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  • 発表日:2008/06/04
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GIGABYTEのゲーマー&OCer向けマザーボード「GA-EP45-EXTREME」は,どこまでゲームに向くか?
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印刷2008/10/02 11:46

テストレポート

GIGABYTEのゲーマー&OCer向けマザーボード「GA-EP45-EXTREME」は,どこまでゲームに向くか?

 2008年10月1日をもって,再び「GIGABYTE TECHNOLOGY」の一部門となったGIGABYTE UNITED(関連記事)。そんな同社が持つ豊富なマザーボード製品ラインナップの中で,「ゲーマー&オーバークロッカ−向け」と,明確に位置づけられているのが,今回紹介する「GA-EP45-EXTREME」だ。

GA-EP45-EXTREME
メーカー:GIGABYTE TECHNOLOGY(旧称 GIGABYTE UNITED)
問い合わせ先:マスタードシード(販売代理店)
実勢価格:3万5000円前後(2008年10月1日現在)
画像集#002のサムネイル/GIGABYTEのゲーマー&OCer向けマザーボード「GA-EP45-EXTREME」は,どこまでゲームに向くか?

 製品型番からも想像が付くとおり,搭載するチップセットは「Intel P45 Express」(以下,P45)で,サウスブリッジとしてはICH10Rが組み合わされる。対応CPUは,Coreマイクロアーキテクチャを採用したCPU,つまりはConroeコアのCore 2シリーズ以降となるため,(今さらそう多くはないと思うが)Pentium D/4などを流用しようと思っているなら,注意が必要かもしれない。


拡張スロットを占有する大型ヒートシンクが

冷却性能をアピール


 さて,ゲーマーとオーバークロッカ−向けが謳われていることもあって,サポートされる動作クロックは,チップセットの規定値を上回っている。例えばP45のFSBサポートとメモリサポートは順に1333MHz,DDR2-1066までだが,GA-EP45-EXTREMEは同1600MHz,DDR2-1200だ。まあ,このあたりは,ハイエンド指向のP45マザーボードなら当たり前のスペックであり,驚くには値しない。GA-EP45-EXTREMEが持つ最大の特徴は,過剰なまでに演出されたチップセット&VRM(VRD)冷却機構であろう。

 GA-EP45-EXTREMEで採用されているのは,液冷&空冷両対応の「Hybrid Silent-Pipe」。ノースブリッジとサウスブリッジ,VRM部を3本のヒートパイプで結び,さらにノースブリッジ部には液冷対応のコネクタが用意されている……というのは,端的に述べて珍しくもなんともないが,GA-EP45-EXTREMEの場合,これに「Hybrid Silent-Pipe Module Kit」(以下,Module Kit)という,巨大なパッシブ冷却ユニットを後付けできるのが,大きな特徴となっている。

 製品ボックスに標準で付属するModule Kitは,ノースブリッジ部のヒートシンクにネジ留めすることで利用可能。そのフィン部分のサイズは170(W)×75(D)×17(H)mm,重量はヒートパイプ込みで274g(※いずれも実測)で,要するに大きくて重いのだが,その重量を支えるため,PCケース側の拡張スロットを一つ“潰し”て,そこにもネジ留めするようになっている。このとき,ノースブリッジに最も近いPCI Express x1スロットは利用できなくなる仕様だ。

VRM部からノースブリッジ,そしてサウスブリッジがヒートパイプでつながっているHybrid Silent-Pipe。接触面は熱伝導シートだった。1スロットを消費するかたちで,付属の大型ヒートシンクModule Kitを接続できるのが,大きな特徴だ
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Module Kitは拡張スロットを1スロット消費する大型ヒートシンクと,ノースブリッジのヒートシンクにねじ止めする接続部分を,ヒートパイプでつなぐ形状になっている
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CPUへの電源供給はVRM 12フェーズ(左)。さらにノースブリッジ(中央)およびメモリ(右)への電源供給もそれぞれVRM 2フェーズとなっている
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CPUのためにVRMを12フェーズも搭載したため,電源回路のMOSFETがマザーボードの裏面にも実装されている(左,中央)。右はBIOS用のフラッシュメモリ。8Mbit容量のものが2チップ搭載されており,DualBIOS仕様であることが分かる
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サウンドのデジタル出力端子とUSB端子の間に空間があり,ここにVRM部から伸びた放熱フィンが収まっている。I/Oインターフェイス側にCMOSクリアスイッチがあるのは,最近のGIGABYTE製マザーボードに多く見られる方式だ。また,リセットスイッチ,電源スイッチ,POSTエラー表示用7セグメントLEDなどが基板上に準備されているのもハイエンドマザーボードらしい点。これらはPCI Express x8スロットの邪魔にならないように配置されている
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PCI Express x16スロットが3基装備されるが,その接続レーン数はノースブリッジに近いほうからx16,x8,x4。ATI CrossFireX構成時はx16とx8のスロットにグラフィックスカードを差すと,PCI Expressスイッチが自動的に両スロットをx8に設定する。なお,ノースブリッジに一番近いPCI Express x1スロットはx4スロットと1レーン分を共有しているので,x4スロットとは排他利用。そのため,Module Kitを取り付けても,利用できる拡張スロットの数が減るわけではない
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LANコントローラとHD Audio CODECはRealtek Semiconductor製(順にRTL8111C,ALC889A)を採用している。Parallel ATAコントローラはITE Tech製のIT8213を搭載。右の写真でIT8213の隣にあるのはPCI Express x4とx8のスロットだ。スロットのサイズはx16と同じだが,それぞれのスロットで必要な分しか端子が接続されていない(写真の下側のスロットがx8スロットで上がx4スロット)
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使える? 使えない?

