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Xbox 360の底力を知りたいならこれを遊ぶべし。世界最高峰の映像表現とオンラインプレイの楽しさが詰まった「Gears of War 2」
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印刷2009/12/28 19:11

レビュー

Xbox 360の底力を知りたいならこれを遊ぶべし。世界最高峰の映像表現とオンラインプレイの楽しさが詰まった「Gears of War 2」


» 4Gamerスタッフ/ライターが,個人的に大好きなゲームを熱っぽく紹介する不定期連載,「極私的コンシューマゲームセレクション」。本稿では,ライターのAlexander服部氏が「これは別格」と断言する,Xbox 360用TPS「Gears of War 2」を紹介してもらった。2009年7月に日本語版が発売されたソフトだが,今遊んでも確かに「別格」の面白さだ。



画像集#004のサムネイル/Xbox 360の底力を知りたいならこれを遊ぶべし。世界最高峰の映像表現とオンラインプレイの楽しさが詰まった「Gears of War 2」
 Xbox 360ユーザーにとって,一人称視点,もしくは三人称視点のアクションシューティングは選り取り見取りの状態だ。しかし,「Halo」「Call of Duty」「Gears of War」という三つのシリーズだけは,完全に“別格”といってもいいだろう。
 初心者から上級者からまでストレスなく遊べるFPS,Haloシリーズは,Xbox 360のキラーコンテンツとして誰もが認めるところだし,Call of Dutyシリーズは徹底した“リアルな戦争”を表現しながらも,演出や対戦バランスのレベルが高く,誰にでもオススメできるFPSになっている。
 そしてTPS,Gears of Warシリーズは,マッチョで強さに説得力のある兵士達と,SF設定のシリアスなシナリオ,いつでもフレンドと楽しめるCo-opモードなどで人気を博している。
 いずれも,世界的な売り上げが500万本を超えないことはない人気シリーズであり,ゲーム・オブ・ザ・イヤーを取りまくっている素晴らしいソフト達だ。

 今回紹介するのは,Gears of Warの続編となる「Gears of War 2」だ。ゲームの基本的な情報に関しては「こちら」の記事に詳しいので,GoWシリーズのことを一切知らないという人は,ざっと目をとおしておくといいだろう。

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※本稿で使用しているムービーは,筆者のフレンド達に許可を得て撮影/掲載したものです

画像集#008のサムネイル/Xbox 360の底力を知りたいならこれを遊ぶべし。世界最高峰の映像表現とオンラインプレイの楽しさが詰まった「Gears of War 2」
 発売当時,世界中のゲーマーの度肝を抜いたGoWのグラフィックスだが,発売からしばらく経ってEpic Gamesの開発者は,「我々はまだこのハードウェア(Xbox 360)の能力のすべてを出し切っていない」と語っていた。GoW2では,Unreal Engine 3.5が用いられており,開発者がXbox 360の能力の,ほぼすべてを引き出しているといえるクオリティに仕上がっている。以下の映像を見てもらえば,美しいグラフィックスや巨大な敵,さまざまな環境での戦闘,物理エンジンの優秀さなどの一端が理解できるはずだ。


 本作はいわゆるTPS(サードパーソンシューター)で,キャラクターの後方斜め上にカメラが配置されている。この視点は主人公視点のFPSよりも,キャラクターの位置確認や状況把握が容易であり,あまり撃ち合いに慣れていない人でも遊びやすいジャンルと言えよう。チュートリアルもシナリオ内部に上手く組み込まれており,初プレイでも説明書要らずでプレイできるほどである。
 とくにグローバル展開されるアクションゲームにおいて,マニュアルの熟読を強要するようなゲームデザインでは,真の意味でのマスを相手にするのは難しい。GoWもチュートリアルが上手くシナリオに溶け込んでいたが,GoW2になってさらに違和感がなくなった。Z指定の戦争物にも関わらず,本作をこの手のゲームの初心者にもオススメできる理由の一つは,そういった親切設計にある。

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紆余曲折のカタルシス


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 GoW2は前作と比べると武器の種類が大幅に増え,使用できる乗り物も追加されている。さらに,巨大な敵と戦うシーンが増えていることもあり,2008年11月に海外で発売されてから今日に至るまで,高い評価をキープしている。ほかにも,新バージョンのエンジンによって可能になった,大軍同士の戦闘やダイナミックにもほどがある破壊表現なども,注目すべきポイントだろう。シリーズもののゲームでは,“2に名作なし”などと言われることがあるが,GoW2は間違いなく名作である。
 Z指定のゲームなので,ゴア表現にまつわる問題がついて回るが,グロをメインにしたゲームではないので,大人のXbox 360ユーザーで,未プレイの人はGoWでもGoW2でも構わないから,ぜひ一度プレイしてみてほしい。

 GoW2は2008年11月に,日本を除く多くの国で発売された。日本での発売は約半年後の2009年7月。いくら日本語関連のローカライズがほかの言語に比べると時間がかかるといっても,当時は「これは待たせすぎ」とファンに嘆かれたものだ。確かに,これほどの期待作の日本語版が半年遅れのリリースというのは,残念と言わざるをえないところだろう。

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 しかし,我々日本のユーザーには,待ったがゆえのボーナスも存在している。
 まず最初に挙げたいのが,日本語吹き替えだ。GoWでは,アジア版を購入したプレイヤーに「日本語吹き替えのためだけにもう一度買ってもいい」と言わしめたクオリティだった。個人的にもコール(登場人物)がやや気に入らないものの,下手な洋画の吹き替えよりも力が入っているし,ハマっていると思う。

