インタビュー
TGS 2009で一部が公開された「ZIPANG」,まだ非公開の内容を薬師寺プロデューサーにいろいろ聞いてみた
しかし,TGS 2009で初めてプレイアブルなデモが一般に公開されたことで,かなり具体的なゲームのイメージが掴めるようになってきた。4Gamerでは,プレイアブルデモで確認できたことを踏まえたゲーム本編の仕様や,今後のスケジュールなどを,プロデューサーの薬師寺健治氏にあらためて聞いてみた。
なお,ゲーム画面はあいかわらず非公開の段階とのことで,そういう意味では少々味気ない記事となってしまっているが,ご了承いただきたい。
「今回出展したデモは,完成度でいうと35%になります。普通なら公開するにはまだ早いところなのですが,今の時点で一旦プレイした皆さんの意見を聞きたいと考えたんです。雰囲気やクオリティは,ある程度お見せできますので,まずはそこから確認していただこう,と」(薬師寺氏)
なお,このデモは,まだオンラインに対応しておらず,ほかのプレイヤーとゲーム内で接することはできない。クエストもデモ専用に作られており,同じものが本編に実装される可能性はかなり低いとのこと。
プレイアブルデモのグラフィックスは,ゲーム本編の最高設定と比較すると6〜7割程度の表現。プレイヤーキャラは,1体当たり約4000ポリゴンで表現されているが,ノーマルマップを使っているため,実際にはそれ以上の精細さに見えるという。街中を徘徊するNPCは約2000〜3000ポリゴンだそうだが,プレイヤーキャラ同様に動作はモーションキャプチャを使って表現されるため,不自然さはほとんどない。
「画面構成も含めて,全般にコンシューマのアクションゲームを意識しています。したがって戦闘システムは,一般的なMMORPGに採用されるコマンド選択式やクリックゲーム式とは違いますね。」(薬師寺氏)
戦闘に関しては,マウスとキーボードを使うスタイルではあるものの,MMORPGでは主流となる一度ターゲットしたらあとは半自動で攻撃を繰り返すような戦闘とは異なり,基本的には正面にいる敵にマウスのクリックで1回ごとに切りつけるような感じだ。以前のインタビューではコントローラにも対応するとのことだったが,複数のスキルを併用するとかなり多くのキーを使わざるを得ない──薬師寺氏は「World of Warcraft」を例に挙げた──ため,ボタンの割付けに苦心しているという。
また,長時間クリックし続けるのも大変であることから,簡易モードを用意する予定もあるそうだ。
「アクションゲーム風にいろいろやりたい半面,寝そべってお菓子でも食べながらやれるようにもしたいという気持ちがあるんですよ(笑)」(薬師寺氏)
クローズドβテストは2010年秋までに!
その前にデモ体験会実施も検討中
今回のプレイアブルデモでは表現されなかった部分についてもいろいろ聞いてみた。まずプレイヤーの職業は3種類で,基本ステータスは「力」「敏捷性」「体力」「知力」など。そのほか「バトルスタイル」という項目があり,数値を振り分けることで各職業とも2系統に分かれていく。
ZIPANGには当初,プレイヤーが所属する三つの国と,そのいずれとも敵対するNPCの国の,計4国家が存在する。プレイヤーの国はデモの舞台となった城下町風のほか,海と山にそれぞれ用意されるほか,アップデートを重ねるにしたがって増えていく予定だ。そして3か国で敵対したり同盟を組んだりしながら,国盗りの大規模対人戦を繰り広げるのである。
「国盗りは,ギルドが基本単位になります。ギルドを組んで国内を勝ち進んでいき,大名まで上り詰める。いい加減なことをやっていると,謀反が起きて下克上となるかもしれません。そして,さらに周りの国をも支配していく……というのが一つの遊び方です」(薬師寺氏)
各国の領地は街や村などに区分けされており,国家間戦争では各地の支配権を奪いあって自国の領地を広げていくわけである。ただし大名のいる中心地は攻め入ることができないので,国家が完全に滅ぼされてしまうことはない。
「しかし,ただレベルが高く強いプレイヤーが大名になれるかというと違います。いくら強くても,人徳がなければ大名にはなれないでしょう。このゲームでは,人徳を積み,『名声』を得ることで,やれることの幅が増えていくんですよ」(薬師寺氏)
その一方で,ゲーム中には一人で進められるシナリオも用意されているので,非オンラインのコンシューマゲーム感覚でシングルプレイも楽しめる。これは,主にNPCの国との戦いを描くものとなるそうだ。さらにシナリオ以外にも,一人でじっくりやりこめるようなコンテンツがいくつか登場する予定だ。
「TGSでも軽くは触れたのですが(関連記事),シナリオに関してはすべてに対して「悪」が存在しない作りになっています。戦国時代の人達は刀を使い,領地を広げて制圧していたと思うのですが,考えの違いはあるけど,それぞれの信念や自分達が考える正義があると思うのです。立場や環境が違えば一つの物事に対しても見方が変わるけど,みんながみんな悪ではない。そこで考えが違う各国にプレイヤーが所属して,それぞれの道を進む流れであれば,ゲームとして成り立つなと」(薬師寺氏)
気になるサービススケジュールは,「2010年の今頃までにはクローズドβテストを実施したい」とのこと。内々にはそれより前の実施を予定しているものの,予期せぬアクシデントの発生などを考慮すると,今はまだ断言はできないようだ。
またグラフィックスは,開発上,GeForce 6000シリーズでも動作する仕様を基本においているとのことだが,こちらも公式サポートは難しいとのこと。やはりサポート対象となるのはDirectX 10以上対応のGPUということになるのだろう。
なおZIPANGに関する情報は,今後,劇的に増えていく予定。アクワイアの公式モバイルサイトでは,月2回のWebラジオ配信などを通じて随時ZIPANGの最新情報が提供されるほか,薬師寺氏が直々に質問に答えるコーナーも用意される。また,ひょっとするとクローズドβテストまでに,また体験会のような形でプレイアブルデモを公開する可能性もあるとのこと。こうした情報は,もちろん4Gamerでもお伝えしていくので,興味のある人は引き続きのチェックをお願いしたい。
それでは最後に,「まだ隠していることは山ほどあります」という薬師寺氏からメッセージをいただいたので掲載しておこう。
「今回,TGSに出展したデモに触れていただいたり,あるいはこうした記事を読んでいただいたりして,何か気づいたことや意見のある方は,ぜひアクワイア宛にメールを送ってください。また,今後のイベントなどで,私を含めたアクワイアのスタッフを見つけたときに,いろいろいってくださっても構いません。今なら,皆さんの意見が反映される可能性も高いです」(薬師寺氏)
■『太秦戦国祭り2009』にて、開発中の「ジパング」を体感!
TGS2009 にて公開した、ジパングの開発テスト版クライアントを「太秦戦国祭り2009」にてプレイすることができます。実際にクエストを体験することができ、町の中を動き回るNPC などをご覧になることができますので、TGS でプレイできなかった方は、現在の開発バージョンでのクオリティをぜひご体感ください!
『太秦戦国祭り2009』 について
「太秦戦国祭り2009」は、京都にある東映太秦映画村のオープンセット各所にて開催される、歴史(戦国)コンセプトの映像作品上映のほか、ゲームの試遊やグッズ展示等がおこなわれるイベントです。
東映太秦映画村での開催時間については、下記の通りです。
【開催時間】
10 月3 日 9:00 〜 21:00
10 月4 日 9:00 〜 17:00
太秦戦国祭り公式サイト: http://www.joraku.jp/
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