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[GC 2008#56]北欧生まれのコンテンポラリーアート(?)なゲーム「Youropa」
Games Conventionでは,フランスに韓国,シンガポールやタイに至るまで,さまざまな国の開発会社がビジネスセンターにブースを構えているが,フィンランド,スウェーデン,ノルウェー,デンマークの北欧4国家によるソフトウェア販売促進組織Nordic Gamesもそのうちの一つだ。今年のGames Conventionの傾向として,最も期待できそうなゲーム開発新興地域であるが,そのNordic Gamesのブースにあって,ちょっと目を引いたのが「Youropa」である。
Youropaは,コンテンポラリーアート風な映像が冴えるプラットフォーム型の3Dアクションゲームで,現代的なグラフィックスと古典的なゲームプレイのミスマッチが,ちょっとユニークな作品だ。プレイヤーは,頭でっかちな白くてムニュムニュしているYouropeanと呼ばれるキャラクターを使って,障害物を飛び越えたりパズルを解いたりしながら,ゴール目指して進んでいくのである。
Youropa(ユーロッパ)というのは,このゲーム内世界の名称で,「あなたの」の意味のYourと,「ヨーロッパ」の一表記法であるEuropaを組み合わせているようである。このYouropaは空間に浮いたブロックの積み重ねのような世界になっていて,上部分だけに住む強力にして凶暴なOnesidersと,体が小さく非力ながらも,足が吸盤のようになっているために側面や裏側まで移動可能なYouropeanという2種族が生活している。プレイヤーは,このYouropeanの一人として,Onesidersに奪われた土地を取り返していくのが目的となる。
今回のデモでは,落ちないようにブロック上のプラットフォームを飛び越えながら,門を開けるレバーを動かしに行ったり,Onesidersに捕まらないようプラットフォームの裏側に逃げたりする様子を体験できた。すべてのレベルで統一されているのか分からないが,筆者の体験したデモ用レベルには時間制限もあった。グラフィックスが非常に美しく,顔の表情がまったくないキャラクターながらも,どこか愛らしさのあるデザインである。
このYouropaを開発するのは,デンマークに2006年に設立されたFrecleというチーム。今回の出展は,やはり販売元を探すのが目的であり,まだ発売日などは予定されていない。今回はPCにXbox 360のゲームパッドをつなげて展示されており,PCやXbox 360をメインターゲットに開発中のようだ。独特の雰囲気がちょっと気になる作品なので,今後も続報が入り次第お伝えしたい。
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