プレイレポート
単なる三国志ではない。戦闘を極めていく新感覚のMMORPG「SEKIHEKI」
シーアンドシーメディアのサービスする完美時空のタイトルも4作目ということで,すでに完美時空の芸風をだいたい把握している人も多いことと思うが,SEKIHEKIは,これまでのゲームとは少し異質なプレイ感覚のゲームとなっている。
もちろん,マップクリックでの自動移動などの基本システムを受け継いでいたり,クエストを受けるとお馴染みのウィンドウが出てきたりと,変わらない部分もあるのだが,完全に異なるのが戦闘部分である。
集団戦でも個人スキルを重視した独特な戦闘システム
一人のキャラが使える武器は2種類。18種の武器の中から選択した2種の武器を,切り換えながら戦闘を行う。武器を切り換えると,登録していたスキルのショートカットも変更されるので,それぞれの武器をフルに生かした戦闘が可能だ。
そして戦闘は独自のターゲッティング方式となる。これは単一の敵にターゲットを置きつつも,攻撃すれば必ず当たるとは限らないシステムとなっている。それぞれの武器には間合いの距離と有効角度が設定されており,その範囲内にターゲットがいない場合には攻撃は外れる。また,その範囲内にほかの敵キャラがいても,ターゲットしていなければ攻撃は当たらない(範囲攻撃を除く)。
マウスやTABキーでターゲッティングは行えるのだが,攻撃しても別にターゲットのほうを向くわけではない。ちゃんと敵の方向を向いていないと当たらないのだ。
もっとも気になっていた点,すなわち当たり判定がどの時点で発生するのかを確認したところ,ほぼ武器のモーションに同期して当たり判定が発生するとのこと。完美世界や誅仙では,スキルのモーションが終わる前にモンスターがばたばた倒れていたりすることもあったので心配していたのだが,そのあたりはまったく別の処理系になっているようだ。ほぼ,武器の動きのまま,当たり判定が出てくる。
一応,後ずさりするよりバックジャンプのほうが移動速度が速かったような気がするので,バックジャンプによる回避自体はアリなのかもしれない。
ではジャンプにあまり意味がないかというとそうでもない。ジャンプを組み合わせた動きで,相手を飛び越してターゲット範囲から外れるなど,対人戦で重要になってくるという。GMによる模擬戦では,飛び越しざまに半ひねりを入れて,背後から急襲するテクニックを見せてもらった(めくり技みたいなものか)。キャラクター同士の当たり判定はないので,別にジャンプしなくても後ろに回れるのだが,地面を走っていたのでは移動直後に敵の背後を向いた状態にはできない。
また,武器によっては「防御」スキルが使用できる。防御態勢では完全に攻撃を避けることはできないものの,受けるダメージは1/10程度と,非常に効果的である。防御スキルを使うと,その態勢で固まり,タイマー時間内はダメージを大きく減らすことができる。移動操作などで防御をキャンセルできるので,デカい技がきそうなときはタイミングをあわせて防御を行い,反撃につなげるというのが基本だろう。ただし,防御も瞬時に入るわけではなく,キャンセル動作から攻撃につなぐにも技術が必要になりそうだ。
SEKIHEKIでの対戦の模様を見ていると,後ろの取り合いが非常にスピーディで,基本的に殴り合うことが前提の格闘ゲームとも,より速く撃ち合うFPSとも違ったゲーム性だ。
キャラクターの武器や装備,レベルといったものよりも,まずプレイヤースキルが問われるという点では,アクション性の高い面白そうなゲームとなっている。
最近ではアクションゲームに近い操作性を持ったRPGもかなり出てきつつあるのだが,「狙わないと当たらない」&「要ターゲッティング」というシステムは珍しい。
