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    ジャンクハンター吉田のゲームシネシネ団:第36回「『007/慰めの報酬』国内発売記念! 最強の007ゲーム大特集!(1)」
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    印刷2009/03/19 20:34

    連載

    ジャンクハンター吉田のゲームシネシネ団:第36回「『007/慰めの報酬』国内発売記念! 最強の007ゲーム大特集!(1)」


    画像集#013のサムネイル/ジャンクハンター吉田のゲームシネシネ団:第36回「『007/慰めの報酬』国内発売記念! 最強の007ゲーム大特集!(1)」
     2008年秋にActivisionから発売された「James Bond 007: Quantum of Solace」の日本語版「007/慰めの報酬」を,スクウェア・エニックスが3月26日(木)に,PLAYSTATION 3,Wii,Xbox 360,PlayStation 2の4機種向けに発売する。

     PC版がラインナップに含まれていないのは残念だが,2008年末にActivisionが日本市場から撤退し,このタイトルもきっと日本で発売されることはないのだろうと半ば諦めていただけに,テキストだけでなく音声も日本語にローカライズされた形でリリースされるということは,素直に喜びたい。
     ちなみにこの作品,意外にもスクウェア・エニックスにとって初めてのPLAYSTATION 3用タイトルでもある。

     ということで,今回からこの連載では,数回にわたって「007」関連のゲームを取り上げていこう。実は筆者にとって,007のシネマゲームはかなり特別な存在だ。
     なんせ映画「007」シリーズの大ファンであり,なおかつゲームも好きってことで,コンシューマ機とPCでリリースされた30本近くの作品を,ほぼリアルタイムでプレイしてきたのである。
     そこでまずは,筆者が知っている限りの“007ゲーム ほぼコンプリートリスト”を掲載しよう! 誰が喜んでくれるか分からないけど……。

    画像集#009のサムネイル/ジャンクハンター吉田のゲームシネシネ団:第36回「『007/慰めの報酬』国内発売記念! 最強の007ゲーム大特集!(1)」 画像集#010のサムネイル/ジャンクハンター吉田のゲームシネシネ団:第36回「『007/慰めの報酬』国内発売記念! 最強の007ゲーム大特集!(1)」
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    画像集#012のサムネイル/ジャンクハンター吉田のゲームシネシネ団:第36回「『007/慰めの報酬』国内発売記念! 最強の007ゲーム大特集!(1)」

