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ジャンクハンター吉田のゲームシネシネ団:第9回「『スター・ウォーズ』熱が再燃! フルCG長編アニメ『スター・ウォーズ/クローン・ウォーズ』がやって来る! その(3)」
ご存じのとおり,スター・ウォーズを題材にしたゲームは,非常に数が多い。そんな中,筆者にとって一番思い入れが強いのは,ATARIがリリースした大型筐体のアーケード版なのだが,コンシューマゲームに目を移してみると「エピソードIII シスの復讐」も捨てがたい。発売当時,エレクトロニック・アーツで本作のPRを行っていたこともあり,10回以上もクリアしたものだ。
個人的な思い入れを抜きにしても,シスの復讐はスター・ウォーズゲームの最高傑作だと考えている。それはやはり,映画と同じエンディングのみならず,かなり衝撃的なアナザー・エンディングまでもが,ジョージ・ルーカス氏公認で収録されているからだ。
前述のとおり,仕事の関係もあって本作には映画公開前から触れていたのだが,クライマックスを観た瞬間にぶっ飛んだものである。
ちなみに,映画「帝国の逆襲」と「ジェダイの帰還」の中間を描いた「帝国の影」も,スター・ウォーズファンからの評価は高い。筆者は発売当時PC版で遊んでいたのだが,セーブデータにエラーが生じてしまい最後まで進められなかったという苦い思い出がある。小説やコミックを読んでゲームに備えていた分,いまだに思い出しただけでも悔しくなってしまう。
息子のボバ・フェットよりも人気のないジャンゴ・フェットを冠タイトルにした作品なので,てっきり日本語字幕だけだろうと予想していたぶん,嬉しかったものである(ジャンゴ役のテムエラ・モリソン氏のオリジナル音声がゲーム内で聴けないのが残念だったが)。それにしても,ジャンゴ・フェットを発売したエレクトロニック・アーツの,シネマゲームに対する取り組みには頭が下がる思いだ。
なお,ヨーダの次にジャンゴ・フェットが好きな筆者は,2007年にロサンゼルスで開催されたイベント,「STAR WARS CELEBRATION IV」に参加し,会場でテムエラ・モリソン氏からこのゲームの話を聞いている。これは拙著,「ゲームになった映画たち」(三才ブックス)に収録しようとしていたネタだったのだが,誌面のスペースの都合上,お蔵入りという結果に……。せっかくの機会なので,ここにその模様を掲載しておこう。
「エピソードII」制作開始前から「ジャンゴ・フェット」のゲーム化は決まっていた
ジャンゴ・フェットのファンなので,お会いできて光栄です!
なんでも,「スター・ウォーズ エピソードII/クローンの攻撃」で,ジョージ・ルーカス氏はジャンゴ・フェットというキャラクターをお気に入りだったそうですね。ジャンゴ・フェットのゲーム化も,そのあたりが理由なんですか?
テムエラ・モリソン氏(以下,テムエラ氏):
実は今だから言えるんですが,映画のプリプロダクションでキャスティングされた時点から,ジョージ氏にゲーム化の話を聞いていたんです。「キミは映画ではボバ・フェットの父親を演じるのだが,この父親がボバやクローン兵士達の遺伝子の元になっている。私はその重要な父親をビデオゲームで主役に置き,スピンオフの物語を展開させたいのでぜひ協力してほしい。なんせ私は,この重要な新キャラクターを大変気に入っているからね」とジョージ氏にお願いされたら,断る理由はないでしょう(笑)。ゲームの仕事は未経験だったんですが,CGで描かれた自分の分身に声で命を与えるのは面白かったですよ!
J:
そういえば,「スター・ウォーズ リパブリック コマンド」というゲームでも,テムエラさんは音声を担当していましたよね?
