プレイレポート
「FINAL FANTASY XV」のロングムービーを,最新ビルドのプレイを基に徹底解説。ユニークな「魔法精製」や,凝りに凝った「釣り」の詳細を確認しよう
4Gamerでは,このムービーで使用されているバージョンのFFXVをプレイできたので,それを基にしつつ,ムービーの内容を解説しよう。映像だけでは分からない部分も紹介しているので,じっくりムービーを見たという人もぜひ読んでほしい。
●0:23〜
いきなり驚かされた人も多いであろうこのシーン。プレイヤーが操作するキャラクターはレギス王のようにも見えるが,仲間達から呼ばれているようにノクトである。グラディオ,イグニス,プロンプトも少し雰囲気が変わっていることからも分かるように,これまで紹介されてきた彼らの旅から,しばらく経った後の出来事らしい。
●1:58〜
故障した「レガリア」(レギス王から譲られた車)を押し,荒野の道路を行くノクトたち。劇場で「KINGSGLAIVE FINAL FANTASY XV」を観た人なら,ニヤリとできる演出だ。
ムービーではまっすぐ車を押すだけだったが,実際のプレイではある程度ステアリング操作も可能になっていた。
バックに流れるのは,イギリスのバンド「フローレンス・アンド・ザ・マシーン」がカヴァーした名曲「スタンド・バイ・ミー」。
原曲は,アメリカの片田舎に住む少年たちが,助け合いながら一夏の冒険をする同名映画の主題歌でもあり,「FFXV」の雰囲気にぴったり合っている。
●6:05〜
整備工場「ハンマーヘッド」に到着。店長であるシドと,その孫娘で,腕ききのメカニックであるシドニーがレガリアを修理してくれる。
このシーンでは修理のみだが,ハンマーヘッドではレガリアにステッカーを貼ったり,ボディやインテリア,ホイールのカラーリングを変えたりといったカスタマイズができる。カラーリングに使える色は,「色見本」を買ったり,フィールドで鉱石を手に入れたりすると増えていく。
●8:28〜
会話時には,制限時間付きの選択肢が出ることもある。選んだ回答によって「AP」(アビリティポイント)や経験値などが得られる場合があるので,適当に選ばないほうが良さそうだ。
ちなみに,時間切れの場合は,その時にカーソルが合っていたものが選ばれる。
●9:18〜
シドニーとの会話で手に入れたAPを使い,「アビリティコール」(動画は英語版なのでASCENSION)」の画面を呼び出し,新しい「アビリティ」(キャラクターの特殊能力)を手に入れる。
APを使って盤上に配置されたアビリティを開放していくのだが,盤上のあらゆるマス目をいきなり選択できるのではなく,既に開放したマス目の隣しか選べない。シリーズのファンには「FINAL FANTASY X」の「スフィア盤」に近いシステム……と言えば分かりやすいだろうか。
ムービーではノクトのみだが,もちろん仲間のアビリティもここで開放できる。アビリティコールのメニューに入ったとき,画面下に見えているのが仲間の盤面だ。
APは4人で共有する形になっているので,お気に入りのキャラクターを集中して強化するといったこともできる。
アビリティは,ジャンプ中に回避行動ができる「空中回避」や,相手の攻撃をタイミングよく防ぐと,MPを消費しなくなる「ジャストガード」(本作では,回避アクションでMPを消費する)など,さまざまな種類がある。
グラディオやプロンプト,イグニスの場合は,ノクトの指示で発動する特殊な攻撃「連携コマンド」もアビリティコールで入手する。戦闘時における仲間の行動が変化するなど,アビリティの効果は大きいので,限られたAPでどれを取るか頭を悩ませるのがなかなか楽しい。
●10:01〜
拠点にある店では,「ポーション」や「フェニックスの尾」といったシリーズおなじみのアイテムはもちろん,レガリア乗車中に流せるBGMといったものも販売されている。
また,ノクトや仲間達が装備する武器やアクセサリーも,拠点にある店(こちらは移動販売車)で購入可能だ。
●10:57〜11:39
「装備」コマンドでは,武器だけでなくノクトたちの服装も変更。