    ●1983年
    タイトルJames Bond 007(ムーンレイカー,ユア・アイズ・オンリー,ダイヤモンドは永遠に)
    パブリッシャParker Brothers
    プラットフォームAtari 2600,Atari 5200,Atari 8-bit,ColecoVision,Commodore 64,オセロマルチビジョン
    ※日本ではツクダオリジナルからリリース
    ●1985年
    タイトルA View to a Kill(美しき獲物たち)
    パブリッシャDomark
    プラットフォームAmstrad CPC,Commodore 64,MSX,ZX Spectrum
    タイトルJames Bond 007: A View to a Kill
    パブリッシャMindscape
    プラットフォームApple II,DOS
    ●1986年
    タイトルJames Bond 007: Goldfinger(ゴールドフィンガー)
    パブリッシャMindscape
    プラットフォームApple II,Macintosh,PC Booter
    ●1987年
    タイトルThe Living Daylights(リビング・デイライツ)
    パブリッシャDomark
    プラットフォームAmstrad CPC,Atari 8-bit,Commodore 64,MSX,ZX Spectrum
    ●1988年
    タイトルLive and Let Die(死ぬのは奴らだ)
    パブリッシャDomark
    プラットフォームAmiga,Atari ST,Commodore 64,ZX Spectrum
    ●1989年
    タイトル007: Licence to Kill(消されたライセンス)
    パブリッシャDomark
    プラットフォームAmiga,Amstrad CPC,Atari ST,Commodore 64,DOS,MSX,ZX Spectrum
    ●1990年
    タイトルJames Bond: The Stealth Affair
    パブリッシャInterplay
    プラットフォームAmiga,Atari ST,DOS
    ※北米リリースのみ007映画版権で展開された。欧州でのタイトルは「Operation Affair」
    タイトルThe Spy Who Loved Me(私を愛したスパイ)
    パブリッシャDomark
    プラットフォームAmiga,Amstrad CPC,Atari ST,Commodore 64,DOS,ZX Spectrum
    ●1992年
    タイトルJames Bond Jr.
    パブリッシャTHQ
    プラットフォームNES,SNES
    ※幻のアニメシリーズをゲーム化した唯一の作品
    ●1993年
    タイトルJames Bond 007: The Duel
    パブリッシャDomark
    プラットフォームGenesis,SEGA Master System
    ※日本ではTENGENが「007 死闘」のタイトルでメガドライブ向けにリリース
    ●1997年
    タイトルGoldenEye 007
    パブリッシャNintendo of Europe
    プラットフォームNintendo 64
    ※開発元はイギリスのRare。007ゲーム最大のヒット作
    ●1998年
    タイトルJames Bond 007
    パブリッシャNintendo of America
    プラットフォームGame Boy
    ●1999年
    タイトル007: Tomorrow Never Dies(トゥモロー・ネバー・ダイ)
    パブリッシャElectronic Arts
    プラットフォームPlayStation
    ●2000年
    タイトル007: Racing
    パブリッシャElectronic Arts
    プラットフォームPlayStation
    ※歴代のボンドカーが登場するカルトなレースゲーム
    タイトル007: The World is Not Enough(ワールド・イズ・ノット・イナフ)
    パブリッシャElectronic Arts
    プラットフォームNintendo 64,PlayStation
    ●2001年
    タイトル007: Agent Under Fire
    パブリッシャElectronic Arts
    プラットフォームGameCube,PlayStation 2,Xbox
    ●2002年
    タイトル007 Ice Racer
    パブリッシャIn-Fusio
    プラットフォームMobilePhone
    タイトル007: Nightfire
    パブリッシャElectronic Arts
    プラットフォームGameCube,PlayStation 2,Xbox,Macintosh,Windows,Game Boy Advance
    ●2003年
    タイトル007: Everything or Nothing
    パブリッシャElectronic Arts
    プラットフォームGame Boy Advance
    ※GBA以外は翌年発売
    タイトル007 HoverChase
    パブリッシャIomo
    プラットフォームMobilePhone
    ●2004年
    タイトル007: Everything or Nothing
    パブリッシャElectronic Arts
    プラットフォームGameCube,PlayStation 2,Xbox
    ※日米欧でそれぞれ異なるボンドガールをパッケージに
    タイトルGoldenEye: Rogue Agent
    パブリッシャElectronic Arts
    プラットフォームGameCube,PlayStation 2,Xbox
    タイトルGoldenEye: Rogue Agent
    パブリッシャElectronic Arts
    プラットフォームNintendo DS
    ●2005年
    タイトル007: From Russia with Love(ロシアより愛をこめて)
    パブリッシャElectronic Arts
    プラットフォームGameCube,PlayStation 2,Xbox
    タイトル007: From Russia with Love
    パブリッシャElectronic Arts
    プラットフォームPSP
    ●2008年
    タイトル007: Quantum of Solace(慰めの報酬)
    パブリッシャActivision
    プラットフォームPlayStation 2,PLAYSTATION 3,Wii,Windows,Xbox 360,Nintendo DS
    ※日本ではスクウェア・エニックスからリリース。ただしDS版のリリース予定はなし
    タイトル007: Quantum of Solace Collector's Edition
    パブリッシャActivision
    プラットフォームPLAYSTATION 3,Xbox 360
    ※貴重なメイキング映像などが収録された豪華版


    画像集#003のサムネイル/ジャンクハンター吉田のゲームシネシネ団:第36回「『007/慰めの報酬』国内発売記念! 最強の007ゲーム大特集!(1)」
     さて今回は,上記の中から最古タイトルと最新タイトルをピックアップして紹介する。
     007を題材にしたゲームが世界で初めて発売されたのは,1983年のこと。いまから26年も前だ。同時期に「スター・ウォーズ」の正規ライセンスゲームを取り扱って大きな利益を生み出したParker Brothersが,この年のクリスマス商戦に合わせて発売したのが,この「James Bond 007」である。
     Atari 2600,Atari 5200,ColecoVision,Commodore 64などの各8ビットマシンで展開され,日本でも1984年に,ツクダオリジナルからオセロマルチビジョン向けとして発売されている。ちなみにこれは,セガのSG-1000やSC-3000との互換性もあった。というか,オセロマルチビジョン自体,SG-1000互換のハードにオセロ機能を載せたようなものだった(そのため,セガ・マークIIIとも互換性がある)。
     今回あらためてプレイして気付いたのだが,ゲームの中身は「ジャンプバグ」と「ムーンパトロール」がミックスされたような感じ。そして一つのROMカートリッジながら,「ムーンレイカー」「ユア・アイズ・オンリー」「ダイヤモンドは永遠に」の3タイトルの映画の美味しいシーンを,インタラクティブにプレイできる……というか,タイトル名だけが羅列されているような具合。とはいえ,当時の技術レベルを考えると,これが精一杯だったのだろう。
     ゲーム自体は横スクロールのビハイクル系アクションで,水陸両用車として改造されたロータスを操りながら,搭載された武器を駆使して進んでいくというのが基本。まぁそれなりに007ライクではあるが,少年時代あんなに熱中したはずなのに,今プレイすると苦痛ばかりを感じてしまうのは,筆者が中年になったからなのか……。