 そして,ボーナスとしてありがたすぎるのがマップパック関連。海外で配信済みのダウンロードコンテンツが,日本語版ではすべて最初から利用できる状態になっているのだ。日本語版に同梱されたコンテンツは,3種類のマップパックと,カットされていたチャプター。合わせて3600マイクロソフトポイント相当になる。これらの特典を,日本語版を購入したユーザーは最初から楽しめるのだから,これは素晴らしい。

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 では内容面はどうだろうか。日本は世界的に見ても倫理規制が厳しい国だ。シリーズ元祖にあたるGoWでも,敵の切断面が黒く塗られるなどしてゴア表現が緩和されていたのだが,もともとの作品表現との乖離感は否めない。
 GoW2日本語版で間違いなく言えることは,人体が破裂しない,もしくは滅多なことでは破裂しない。海外版のGoW2ではヘッドショットで敵を倒すと頭部が破裂し,破裂音が響くようになっていた。つまり感覚的に,ヘッドショット=パコーンという破裂音,とプレイヤーは認識しているのだが,日本語版ではヘッドショットを決めても頭部が破裂しないため,当然破裂音もせず,爽快感がやや損なわれている。
 これはあくまでも一例なのだが,こういった仕様変更はいくつか存在している。頭部破壊でいえばストンプキル(敵の頭を踏み抜いて即死させる)などでも頭部破壊はされないようになっているのだが,カメラワークが元々,それほど足元に来ないこともあって,この点はほとんど気にならない。
 実際に以下の映像で確認してもらいたいのだが,海外版のあとに日本語版を見ても,それほど違和感がないのではないだろうか。



ゴールドメンバーじゃない?

あなたのGoW2はまだ本気じゃない!


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 このゲームが爆発的に売れ,そして今でも人気タイトルとして君臨している一番の理由は,個人的にはHORDEにあると思っている。もちろんグラフィックスやゲームシステム,ゲームバランス,ストーリー,オンライン対戦など,さまざまな魅力があるにしても,HORDEの面白さは異常だ。
 HORDEというのは,群れや大軍という意味を持つ単語なのだが,文字どおりプレイヤー達が,敵の群れとひたすら戦い続けるモードである。このモードでは,任意に決めたステージで,一定数の敵を倒すごとに,新たな敵の群れが出現し,それを全滅させるとさらに敵の群れが出現する……という,至ってシンプルなプレイが楽しめる。しかし,クリアを重ねるごとに敵キャラクターの数が増え,より凶悪に,より賢くなってくるのだからタチが悪い。

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 そんな,賽の河原で石を積むようなキツイ戦闘を繰り返すだけのこのモードが,どうして人気なのか? その理由は協力プレイにある。オンラインでフレンドと一緒に,この光明の見えない戦いをひたすらこなしていく。敵を各個撃破するのか,密集して互いの背中を守るのか,いかに敵の足を止めるのか……まさに戦場といえる状況下をフレンドと助け合いながら攻略するのが,HORDEの醍醐味なのだ。
 これが面白くないわけがない。どんなゲームであっても人と一緒に遊ぶほうが楽しいし,それがフレンドだったら言うことはない。加えて,一緒に遊ぶゲームが同世代のゲーム機でも最高のクオリティを持っているのだから,たまらない。
 一人ではクリアできない場面でも,5人集まれば打開できる。そんな漢の友情物語を作り出すことができるのがHORDEなのだ。これは,オンラインで友人が集まる環境があるなら絶対に遊ぶべき。シルバー会員の人も,このゲームを機にオンラインで助け合う楽しさを知るべきである。



4人のカーマイン!?


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 もしあなたがGoW2を未プレイなら,実際にプレイした人に本作の魅力を聞いてみるといい。大部分の経験者が,筆者と同じ,もしくは近いことを熱心に伝えてくるに違いない。TPSはどれも一緒だろう,と思うかもしれないが,冒頭でも述べたように,本作は確実に“別格”だ。
 ちなみに,本シリーズの登場キャラとして,カーマインという人物がいる。GoWではアンソニー・カーマインが登場し,GoW2ではベンジャミン・カーマイン,つまりA・カーマインの次にB・カーマインが登場しているわけだ。
 そしてカーマインは,作中で4兄弟であることが示唆されている。これはあくまでも推測だが,C・カーマイン(たとえばChrisとか?)やD・カーマイン(Davidとか?)がまだ登場していないことになる。EPICや世界中のファンがいかにカーマインを愛しているかを考えると,さらなる続編の可能性は多いにありそうだ。
 もしも,続編が登場するのであれば,さらなる進化を求められることは間違いなく,開発者達はその高いハードルを,苦労しながらもきっと飛び越えるに違いない。そのときにGoW/GoW2を遊び尽くしていれば,続編がリリースされたときの世界的なお祭り騒ぎに参加できる。すでに発売されているGoW,GoW2のクオリティは,世界中の多くのプレイヤーが保証している。未体験の人は,まずGoW2を入手し,共に戦場を駆け巡りつつ,3人目,4人目のカーマインの登場を待つとしよう。

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動画撮影機材:トムソン・カノープス HDRECS
動画編集用ソフト:トムソン・カノープス Edius Pro 5

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    Gears of War 2

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