インタビュー
アニメ「ペルソナ4」のメインキャスト4名にインタビュー。鳴上 悠役の浪川大輔さんらが語るペルソナへの思いとは?
現代をテーマとしたいわゆる“学園モノ”の世界で展開していく奇怪でシリアスなストーリーを軸に,個性的なキャラクター達による会話劇を描くという手法はシリーズ共通だが,その中でもドラマ性が強いペルソナ4は多くの支持を得ている。
そんなペルソナ4が,3年のときを経てテレビアニメ化される。今回は,8月某日に東京都内で開かれた,本作のメインキャスト4名に対する囲み取材の模様をお伝えしよう。
――まずは,ご自身が演じたキャラクターの印象を教えてください。
僕が演じているキャラクターは,これまでゲーム,ドラマCDと名無しだったんですが,今回のアニメでは“鳴上 悠”(なるかみゆう)という名前がつきました。プレイヤーキャラクターだったこともあって,あまり感情を表に出さなければリアクションも薄いですが,まっすぐで嘘のない男だと思います。
森久保祥太郎さん(以下,森久保さん):
花村君も舞台となる街にやってきた転校生ですが,持ち前の陽気さや人なつっこさですぐに順応し,同じく転校してきた悠ともすぐに打ち解けます。立ち位置的にはムードメーカーでにぎやかな男ですが,非常に情に厚く人間味溢れる男だと思って演じています。
堀江由衣さん(以下,堀江さん):
千枝ちゃんは一言で表すと元気っ子です。花村君と同じくにぎやかなキャラクターで,掛け合いも多いです。とにかく元気いっぱいで明るい女の子です。
小清水亜美さん(以下,小清水さん)
雪子は天城屋旅館の跡取り娘です。学校のアイドル的な存在ですが,物語が進んでいくと意外な一面も見えてきます。序盤はちょっと話しかけにくい雰囲気の美人さん,という役どころですね。
――本日,第7話の収録を終えたばかりとのことですが,これまでの収録を振り返って印象的だと思ったシーンや台詞はありますか?
浪川さん:
基本的に,今ここにいる4人は絶妙のバランスを保っていて,掛け合いなども面白いんですが,印象的が強かったのは,アノ回でしょうか。関 智一さんが演じる巽 完二(たつみ かんじ)というキャラクターがいるんですが,コイツがすごい。ペルソナの世界観が崩壊してしまうのではないか,というような回になっているので,楽しみに待っていてください(笑)。ポイントは「ナイスガイとタフガイ」です。
小清水さん:
私は,たまに悠がボソボソっと話す台詞が好きですね。何を言っているか分かりづらいんですけど,面白いことを言いますので,実際にアニメが放映されたらそういう細かいところもぜひ拾ってほしいなと思います。ポイントは「かわいいよ……」かな。悠の台詞です(笑)。
堀江さん:
私は出前が好きでした。作品の中に,どこでも出前が取れるという設定があるんです。走りながらお会計するシーンもあるんですよ(笑)。
森久保さん:
とにかくオシャレですよね。演出も音楽も本当に素晴らしい。今日ここにいる4人のキャラクターは作中でも仲良しで,始終ドタバタします。そういうテンポの良い会話劇も気持ちいいと思いますし,さらに胸が熱くなるような青春もある。オシャレだけど笑えて,真剣にもなれるアニメですよ。
――アニメとゲームの収録時の違いなどがあれば教えてください。
森久保さん:
悠は初めて会話しますからね。
浪川さん:
そうですよ。ゲームでの会話はプレイヤーさんが文章を選択するという形でしたが,やはり全然違いますね。ペルソナの連続殺人という重い背景の中で,どういう風に立ち回るのかと楽しみにしていたんですが,思っていたよりも素直なキャラクターで,ただクールなだけじゃありませんでした。
堀江さん:
ゲームでは,会話や動きをある程度想像しながら収録したので,アニメで動くキャラクターを見て「あー,こういうリアクション取るんだ」って思いました。実際に動く千枝ちゃんを見て素直に嬉しかったですし,また自分の中の千枝ちゃんのストックが増えました。
小清水さん:
個人的には戦闘シーンの迫力が増したと思います。雪子とペルソナがどういう立ち位置でどのように戦っているのか,アニメだとよく分かるんです。初めて見たときはちょっと感動しました(笑)。あとは,音楽面でも原作ファンの方々はぐっと盛り上がれるのではないかと思います。
森久保さん:
ゲームの収録は基本的に一人でやりますので,それと比べると隣に共演者がいて,一緒に演じられるだけで空気は良くなりますよ。それとゲームをプレイされた皆さんからの感想を受けて,それを踏まえて演じられるのも大きい。
たとえば,「いくぜ! 相棒」という台詞はファンの方々に人気があるようなのですが,独りで収録していると,そういうことは分からないんです。ですから「あぁそれなら,今度はこうしてやろう」というようにイメージが広がります。
――森久保さんは公式サイトのコメントにも「いくぜ! 相棒」と残していましたよね。胸を熱くしたファンの方も多かったようですよ。
堀江さん:
それ,なんかいいなぁ。千枝ちゃんにもそういうのないんですか?
浪川さん:
作ればいいんだよ,これから!
森久保さん:
何度も決め台詞みたいに言っているわけではなかったんですよ。収録では1回か2回だと思うんですけど,ゲーム内ではたくさん出てくるみたいで,そういうフィードバックは新鮮でしたね。
――ペルソナ4は「もう一人」の自分が大きなテーマになっていますが,自分の中のもう一人の自分について考えたことはありますか?
浪川さん:
僕はしょっちゅうですよ。
森久保さん:
夜な夜なもう一人の自分が出ちゃうんじゃないですか。
浪川さん:
これがなかなかのペルソナでして……(笑)。
いえ,そうではなくて,この仕事をやっていると,やはりたくさんの役を演じることになりますから,その中で本当の自分を見失うこともありますね。「あれ,本当の俺ってどんな性格だっけ?」と。ただ,それをあまり重くは考えていませんけどね。
堀江さん
もう一人の自分って,やはりコンプレックスから生まれるのかなと思います。コンプレックスって誰にでもあるじゃないですか。たとえば,球技なんかを練習せずにパッとこなす人を見ると,やっぱり羨ましい。そういう感情が芽生えますね。
小清水さん:
私は人と会っていたあと,独りになったときですね。すごく楽しい気分だったのに,「はー」ってなるというか,スイッチが切れるような感じ。あの瞬間にはペルソナを感じて,「私だめ人間かも……」って思います。ただ,人と会っているときと独りのときのどちらが本当の自分かは分かりません。皆さんも,結構そういうことはあるんじゃないですか?
浪川さん:
ありますよ。大体,家に帰ったら玄関で「ペルソナッ!!」ってやってますよ(笑)。
森久保さん:
でも「こういう自分嫌だな」というコンプレックスを,それも自分だと認めないと前に進めないのがペルソナ4のテーマで,それは日々生きていても共感しますね。たくさん失敗はしますが,そういう自分を認める。それを続けていくとタフになっていきますよ。良いところも悪いところも含めた今の自分と向き合うってすごく大事なことだなと思っています。それが,ペルソナです。
一同:
おー……。
――ペルソナ4はイラストやデザインがオシャレなことでも人気です。世界観に対する印象を教えてください。
おっしゃるとおり全体的にオシャレですよね。設定からキャラクターまで本当に。
森久保さん:
背景などを見ても作り込みがすごいですね。収録現場で写真を参考素材として使っている背景を見る機会があったのですが,そういうものを見るとしっかりとロケハンをして,世界観を構築しているのが分かりますね。こだわりを感じますよ。
堀江さん
作中に,日にちを教えてくれるカレンダーがあるんですが,そのデザインもすごくオシャレなんです。
浪川さん:
ああ,確かに。時間も細かく分けられていて,それが分かるように表示される時計もスタイリッシュですよね。実は声も,昼や夜という時間に合わせ雰囲気を変えているんですよ。
――ペルソナ4では友人との関係性も重要な要素ですが,実際に友達になってみたいキャラクターはいますか?
