連載
連載「PCゲームを持ち出そう!」。第53回はサッカーゲーム「UEFA EURO 2008」のPSP版を紹介
なお,EURO 2008 PSPは日本国内では正規に販売されていないため,入手するには,海外ゲームを取り扱う販売店で並行輸入品を購入する必要がある。
編集部で試した限りでは,本作は国内版のPSPでも動作したが,4Gamer編集部およびソニー・コンピュータエンタテインメントは国内版PSPでの動作を保証しかねるので,その点はあらかじめご了承を。また本作は海外版のソフトであり,ゲーム画面や各種メッセージ,マニュアルなどはすべて英語なので,その点にも注意してほしい。
応援しているチームで優勝を目指したり,
スペインの快進撃を再現したり,遊び方はいろいろ
今回紹介するEURO 2008 PSPは,2008年6月に本大会が行われた,ヨーロッパのサッカー最強国を決する「ユーロ2008」(欧州選手権2008)を全面的にフィーチャーしたゲーム。UEFA(欧州サッカー連盟)の正式ライセンスを獲得しており,約50の国/地域の代表チームや選手,大会の舞台となるスタジアム,予選ラウンドや決勝トーナメントのスケジュールなどを緻密に再現していることを,最大のウリの一つとしている。
4Gamerでは,PSP版の元になっている同名のPCゲームのデモ版を紹介しているので,そちらも参考にしてほしい。
さて,ユーロといえば,ワールドカップの2年後に行われている大会で,13回めとなる今回は,オーストリアとスイスの共催で開かれた。下馬評を覆したトルコ,ロシアの活躍や,1964年大会以来,実に44年ぶりとなる2回めの優勝を果たしたスペインの圧倒的な強さが印象深い大会だった。それにしても,ひと月ほどのあいだ,深夜の観戦が続いたため仕事にならなかったのは,なにを隠そうこの私です,ごめんなさい。
ついでにいうと,ユーロ2008に続き,7月に開かれたテニスのウィンブルドン選手権では,スペイン出身のラファエル・ナダル選手がロジャー・フェデラー選手と歴史的な名勝負を演じ,優勝を果たしている。スペイン勢がウィンブルドンで優勝したのは1966年のマニュエル・サンタナ選手以来42年ぶり二人めということもあり,スペインではえらい騒ぎになったらしい。
私自身,興奮のあまり,以前紹介したPSP版「Virtua Tennis 3」で二人の対戦を再現せずにはいられなくなってしまったのである。
本作は基本的に,当連載の第17回で紹介した「FIFA 08」のゲーム性を受け継いだ,アクション性の高い作りとなっている。
相手チームの選手がボールを持っている場合は,×ボタンで選手を切り替えつつ,直接ボールを奪いにいったり,相手のパスをインターセプトしたりしてディフェンスする。
逆に自分のチームの選手がボールを持っている場合は,その選手を操作し,ドリブルやパスで敵陣へとボールを運んでいく。パスをするときは,おおよその方向を入力して×ボタンを押すだけで,自動的にパスする相手とキックの方向が決まる仕組み。Lボタンとの組み合わせでパスの方向を微調整できるが,AIがなかなかよくできており,×ボタンを押すだけで,ちゃんと空いているスペースに向かってボールを出してくれるので,“巧みにパスをつないでいる感”が味わえる。相手がパスを受ける前に方向と×ボタンを入力しておけば,ダイレクトにパスがつながり,とっても気持ちが良い。
本作では,とくに「Semi-Pro」以上の難度を選択していると,ドリブルで中央突破しようとしてもそううまくはいかない。また,ボールを持っている選手に対し,ディフェンダーが一人だけで向かっていくと軽くかわされてしまい,ピンチを招くことが多い。
同時に操作できるのは選択中のプレイヤー一人だけだが,周りの選手は状況に応じてよく動き回ってくれる。仲間を信じ,パスを回してチャンスを生み出したり,ほかのディフェンダーと共にプレッシャーをかけ,パスコースをつぶしたりすることが大切だ。
このゲームで遊んでいると,「ああ,サッカーは一人で戦うものじゃないんだなあ」ということをあらためて実感できるのである。
なお,Semi-Proは下から2番めの難度だが,私はゲームの操作をひととおり思い出すまで(操作自体はFIFA 08とほとんど同じ),この難度でもなかなか勝てず,悔しい思いをしてしまった。何とか点を取ることはできても,ちょっと気を抜くとディフェンスの裏にボールを出され,あっという間に得点されるのだ(もしかして私だけ?)。最初のうちは,ぜひ一番下の「Amateur」を選び,何はともあれ本作の気持ち良さを味わうことをオススメしたいと思う。
本作のメインとなるのは,「UEFA EURO 2008」「EUROPEAN CAMPAIGN」の二つのモードだ。前者は,実際のユーロ2008の日程に沿って,予選ラウンドと決勝トーナメントに挑んでいくというものだ(予選ラウンドの省略も可能)。
予選では,決勝に進出するためにいかにポイントを稼ぐかという観点で戦いを進めることも重要。アウェイでは引き分けを狙い,守備的な布陣を敷くことも作戦のうちだし,逆に相手も,こちらのホームゲームで同点のときは,そういう戦い方をしてくるので注意すべし。また,イエローカードの累積数によっては次の試合に出場できなくなったりするので,タックルするときはそのへんも頭に置いておこう。
オブジェクティブには,「PK合戦で勝利を決めろ」「残り20分で逆転せよ」「〜〜(選手名)でゴールを決めろ」といった具合に,さまざまなものが用意されている。それぞれの国に用意されたメインオブジェクティブをクリアすることで,その国を制覇したことになるわけだ。
このモードには育成要素もあり,オブジェクティブをクリアして獲得したポイントを各選手の能力値に割り振り,スキルアップさせることができる。普段自分が応援しているチームの長所を伸ばしたり,弱点とされている部分を補強したりして,自分好みのチームに育てていこう。
EURO 2008 PSPの見どころはココ!
試合中の観客の応援歌やブーイング,選手達の動きなどがとてもよく再現されており,臨場感は満点。とくに,ゴールを決めたプレイヤーやほかの選手達が見せるアクション(コートにスライディングして平泳ぎのように手足をかいたり,シュートした選手のシューズにキスしたりする)は,とても生き生きして見応えがある。
ユーロ2008自体はすでに幕を閉じているが,EURO 2008 PSPがあればさまざまな楽しみが味わえる。
スペインの勝利を再現するもよし,惜しくも決勝進出を逃したトルコやロシアで優勝を目指すもよし。あるいはイタリアを選び,直前のワールドカップとの二冠を自分の手で実現させるのもアリだ。
自分なりにいろいろなテーマや目標を設定して遊べるゲームなので,サッカーが好きな人ならば相当やり込める作品といえるだろう。
UEFA EURO 2008
対応機種:PlayStation Portable
メーカー:Electronic Arts
発売日:2008年5月19日
価格:39.99ドル
公式サイト:http://us.euro2008game.ea.com/
- 関連タイトル:
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