「やってやるぞ!」という気持ちが半々でした。あと,ソロで活動したことがないので,そこは不安でしたね。
音楽は“誰かと作るもの”だと思っていたので……。でも,実際活動を始めてみると,作曲や編曲などで色々な人の手が加わっていて,「一人だと思っていたけど,一人じゃないんだ」と思えるようになりました。
――Velforest.という名前は,どういう意味なんでしょうか?
Velforest.さん:
知人の森さんという人が由来です(笑)。私と教頭はカッコイイことをやりたい目立ちたがり屋だったんですが,ちょっと照れ隠しをしたい部分もありまして。そこで「実はVelforest.の“forest”って森さんが由来なんだよ」という言い訳があれば,どこまでもカッコつけることができたんですよね。
そして,最初に“Vel”と付けたのは,一番最初に作った曲の中に“鐘”という言葉が入っていたからです。色々考えたのですが,Velforest.というのが一番語感もカッコイイし,ネットで検索した時に1件もヒットしなかったのでこれに決めました。
――「Myself;Yourself」という作品の印象はいかがですか?
Velforest.さん:
アニメを見たのですが,「現実よりリアルな作品だな」という印象を受けましたね。普通,映画やドラマでは主人公だけを追っていくような話が多いと思うのですが,「Myself;Yourself」はそれぞれのキャラクターが色々な考えを持ち,幸せになるためにがんばっていて,その中で色々な事件やすれ違いが起きていくというところに衝撃を受けました。
――気に入ったキャラなどはいますか?
Velforest.さん:
第一印象では雛子が気に入ったんですよ。でも,アニメを見ているうちに巨乳に惹かれて麻緒衣に浮気しつつ,最終的には菜々香に行きました(笑)。
――その続編となる「Myself;Yourselfそれぞれのfinale」のシナリオも読まれたんですよね。
Velforest.さん:
はい。ビックリな展開がありましたね。これはホームページでもチェックできる情報なんですが,修輔とあさみが付き合っているとか,どのシナリオもより深く描かれていたのが印象的でしたね。絵も綺麗で,特にバイオリンを持っている菜々香の悩んでいるような表情がたまらなかったです。
Velforest.さん:
すごくカッコイイ曲で,感無量でしたね。でも,今までに挑戦したことのないタイプの曲だったので,「自分にできるのかな?」とも思いました。
――レコーディングはどのような感じだったのでしょう?
Velforest.さん:
9時間かかりました(笑)。やはりインディーズ時代にやっていた音楽とは違うものだったので,苦労しましたね。最初に歌ったとき,「ちょっと強すぎる」って言われたんですよ。最初はどういう意味か分からなくて,自分はまだまだ勉強不足だなと思いました。
――インディーズ時代はどのような曲を作っていたんですか?
Velforest.さん:
“メロディックデスアニメソング”です。デスメタルの“デス”の部分をなくして,カッコイイ女性ボーカルの声を入れようという,教頭の思いつきで始まったんですよ。声もあくまで“楽器”という感覚だったのですが,「蒼黒のスピカ」は歌声がすごく映えるように作られた曲なんですよね。
――「蒼黒のスピカ」の歌詞の中でお気に入りのフレーズはどれですか?
Velforest.さん:
2番の,「磨り減らすような日々が『生きる』意味なら」というフレーズがすごく印象的でした。まず「磨り減らすような日々」という言葉の組み合わせは初めて聞きましたし,なんだか自分と重なって,「夢を諦めたらこうなってしまうんじゃないか」と,怖くなったんですよ。ずっと歌手になるのが夢だったんですが,もし5pb.さんで話した結果がダメだったら諦めようと思っていたんです。千代丸さんからメールの返事が来るまでの間が,自分にとっての「磨り減らすような日々」でしたね。
――メロディではどの部分がお気に入りですか?
Velforest.さん:
「そこにある星達は あの頃と同じ輝き」と,Bメロからサビに入るところです。溜めて一気に放出するような感じが,歌っていてすごく気持ちいいんですよ。
――タイトル未定のカップリング曲について,話せる範囲でいいので印象を聞かせてください。
Velforest.さん:
歌詞に“夏”というフレーズが入っていて,爽やかな印象を受けました。こちらも今まで歌ったことのないタイプの曲なので,また自分の新しい魅力を引き出してくれるんじゃないかとワクワクしています。
――最後に,これからどんな歌手を目指していきたいですか?
Velforest.さん:
色々なジャンルの曲にチャレンジして,違う面をどんどん見せていけるような,意外性のあるアーティストになりたいです。たとえば椎名林檎さんのような……。自分で作詞作曲やギターを弾くので,いつか自分の曲を皆さんに届けられるようにがんばっていきたいと思います。
- 関連タイトル:
Myself ; Yourself それぞれのfinale
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(C)ささきむつみ/イエティ/Regista
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