浪川さん:
みんないい子だから誰とでも仲良くなれそうですよね。とくに,今日集まっている3人は。でもそれ以外で選ぶなら,意外と完二が好きかな。
森久保さん:
完二はいいよね。町の中では暴れん坊扱いなのに,実は正義感がある。頼りがいもあるし,腕っ節も強いし,先輩を重んじる礼儀もある。
浪川さん:
でも,本当に一番いいなと思うのは菜々子。
森久保さん:
菜々子ちゃんはいい子だよね……。
浪川さん:
ええ子やわ〜って優しい気持ちになりますね。僕は優しさに飢えているので余計に(笑)。
堀江さん
私はやっぱり千枝ちゃんか雪子ちゃんがいいです。賑やかで楽しいので。
私も,やっぱり友達にするなら千枝がいいよ。
堀江さん:
本当に!? 私も雪子がいい!
森久保さん:
収録中もこの4人楽しいねって話は出ますね。学生気分になれます。
浪川さん:
あとですね。このほかに山口勝平さんというキャラクターが……。
森久保さん:
キャラクターじゃないから!(笑)。
――最後に,アニメ放映を楽しみにしているファンに一言お願いします。
浪川さん:
ゲームの発売から約3年経ちまして,「ペルソナ」はさまざまな形で展開がなされてます。アニメ版「ペルソナ4」は,シリーズのスタイリッシュさを受け継ぎながら,原作をプレイしている人もそうでない人も楽しめる作品になっています。もちろん,オシャレなだけでなく,ときに笑えてときに真面目な会話劇もいい仕上がりになっていますので,10月から半年間,楽しんでください。2012年も,ペルソナッ!
堀江さん:
ゲームのときからペルソナ4が,千枝ちゃんが好きでした。千枝ちゃんは「ナチュラルに演じてほしい」と言われた私にとっては珍しいキャラクターでしたから思い入れも深く,今回また演じることができて本当に嬉しいです。アニメ版はゲームをプレイしたことがなくても,ペルソナ4の世界が分かる内容になっていますので,ぜひ最初から最後まで楽しんで見てもらいたいなと思います。
小清水さん:
ゲームの収録時から,たくさんの雪子の台詞を話してきましたが,ゲームのペルソナ4にはそれ以外にも音声のつかないイベントがたくさんありました。今回アニメになったことで,そのイベントも演じられてとても楽しかったです。これを皆さんに見ていただくのはちょっとドキドキもしていますけど,ぜひ楽しんでいただけたらなと思います。あとは,このアニメを見て,ゲームにも興味をもってもらえたら嬉しいです。
森久保さん:
ゲームから3年,アニメ化されるのをずっと待っていました。もちろん,同じように期待してくださっていたファンの方々を裏切らないクオリティに仕上がっていると思います。仲間っていいなとか,大事にするってこういうことだよなとか,さらに深いところでは「自分自身を好きになる」というテーマがある作品です。見ていて明日も頑張ろうと思えますから,楽しんで見てください。僕たちも精一杯作っていきたいと思います。
――本日は,ありがとうございました。
「ペルソナ4アニメーション」
◆MBS:10月6日より 毎週木曜25時30分〜
◆TBS: 10月7日より 毎週金曜25時55分〜
◆CBC:10月12日より 毎週水曜26時00分〜
※放送日時は都合により予告なく変更になる場合がございます。
監督:岸 誠二
シリーズ構成:柿原優子
ペルソナデザインコンセプト:金子一馬
キャラクター原案:副島成記
音楽:目黒将司
アニメーション制作:AIC ASTA
「ペルソナ4アニメーション」公式サイト
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