ターゲットなしで当たるシステムでは,結局,集団戦で流れ弾的な攻撃を喰らったり,というか大半それで削られるため,プレイヤースキルどころの話ではなくなるのだが,ターゲットが必要であれば混戦でもプレイヤーの腕が生かされてくる可能性がある(まあ,範囲攻撃はどうしようもないのだが)。
ちょっと変わったシステムではあるが,集団戦をどのように実装するのがよいかについて,かなり考え抜かれたシステムであるように思われる。
実は,SEKIHEKIの開発チームは,ほかとはちょっと構成が変わっているそうで,欧米から参加した開発者を迎えてシステム作りが行われているという。確かに,これまでとはまったく違う発想のターゲットシステムと攻撃範囲の限定などが,ゲーム性に大きな影響を与えており,SEKIHEKIを普通のMMORPGとはプレイ感覚の異なるゲームとしている。
独自のターゲットシステムの影響か,操作系も普通のMMORPGとはちょっと異なる部分があるので注意が必要だ。攻撃などのアクションはマウスの右クリックで行われる。最初はちょっと違和感のある人もいると思うので,少し慣れが必要だ。
キーボードでの基本移動は,W/A/S/Dキーだ。スペースキーでジャンプ。A/Dで左右の旋回,Q/Eは横走りとなる。キーボードでの旋回速度は遅く,ターゲットに対応しづらいと思われるので,キャラクターの方向切り換えは,右クリック+マウス移動が中心となるだろう。左クリック+マウス移動では,キャラクターの向きを変えずに視点を変更できる。場合によって使い分けが有効だ。
キャラ作りの要:武器の選択
間合いが広く強力な武器は攻撃速度が遅く,連続した攻撃は苦手である。間合いの狭い武器は攻撃速度が速く,特殊効果を持っているものもある。
攻撃を行っていると,闘気ゲージが溜まり,超必殺技的な特殊スキルを使えるようになるのだが,武器によってゲージの溜まりやすさなどに違いがある。特殊スキルは魅力的なものが多いので,この点も重要だ。
試用したキャラが持っていた棍の特殊スキルである全方位攻撃はなかなか気に入ったのだが,通常ダメージはさほど大きくない。しかし360°全方向の攻撃ができるのは棍だけである。剣の特殊スキルとなる間合を一気に詰める技も便利そうだ。槍などを使っていれば,重装甲を着れるパッシブスキルが手に入る。爪のスキルを使えば姿を消して敵に接近でき,弓の特殊スキルでは走っている状態で攻撃ができる。すべての武器を見たわけではないが,ほかの武器もそれぞれ魅力があるのだろう。……実に悩ましい。
対人戦を重視するか,対人戦でも1対1を重視するか,集団戦を重視するかでいろいろ変わってくる。一つでもかなり個性的な武器が多いのに,二つの組み合わせである。
メインとサブの武器をほかのものに変更することはできるのだが,武器の変更には,クエストで入手しなければならないアイテムが必要とかで,手軽に変えるのは無理なようだ。また,それぞれの武器を使い込むことで取得できるスキルには,その武器限定のものと,武器を選ばず有効になるものがある。
武器の組み合わせには,まったく制限がない。ほかのMMORPGではありえないような,魔法をバシバシ使って重装甲なんてのも不可能ではない。
少し注意が必要なのは,武器を選ぶことにより,基礎体力なども変化することだ。長モノ系の武器を選ぶと基本体力がかなり伸び,遠距離系の弓や近距離武器でも爪などでは体力は少なめになる。
とくにクラス分けはないゲームなのだが,武器の組み合わせによって,必然的に役割は変わってくる。初期状態では開放されないようだが,杖などを使えば魔法職,扇を使えば回復職になれる。
テスト時にもらった資料からCBTで出てきそうな6種類の武器について軽く説明しておこう。
・長刀
攻撃力と追加HPが大きく,重鎧を装備できるようになるなどタンク向き。クリティカル性能は低い。仲間の攻撃力を増強させるスキルもある。
長刀は「なぎなた」とも読むのだが,日本の長刀とはちょっと雰囲気が違う |
攻撃範囲は広めで攻撃力も大きい |
・棍