服装は見た目だけでなく,パラメータにも影響を与えている。「戦闘服」ならHPが上がり,「戦闘服【ジャケットOFF】」だと身軽になって攻撃系パラメータがアップ。私服の「カジュアルスタイル」だとステータス異常を防ぐ……といった具合だ。
今回のプレイでは,基本「戦闘服【ジャケットOFF】」でザコ敵とのバトルをスピーディに片付け,強敵が相手の場合は「戦闘服」を着て相手の攻撃に備える,といった感じにすると,スムーズに進められた印象だ。
●13:19〜
バトルでは,プレイヤーは基本的にノクトを操作する。[○]ボタンを押しっぱなしで連続攻撃,[□]ボタンを押しっぱなしでMPが切れるまで敵の攻撃を回避できるという親切設計だ。慣れるまでは常に[□]ボタンを押しておき,回避したら攻撃,という戦い方をすれば,そうそう負けることはないはずだ。
相手の攻撃を回避するとき,タイミング良く[○]を押すと「パリィ」となって反撃が可能。うまく決まると爽快で,バトルの良いアクセントとなっていた。
●15:50〜
カットシーンでは,フィールドの昼夜や天気が反映される。ムービーでは晴れた昼間だが,夜や夕方,砂嵐といったように,プレイヤーによって印象が大きく変わるはず。オープンワールドならではの面白さだ。
●17:06〜
フィールド上にあるポイントから,魔法の素となる「エレメント」を吸収する。本作の魔法はアイテムのような扱い(MPは消費しない)で,使うためには後述する「精製」の手順が必要だ。
このエレメントの吸収を見て,「FINAL FANTASY VIII」の「ドロー」を思い浮かべた人も多いだろう。意図的か偶然かは分からないが,前述の「アビリティコール」と合わせて,過去のシリーズ作品を思い起こさせるポイントだ。
●17:20〜
これが「精製」の画面。「炎」「雷」「冷気」という3種類のエレメントと,アイテム類を合成して,魔法を作り出す。魔法を所持するには,「マジックボトル」が必要で,例えば「ファイア」と「サンダー」を使いたいなら,マジックボトルが2つ必要になる。同じ種類の魔法を複数所持するなら,マジックボトルは1個でいい。
なお,マジックボトルはストーリーの進展に応じて増えていくようだ。
魔法の効果は,使用するエレメントの量と,組み合わせるアイテムの種類によって,さまざまに変化する。例えば炎のエレメントを少量使うと「ファイア」,中量で「ファイラ」,大量だと「ファイガ」となり,そこに「ポーション」を組み合わせれば,炎の攻撃に味方のHP回復効果も付くといった具合だ。
ちなみに,3種のエレメントを使って精製すると,炎・雷・冷気のどれかがランダムで発動する「マジック」なる魔法ができる。
このような仕組みだと,「あの魔法ってどうやって作るんだっけ」となりがちだが,精製した魔法は履歴に残り,ワンボタンで同じものが作れるようになっていたので,困ることはないだろう。
●17:51〜
精製した魔法を使うには,武器と同じように,4つあるスロットのどれかに装備する必要がある。ノクトはもちろん,仲間達にも装備可能で,その場合はバトル中,自動で使ってくれる。
ちなみに,バトル中にも魔法の精製は可能で,この時は進行も止まってくれるのがありがたかった。
●18:01〜
フィールドのあちこちにある「標」(しるべ)で「キャンプ」をすると,ノクトと仲間達のHPが回復し,その日に得た経験値がここで初めて全員に加算され,一定値に達するとレベルアップする。
体験版「EPISODE DUSCAE」と同様に,キャンプ時にはイグニスが食事を作ってくれて,攻撃力アップや防御力アップなど,そのメニューに応じた効果が翌日の日没まで持続する。食材はフィールドで採取したり,敵を倒したりして手に入れるほか,拠点のショップで購入も可能だ。
そして,触れないわけにはいかないのが,食事のグラフィックスだろう。「EPISODE DUSCAE」では静止画だったが,今回のバージョンでは湯気が立ちのぼっていて,皿を置くときに半熟の目玉焼きが揺れているように見える。とてもおいしそうだ。
今回のプレイでは,バトル後にイグニスが新レシピを思いつくというシーンも確認できた。新レシピは,その時に倒した敵に関連した食材を使ったものだったので,多くの敵を倒せば,それだけレシピが豊富になっていきそうだ。