テムエラ氏:
ええ。リパブリック コマンドはエピソードIIの後の時期を描いた作品で,私はクローン兵士の一小隊で隊長役を演じました。これもジョージ氏に直接頼まれたものだったので,断る理由なんてありませんでしたよ。
ジャンゴ・フェットというキャラクターのみならず,テムエラ氏のこともお気に入りなんですね。
テムエラ氏:
そうかもしれないですね(笑)。リパブリック コマンドというゲーム自体はよくあるFPSですが,ゲームオリジナルのフィギュアが発売されたりもしています。ファンには「エピソードII」の続編のように思ってもらっているようで,人気は高いようですね。でも,ジャンゴ・フェットのような三人称視点のゲームのほうが,オッサンになってしまった私には遊びやすかったです。ザム役の女優も映画と同じというように,随所にこだわりがちりばめられているのも,ポイントですね。
J:
そんなジャンゴ・フェットのムービーは,ILMが制作したんですよね。
テムエラ氏:
エピソードIIの映画に携わっていたスタッフが,並行して担当していたはずです。映画とゲームが,ほとんど同時進行で作られていたんですよ。
J:
そんなスタッフの苦労があって,こういった作品が生まれたんですね。
個人的には,スレイヴ1を入手するエピソードや,息子のボバを自分のクローンで作らせた理由など,映画で描かれなかったお話がゲームの中で明かされたのにびっくりしました。
テムエラ氏:
私はジャンゴとザムの出会いや,映画ではあまり活躍せずに死んでいったザムが,ジャンゴのパートナーとして活躍する場面に感銘を受けました。そうそう,ジョージ氏は,「スタッフには1本の映画のつもりで作らせるから,当然CG映像はILMに作らせる。物語もしっかり練り込んでいるので,完成したら君も確実に喜んでくれるだろう」とも言っていましたね。
J:
確かにしっかりした脚本でしたね。ドゥークー伯爵やダース・ティラナスのこざかしさなど,スター・ウォーズの世界観が好きであれば確実にニヤリとさせられますし。ただ残念ながら,日本で発売されたゲームソフトは,日本語吹き替えになっていまして,テムエラさんのオリジナル音声が収録されていないんです。
テムエラ氏:
ほぅ,それは困りました(笑)。でも,日本で発売されているだけでも嬉しいですよ。スター・ウォーズゲームはアメリカだけでしか発売されないのも多いって聞いていますし。
J:
日本にもスター・ウォーズのファンはけっこういるんですけどねぇ。
テムエラ氏:
そうみたいですね。私もよく,ファンが集まるサイン会などに呼ばれて,日本へはよく行くんですよ。食事は美味しいし最高ですね! 実は空手をやっていたこともあるので,ジャパニーズ・マーシャルアーツにも興味があって,日本=空手というイメージを勝手に抱いているんです(笑)。
J:
そうなんですか! ではまた,日本にいらしたときにお目にかかれることを楽しみにしています。
と,こんな具合に映画制作の初期段階から,ゲームでスピンオフ作品を作ることが決まっていたということを明かしてくれたテムエラ氏。ジョージ・ルーカス監督が,映画だけでなくゲームでもスター・ウォーズユニバースを広げていこうという意志を持っていることが,よく分かるエピソードではないだろうか。
ドブ漬けGAMEスープレックス(9)
Xbox360
「スケート」(エレクトロニック・アーツ)
全然期待していなかったゲームのはずが。
これまで筆者は,アクティビジョンがリリースしているトニー・ホークのスケボーゲームばかりをやってきたため,しょせんは二番煎じだろうと高をくくっていた。しかしプレイを開始して1時間足らずで見事に本作のトリコに。トニー・ホークのゲームで大苦戦していた各種トリックだって,スケートでは気持ちよく出せるのが嬉しい。
この直感的な操作方法を説明するのは非常に難しいので,一人でも多くの人にぜひ触れていただきたいのだが,オンラインモードで遊んでみても,日本人の姿はほとんど見かけないっていうのは,やっぱり……。
海外では,本作のWii版「Skate It」が近く発売されるようだ。バランスWiiボードでプレイできるようなので,日本でも発売されたら「Wii Fit」の購入を検討しよう。太った中年男がWii Fitを買おうとすると,店員から「ああ,この人はダイエットするんだなぁ」なんて思われそうなものだが,Skate Itを同時にレジへ差し出せば,「スケボーが好きなんだなぁ」と思ってもらえる……はず。
「スケート」公式サイト
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スター・ウォーズ リパブリック コマンド
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