攻撃力は低めだが,多段ヒットするスキルがある。攻撃範囲が極めて広い。追加HPは大きめ。
ステキな攻撃範囲を持つ棍 |
360°どころか1080°くらいの攻撃スキル。しかも連続使用で回りっぱなし |
・剣
攻撃力はさほど高くないが攻撃速度は速めで,クリティカル性能が高い。攻撃範囲は狭い。追加HPはほどほど。間合いを一気に詰めるスキルがある。
きわめてオーソドックスな武器。片手剣だが,盾などは持てない |
接近戦主体で攻撃範囲が狭いので上級向き? |
・手斧
攻撃力,攻撃範囲,攻撃速度,追加HPともそこそこ。相手の防御を崩すスキルや,相手の防御力を下げるスキルがある。闘気を溜めやすい。
虎を真っ二つ……バランス的にはかなり使いやすそうな武器だ |
そこそこ広範囲に対応できるが,間合いが短いのが難 |
・弓
当然ながら遠隔からの攻撃に優れる。追加HPは少なく,攻撃力はかなり高い。走りながら使えるスキルや,貫通力のある攻撃も可能。
弓は遠距離攻撃の定番 |
弓のスキル。矢というよりは槍? |
・環
攻撃力は弱めだが,攻撃速度が速く,範囲攻撃なども備えている。瞬時に移動しながら攻撃するスキルなど,トリッキーな攻撃が行える。
一見,投げて使う武器のような気もするのだが,近接戦用だ |
混戦で威力を発揮しそうな範囲攻撃もある |
集団戦気分の戦場系クエスト
防衛側のNPCには,中ボス級の武将もおり,一般兵とは桁違いの強さを誇っている。目的は,拠点を制圧して兵糧を確保することなので,必ずしも相手にしなくてもいいのだが,倒すとそれなりのご褒美が期待できる。ミッションのクリアに最重点を置きつつ,余裕があったらぜひ倒しておきたい。
ざっと試してミッションは失敗。かなり歯応えがあり,機動力とチームワークが要求されるクエストだ。比較的短時間で集団戦ぽい雰囲気を味わうこともできる。
この手のミッションは,三国志の故事に基づいたものがいくつも用意されるということで,場合によっては歴史を覆す成果を挙げられるかもしれない。
もちろん,中原の覇をかけた大規模戦闘も
初期展開時は未実装のため国戦の確認はできなかったが,実装を待ちながら対人戦の腕を磨いておいてほしい。
かなりプレイヤースキルを要求されそうなゲームなのは確かなのだが,実は,対人戦以外の部分で普通にモンスターを倒している限りでは,一般のMMORPGとそう違いはない。とんでもない方向を向いていない限りは,普通に攻撃をすると,たいてい攻撃範囲に敵がいるので,位置取りにそんなに気を遣わなくてもゲームを進めることができる。まあ,そのうち戦闘中に動き回るようなモンスターも出てくるのかもしれないが……。
対人戦ではかなり特殊な動きが必要とされてくるだろう。先ほど挙げためくり技やマウスと横移動を駆使して,常に敵の方向を向きつつ,弧を描いて回り込むようなマニューバなど,PvPでは腕を競う名勝負が期待できそうである。
ただ,これが集団戦だといったいどんな騒ぎになるのかというのはちょっと想像が難しい。キャラクターの個性が非常に激しくなりそうなので,チーム戦だとまた違ったプレイヤースキルやチームワークが要求されてくるだろう。
キャラクターのカスタマイズと武器の組み合わせにあった戦術の開発など,単体戦でのやり込み要素がかなり大きいことに加え,チームを組んでの対抗戦,さらに攻城戦や最終的なところでは,国と国の大規模戦闘に至る果てしない段階の戦闘要素が含まれている。
これからクローズドβテストなどが行われていくことになるのだろうが,普通に遊んでいると普通のゲームとあまり差はない雰囲気なので,ちょっともったいない。ぜひテスターになった人には対人戦を積極的に試してみていただきたいと思う。
5月14日まで! クローズドβテスターに応募する
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