●19:37〜
強敵とのバトル。ムービーでは割とあっさり倒しているのだが,筆者はかなり苦戦させられた。ザコ敵相手なら“避けて攻撃”だけで問題ないが,強敵には地形や属性を考え,しっかりと作戦を立てる必要があるゲームバランスといったところだ。
ムービーでは,ノクトのワープ攻撃「シフトブレイク」(WARP STRIKE)の成功時に「×3.1」という表示が確認できる。この攻撃はワープする距離が長いほど威力が上がる仕組みだ。
ほかにも,敵の後方から攻撃するとダメージが1.5倍になる「バックアタック」(BRINDSIDE),仲間と近い位置で戦えば,立て続けに攻撃を加える「リンクアタック」がそれぞれ発動する。狙い通りに決まったときの爽快感は格別だ。
仲間達に攻撃してもらう連携コマンドを使うのも重要だ。画面左にある緑のゲージは時間経過と共に増加していき,これを消費して仲間に技を出してもらえる。
それでも倒せないならRPGらしくレベルを上げたり装備を整えてから再挑戦すればいいし,最終的にはバトルの難度設定を変えてしまうという手もある。設定変更はバトル中でも可能だった。
●23:09〜
レガリアで移動するときは,イグニスが運転を引き受けてくれる。ある程度ゲームを進めれば,ノクト(プレイヤー)が運転することも可能だ。
移動中は仲間達の会話や周囲の風景を楽しもう。会話のバリエーションはかなり豊富で,聞いていると彼らの人となりや世界の情勢が分かるようになっているのが面白い。「BROTHERHOOD FINAL FANTASY XV」を見ていると,「うんうん」とうなずきたくなる会話もあった。
また,レガリアを運転中,左下に燃料ゲージが表示されていることからも分かるとおり,燃料がなくなると,冒頭のシーンのようにレガリアを押すことになる。給油所はマップのあちこちにあるので,こまめに寄っておこう。
●26:35〜
眠っている巨大なモンスターを起こさないようにしながら,目的の品物を手に入れるクエスト。クエストのバリエーションは豊富だ。
●29:52〜
帝国の人造兵器「魔導兵」との戦い。なかでも銃器を装備した魔導兵は,遠距離からこちらのHPを削ってくるので,なかなか厄介だ。
この場所では,置いてあるドラム缶をファイアで爆破し,敵を巻き込むといったことも可能だった。
●32:35〜
夜になると,フィールドには昼間より強い敵が登場。ムービーでは「PLATINUM DEMO」でもお馴染みの「鉄巨人」に挑んで返り討ちにあっている。筆者も挑んでみたが,やっぱりボコボコにされてしまった。
●37:50〜
暗く狭いダンジョンでは,当然ながら屋外とは違った戦い方が必要になる。不意を突いて現れるような敵もいて,ホラーゲームを遊んでいるような気分になった。
●39:52〜
大型の敵「魔導アーマー」とのバトル。脚を攻撃してもいいが,やはりシフトブレイクなどを活用して,敵の上半身に攻撃を加えるのがダイナミックで面白い。
ところどころで進行が止まるのは,バトルの設定が「ウェイトモード」になっているため。シフトをする目標を選択するときなどに時間が止まり,次の行動をじっくりと考えられる。初心者にオススメのモードだ。
●41:17〜
「EPISODE DUSCAE」を遊んだ人なら見覚えがあるかもしれないシチュエーション。モンスターに見つからないように尾行して住みかを特定し,討伐する。
●42:10〜
今回の目玉とでも言うべきチョコボ。期限付きのレンタル制で,レンタル中ならフィールド上で笛を吹くと呼び出せる。通常の移動でもノクトらがダッシュするより速いうえ,スタミナを消費すればさらに速い「全力疾走」が可能。また,小さな翼を羽ばたかせてジャンプもできる。広いフィールドを駆け回るのは実に爽快だ。
基本的に道路しか移動できないレガリアと違い,徒歩で入れるところ(ダンジョンなどを除く)ならどこにでも行ける。川などの侵入不可能な地形に行くと,首を振って嫌がるのも可愛らしい。
