お部屋の中で気軽にダイエット。「みんなのフィットネス」体験レポート

　平日は仕事に学業に追われているので，たまの休みぐらいゴロゴロするか，じっくり好きなゲームに取り組みたい，と思っている全国の4Gamer読者の中には，運動不足で上へではなく，前後左右への著しい体の成長にお悩みの方もいらっしゃるのではなかろうか？　それなりの料金を支払ってまでフィットネスクラブに通うつもりはないが，誰かに健康管理をしてほしい。そんな人にぴったりなサービス，「みんなのフィットネス」を今回は紹介しよう。
　Gクラスタ・グローバルが4月15日よりサービスを開始したみんなのフィットネスは，PCおよびインターネット環境さえあれば，アメリカで話題になっている（らしい）エクササイズソフト「Yourself! Fitness」の日本語版サービスを，無料で利用できるというもの。好きな時間に自宅で，しかもユーザー個別のデータに合わせた内容のエクササイズプログラムを受けられるという，願ったりかなったりのサービスなのだ。

身長/体重の記入時に見栄をはらないこと

まずはそれが大事

　みんなのフィットネスの各種サービス利用には会員登録が必要だが，「Yahoo! JAPAN ID」と連携しているので，同IDを持っていればすぐにログインできる。ただし，本来の目的であるエクササイズに参加するためには，やっぱり身長，体重，年齢，生活強度（普段どれだけ動いているか）といった基本情報を登録しなければいけない。登録後は一般的なSNSに似た「マイページ」が表示され「エクササイズグラフ」や「12星座占い」などが確認できるが，とりあえず「START」ボタンを押して「Yourself! Fitnessを体験しよう。

　みんなのフィットネスとエクササイズソフトのYourself! Fitnessとは連携してないため，パーソナルトレーナー「Maya」からプロフィール登録を再度要求され，身長や体重などの入力が二度手間になるのは少々わずらわしく感じた。また，所持している運動器具の種類の申告や1週間のエクササイズ予定表を決めたりと，かなり細かいところまで質問され時間もかかるが，無理な運動は健康どころか，命に関わる問題でもあるので，心拍数や体重，年齢といった数値はごまかさないようにしよう。
　ちなみに一般的なSNSの場合，ユーザーの年齢や日記，写真に対して「友人まで」「非公開」といった公開レベルの制限が用意されているが，みんなのフィットネスの場合これに加えて身長と体重も（本人が望むなら）公開できる。デフォルトでは「全体に公開」に設定されているので，その点女性はとくにお気をつけあれ。

この女性が今後ずっと指導についてくれる，パーソナルトレーナーのMaya。男女の性別や顔のタイプが選べればいいのに，と思ってしまうのは，MMORPGのやりすぎかもしれない。生年月日，性別，身長，体重のほか，心拍計を持っていれば平常時と運動後の心拍数も入力できる

パーソナルトレーナー「Maya」に励まされつつカロリー消費

　各種登録作業を済ませて「START」ボタンを押すと，別途Yourself! Fitnessのウィンドウが開いてMaya先生が登場。登録情報に基づいて，彼女がおすすめメニューを★印で教えてくれる。ヨガからストレッチまで基本の6コースに分かれ，ユーザー個別のデータに合わせて提供されるプログラムは，500通り以上の組み合わせが用意されている。次にBGMのジャンルと使いたい運動器具，運動時間（15分〜最大75分）背景グラフィックスを選び，「確定」ボタンを押せばいよいよエクササイズ開始だ。
　あとはMayaの動きに合わせて，制限時間いっぱいまでエクササイズを楽しむだけ。30分以上のメニューになると，途中で「調子はどうですか？」と質問される。答えによっては残り時間のエクササイズ内容に多少変更があるようだ。きつい動きになると，こちらのヘタリ具合を見ているかのように，Mayaから「もうちょっと頑張って！」「いいですね，その調子ですよ」といった合いの手が入るところは，まるで米軍の新兵訓練をベースとした某エクササイズ用DVDに通じるものがある。あちらはMayaじゃなくてビリーさんですけど。

和室，ビルの屋上，プールサイドなどを背景にお手本を見せてくれるMaya。「Go　Go!」と言われたときには，誰にも見られていないのに妙な気恥ずかしさを覚えた

　エクササイズの結果は日別，週別に実施時間や消費カロリー合計値が自動的に計算され，グラフで分かりやすく表示される。また，エクササイズを10回ごとに腹筋，スクワット，柔軟といった基礎体力チェックを行い，自分の成長度合いを容易に確認できるところも嬉しい。
　至れり尽くせりに見えるみんなのフィットネスだが，サービス開始から間もないこともあり，まだまだ改善すべき点は多いように思える。とくに，同サービス最大のウリであるYourself! Fitnessだが，まず画面がとにかく小さくて見づらいのだ。デスクトップPCにせよノートPCにせよ，体からある程度距離をおくわけだが（離さなかったら危ない），上半身を鍛えるプログラム中には，いったん動きを止めないと画面を確認できないことも多かった。全画面表示も可能だが，解像度が低いため画面が粗く見えてしまい，あまり積極的に使いたいものでもない。好きに選択できるBGMも，エクササイズメニューと違って曲目が少ないのも残念だ。Yourself! Fitness自体は他社のソフトウェアゆえに，機能拡張は難しいかもしれないが，ユーザーがPCに保管している好きな音楽データを使ってエクササイズできればよかった。
　また，普通のご家庭ではパソコン用デスクの前に跳んだりはねたりエクササイズしたりするスペースがあるとは限らないわけで……いまどき無線LANを導入していない筆者は，壁と机の間にあるわずかな空間で激しく運動するという，いささか情けない状況になってしまった。

カロリー低めのレシピも入手できるSNS機能

　みんなのフィットネスにはYourself! Fitnessのほかにも，日記やコミュニティ，フォトアルバムなど，SNSとして機能が一通り用意されている。基本的に健康管理に気を使うユーザーが多いだけあって，レシピを扱うコミュニティではキャベツや豆もやし，こんにゃくなど，安くてどこでも手に入る素材を使った，カロリー控えめの料理が紹介されていた。
　みんなのフィットネスの利用目的は，ダイエットだったり筋力アップだったりと人それぞれだが，いずれにせよ短期間では結果が見えづらく，途中でくじけやすいもの。好きなジョギング場所を教えあったり，今日の食事をフォトアルバムに載せたりなど，コミュニティでの情報交換を通じて横のつながりを構築できれば，本サービスの利用価値は一気に高まりそうだ。

結局，痩せられたのか……？

　「リビングでフィットネス」をキャッチコピーに掲げる「Wii Fit」が大ヒットしたのは記憶に新しいが，興味はあるけれどそのためだけにゲーム機を買うのは躊躇してしまうという人も少なくないだろう。そんなPCユーザーでも，「みんなのフィットネス」であれば無料で気軽に試せてしまう。忙しくて月額料金を払うフィットネスクラブには通えないけれど，健康は気になるというあなたは，とりあえず体験してみてはどうだろうか。
　なお，本サービスを仕事半分，ダイエット気分半分で（約1週間ほど）試した筆者は，めでたく500グラム減量に成功した。元の体重が何キロだったかなどという，野暮な質問はなしにしてほしいが，何はともあれ継続は力なりということで，少なくともあと500グラム減るまでは，頑張って本サービスを続けてみようと思う。