    画像集#002のサムネイル/ジャンクハンター吉田のゲームシネシネ団:第36回「『007/慰めの報酬』国内発売記念! 最強の007ゲーム大特集!(1)」
     なお,ツクダオリジナルが発売した日本国内版のみ,パッケージがオリジナルイラストなのはある意味貴重。なぜか,ショーン・コネリーが主役のゲームみたいなことになっているのだが,これはツクダオリジナルにコネリストが存在していたからとしか思えない。なんせ,ムーンレイカーとユア・アイズ・オンリーの2作は,ロジャー・ムーア主演作だったのだから……。
     ちなみに,このタイトル以前に開発されていたものの,お蔵入りになった作品もある。それは1983年にAtari 2600で開発されていた「James Bond: Agent 007」だ。
     こちらは同年に公開された「007 オクトパシー」を題材に,生身のボンドが活躍する内容だった。だが,普通のアクションゲームになってしまい,“ボンドらしさ”が伝わらないとの理由から,全面的に作り直された結果,3 in 1スタイルのJames Bond 007が生まれたとのこと。

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    画像集#001のサムネイル/ジャンクハンター吉田のゲームシネシネ団:第36回「『007/慰めの報酬』国内発売記念! 最強の007ゲーム大特集!(1)」
     続いて,四半世紀をかけて進歩した最新の007ゲームを紹介しよう。冒頭に触れた,007/慰めの報酬だ。筆者としては,本作を昨今のシネマゲームの中でも最高峰のクオリティの作品だと考えている。
     ゲームのオープニングは,映画と同様に前作「007/カジノ・ロワイヤル」のラストからスタート。そこから,慰めの報酬のオープニングで描かれた手に汗握るカーチェイスまでが,映画以上に細かく描写されている。
     ミスター・ホワイトの屋敷の外や中での銃撃戦の末,逃げ出そうとするホワイトが乗り込んだヘリコプターを撃ち落とし,慰めの報酬のストーリーへ自然にシフトしていく流れはお見事。映画本編では描かれていなかった細かい部分も,ゲームでは楽しめるように作られているのだ。このあたりなど,作り手が映画とゲームのクロスオーバーを実現すべく,高い目的意識を持っていたことの,一つの表れではないだろうか。

     さらに,ボンドとカミーユが追っ手から逃げ延びたあとには,過去の記憶がフラッシュバックするシーンが待っている。そしてここから,ゲームの中でカジノ・ロワイヤル編がスタートするのだ。
     ここにはもちろん,マッツ・ミケルセンもエヴァ・グリーンも登場。ダニエル・クレイグを操作しながら,映画の前作で描かれたシーンをゲームでトレースできるのである。これなど,高いインタラクティブ性を持つシネマゲームならではの表現だ。

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     とりあえず今回はここまで。次回はゲーム版慰めの報酬をもっと深く掘り下げるべく,本作にまつわるエピソードなどをお届けする。


    ■ドブ漬けゲームスープレックス(36)

    Wii
    「デッドライジング ゾンビのいけにえ」(カプコン)

     Xbox 360で好評を博したゾンビパラダイスアクション「デッドライジング」が,プラットフォームをWiiに変えて復活! Wiiリモコンとヌンチャクをフル活用する操作体系にあらためられたほか,細部に至るまで,遊びやすくリファインされている。

     ……のだが,どうやらXbox 360版と比較して,ゾンビの数が少ない,主人公のフランクが自由にジャンプできない,カメラでいろいろと撮影できないといった変更を残念に思っている人がいるようだ。しかし筆者は,銃器の重要度が増したことにより,サードパーソンシューティング風味の強まった本作を,けっこう満足して遊んでいる。
     確かにハードウェアの性能によって,忠実な移植ができなかったという側面もあるのかもしれないが,名作「バイオハザード4 Wiiエディション」の中井 実氏は,同作のノウハウをフル活用してWiiの特性を見事に生かす形の「新・デッドライジング」を作り上げているのだ。
     ただし,ゾンビ犬やゾンビインコには最初のうちこそ驚かされるが,次第にうっとうしいだけになっていくのは残念なポイントだった。新たなテイストを加えようという試みは理解できるのだが……。

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    「デッドライジング ゾンビのいけにえ」公式サイト(要年齢認証)



    ■■ジャンクハンター吉田(シネマゲーム研究家)■■
    連休明けの3月23日(月),スペースFS汐留で開催される「アナコンダ3」&「アナコンダ4」のDVD発売記念特別試写会で,司会を務めるという吉田氏。当日は,グラビアアイドルの辰巳奈都子さんや,さらなる大物ゲスト(?)も登場予定だとか。大物ゲストが誰なのかは,吉田氏でも知らないそうで,ちょっぴり不安らしいです。とりあえず辰巳さんには,「桜(もも)mint'sって解散したの?」と聞いておいてください(私信)。



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