ノクトだけでなく仲間達もチョコボに乗ってフィールドを走るのだが,各人のチョコボは,羽根の色やアクセサリーなどをカスタマイズできる。それぞれ違った色にすると,フィールドはなかなか賑やかになった。
チョコボに乗ったままバトルはできないが,足が速いので,敵から逃げるのは容易。敵と戦わずにフィールドを探索したいときは重宝した。
また,チョコボに乗り続けていると,チョコボのレベルがアップして,バトル中に助けに来てくれるようになるほか,チョコボを連れた状態でキャンプすると,能力アップの効果がある「エサ」を与えられる。4人がチョコボと一緒にくつろぐ心温まる光景も見られるというおまけつきだ。
●42:57〜
シリーズでおなじみの「チョコボレース」が本作にも登場。チョコボに乗ったノクトを操作し,1対1でレースする。今回体験できたのは,最初はプロンプト,次はグラディオ……というように,仲間と競う形式で,コースもそれぞれ違ったものが用意されていた。
レースのルールは,コース上のチェックポイントを次々と通過し,相手より先にゴールすると勝利,というもの。フィールドと同様に全力疾走もできるが,使いすぎるとスタミナが尽きてしまうので,そのあたりの配分が大事になる。
●43:46〜
ノクトは釣りをすることもできる。「ライン」「ルアー」「ロッド」「リール」はさまざまなものが用意されていて,例えばルアーならターゲットとする魚や釣り場が異なるなど,なかなか本格的だ。
実際の手順は,まず魚のいそうな所にルアーを投擲し,糸を巻いて魚を誘う。魚が食いついたら,ラインが切れないようにロッドを動かしつつ,ラインを巻き取り,徐々に引き寄せていく。釣った魚の大きさが記録されるので,大物を狙うだけでも楽しめるはずだ。
●48:54〜
「BROTHERHOOD FINAL FANTASY XV」のエピソード3では子供だったイリスが,成長した姿で登場。普段は男4人の旅なので,こうした女性キャラクターとの触れあいは実に貴重だ。
●50:10〜
氷の洞窟を探検。ノクトたちが体をさするようなそぶりを見せたり,吐く息が白かったりと,見ているこちらにも寒さが伝わってくる。
●51:46〜
ノクトらの前に度々姿を現す,ニフルハイム帝国の宰相,アーデン。「KINGSGLAIVE FINAL FANTASY XV」とは少々雰囲気が違うが,腹の底で何を考えているか分からないところは同じようだ。
今回は約10時間プレイして,チャプター3を終えるところまで進めた。E3直前の試遊でも,今回とほぼ同じ範囲をプレイしたのが,その時にはなかったイベントなどが数多く実装されていて,かなり濃度が上がったという印象。ここからサブクエストなどがさらに増えるとのことなので,ボリュームの心配はなさそうだ。
アビリティの取得や魔法の精製は今回初めてプレイした部分だが,手に入れたAPでどんなアビリティを取るか,どんな魔法を作るかは悩みがいがありそう。特に魔法の精製はユニークなシステムで,序盤にもかかわらず,かなりのバリエーションを作れた。アイテムが増える後半になるとどんなものが作れるのか,今から楽しみだ。
チョコボや釣りは,いままでの情報でもある程度公開されていたが,今回触れてみて,その作り込みに驚いた。
チョコボは移動手段として便利なのはもちろんだが,ノクトと仲間達が乗った4匹のチョコボが草原を疾走する様子は,これまでのシリーズで妄想していた光景が現実のものとなったようで,感慨深かった。
釣りも,狙う魚の種類によってルアーを変えるなどの工夫が必要なようで,RPGのサブコンテンツとは思えないほどの凝りようだ。ラインを切られないようにじりじりと魚を引き寄せるのがスリリングで面白く,寄り道であるにもかかわらず,しばらく没頭してしまった。
発売が延期されたのは残念だが,今の状態からさらに磨きがかけられるとなれば,より期待が高まるというもの。個人的には序盤を2回プレイしているわけだが,それでも11月29日には驚かされるのではないかと,楽しみでしょうがない。
「FINAL FANTASY XV」公式サイト
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