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ジャンクハンター吉田のゲームシネシネ団:第26回「映画のあとはゲームで追体験せよ! ディズニー×ピクサーのメディアミックス・ゲーム再遊記(4)」
話の途中で年をまたいでしまったが,この年末年始にも好調な興行成績を記録した「ウォーリー」にちなんで,“ディズニー×ピクサー”のシネマゲームについて今回も触れていこう。前回は,Pixar Animation Studiosが映画「トイ・ストーリー」をヒットさせ,これを受けてTraveller's Talesがゲーム版を開発することになるまでのお話だったが,今回はその続きだ。
Traveller's Talesは,ゲーム内のキャラクター達の声に,映画版と同じ俳優陣を起用したいと考えていた。しかしDisneyにとっては,一日でも早くゲームを完成させることが最優先事項で,余計な予算や時間をかけたくないため,当初はこうした要望に難色を示したという。
映画公開と同時にゲームをリリースするというわけではなく,映画の大ヒットを受けてようやくゲームを作り始めたという事情から,少しでも早く世に出さなければ旬を逃してしまうと,Disneyは考えたわけである。
それでもTraveller's Talesは奮闘し,スケジュールを守ったうえで,ボイスアクターとして映画版にも出演していた故ジム・バーニー氏(アニメ映画「アトランティス」のゲーム版が遺作),ドン・リックレス氏,R・リー・アーメイ氏,ウォレス・ショーン氏らをなんとか確保。さらにウッディの声には,映画版のトム・ハンクス氏の実弟であるジム・ハンクス氏を起用した。彼らが演じたキャラクターは,ゲーム内ではさほど大きな役ではないものの,シネマゲームとしての矜持を保つには十分な効果を発揮したといえるだろう。
さらにいうと,音楽には映画版の作曲を担当したランディ・ニューマン氏も参加するなど,なかなか豪華な布陣の作品として仕上がったのである。
そんな弟の状況を案じたのか,ゲーム版トイ・ストーリーのオファーを受けたトム・ハンクス氏は,「弟は僕と声がそっくりなので,ゲームで使ってみては?」と逆に提案したという。その後もトム・ハンクス氏は,Disneyに対して弟を売り込み続け,スピンオフタイトルも含めるとかなりの数があるトイ・ストーリー関連ゲームのほとんどで,ジム・ハンクス氏がウッディの声を演じることになった。
なお,DisneyではなくWarner Bros.のフルCGアニメ映画「ポーラー・エクスプレス」(2004年公開)のゲーム版では,兄弟での共演も果たしている。
なお,ゲーム版トイ・ストーリーは,GENESIS,SNES,GameBoyの3機種で同時にリリースされた(日本ではカプコンからスーパーファミコン版のみが発売された)のだが,GameBoy版のみ,「スター・ ウォーズ」「ダイ・ハード2」「インディ・ジョーンズ」といったシネマゲームや,「ストライダー飛龍」シリーズなどの実績を持つTiertex Design Studiosが開発に加わり,Traveller's Talesに不足していた制作ラインを補っていた。
また,半年後にはPCゲーマーからの要望を受ける形で,グラフィックスをアップコンバートしたPC版もリリースされている。
これをPixarも気に入ったようで,Traveller's Talesは,「バグズ・ライフ」「トイ・ストーリー2」,トイ・ストーリーのスピンオフ作品,「ファインディング・ニモ」といったPixar作品のゲームを次々と開発。さらに同様の経緯から,Disney映画「ナルニア国物語」の第一章と第二章のゲーム開発なども手がけた。
また,Activisionからのオファーを受けて開発した「LEGO STAR WARS」が大ヒットを記録し,その続編や映画「トランスフォーマー」のゲーム版を開発するなど,同社はシネマゲームの仕事が増加していった。
さらにトランスフォーマーのゲーム化でParamount Picturesの信用を得たActivisionは,「LEGO Indiana Jones: The Original Adventures」の開発もTraveller's Talesにオファー。同時期には,Warner Bros.から「LEGO Batman」の開発も受注するなど,引く手あまたのゲームデベロッパになっていったのである。
だが,その最初のきっかけが,トイ・ストーリーであったということは,記憶にとどめておきたい。この項,まだまだ続く。
■ドブ漬けゲームスープレックス(26)
PLAYSTATION 3
「侍道3」(スパイク)
最初に正直に告白してしまうと,「侍道3」で初めて「侍道」シリーズに触れた。もちろん,このシリーズの存在は知っていたのだが,たまたま機会に恵まれなかったのだと思う。
そんなこんなで初めて遊んでみたのだが,武器を収集したり,オリジナルの武器を作れるというマニアックな要素にいきなり興味津々。ついでに,いつでも土下座ができるというシステムに爆笑。
個性的な武器が多いため,どれを選べばいいのか分からなくなりつつも,ゲームとしてはサクサクと進行するため,この手のゲームにありがちな「アクションに夢中になっていたら話が分からなくなった!」といった事態に陥らないで済むあたりが,筆者のようなオッサン中年ゲーマーにとってありがたい。ただ,空中コンボのような非現実的な浮かせ技は,ゲームの世界観と離れすぎているかなぁと。
それでも個人的にはけっこう気に入ったので,そのうちPlayStation 2でリリースされた前作や前々作も遊んでみることにしよう。
そうそう,日本には時代劇映画が山ほどあるんだから,版権を取得してこういうシステムのシネゲーを作ってくれないかなぁ。例えば,黒澤明作品とか。それこそ,「SEVEN SAMURAI 20XX」みたいな斬新過ぎる作品でなければ,幅広く受け入れられそうな気がするんだけど……。
「侍道3」公式サイト
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