Dynamic Energy Saver Advanced


 GA-EP45-EXTREMEが持つもう一つの特徴が,CPUのVRMフェーズ数を制御することで省電力化を図る機能,「Dynamic Energy Saver Advanced」(以下DES Advanced)だ。最近のGIGABYTE製マザーボードの多くに搭載されているので,聞き憶えのある読者も少なくないだろう。

 まず前提として,VRMのフェーズ数が多ければ多いほど,供給される電源の安定性は高くなるが,電力のロスも多くなる。そして,Core 2ファミリーのCPUを駆動させるのに必要なVRMフェーズ数は,一般に4程度と言われている。

 これに対して,GA-EP45-EXTREMEは(先ほど写真の説明で語っているように)12フェーズ仕様。これだけあれば,ゲームなどで高い負荷がかかっても安定した電力を供給できるが,負荷のかかっていないときには,その大規模な回路がムダになってしまう。そこで,負荷のかかり具合に応じて,8フェーズの使用率を動的に変更することにより,消費電力を最適化(=消費電力の低減)を図ろうというのが,DES Advancedの考え方だ。
 下に示したとおり,同機能を有効化したときは,「いま何フェーズ使われているか」を目で確認できる。

DES Advancedを有効にすると動作しているVRMのフェーズ数に応じてマザーボード上のLEDが点灯するという凝ったギミック。左から右の写真に行くに従って動作VRM数が増加しているということだ
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 さらに電力消費を抑えるため,GA-EP45-EXTREMEに搭載されるDES Advancedは,VRMフェーズ数を抑えるほかにも省電力のための機能を備えている。CPU電圧の引き下げ幅を3段階から選べる「3-Level CPU Voltage Switch」(以下DES CPU VS)と,CPU負荷が高い状態でもクロックをある程度落とす「Dynamic CPU Frequency Function」(以下DES CPU FF)がそうだ。
 なお,これらの機能は「Enhanced Intel SpeedStep Technology」(拡張版Intel SpeedStepテクノロジ,以下,EIST)を拡張するかたちで実現しているので,利用するには,BIOSからEISTを有効にしておく必要がある。

 「BIOSからEISTを有効」と聞くと,BIOSレベルの機能と思うかもしれないが,実際の省電力制御は,Windows上で動作する制御ソフト「DES Advanced」を用いることになる。機能名とアプリケーション名が同じため,以後本稿では便宜的に,後者を「DES制御ソフト」と呼ぶが,このDES制御ソフトはDES Advancedの起動スイッチとして機能する。つまり,ユーザーがDES Advanced機能を利用する場合は,EISTを有効化したうえで,DES制御ソフトを起動する必要があるということだ。

DES制御ソフト
画像集#029のサムネイル/GIGABYTEのゲーマー&OCer向けマザーボード「GA-EP45-EXTREME」は,どこまでゲームに向くか?

上のスクリーンショットに(1)〜(4)の番号を振ったが,これらはそれぞれ,

  • (1)DES制御ソフトを起動した状態でDES Advancedの有効/無効を切り替えるスイッチ
  • (2)DES CPU VSの設定項目。電圧設定を3段階から選べる。「1」が標準で,「2」「3」と数が大きくなるにつれ,省電力に振られる
  • (3)DES CPU FFの設定項目。通常のEIST有効時だと,一定負荷がかかった場合,CPUの動作クロックはすぐ規定に戻るが,このスイッチを有効化した状態では,負荷がある程度かかった状態でも,CPUの負荷変動に応じてクロックを落とすようになる
  • (4)「ステルスモード」への移行ボタン

である。(4)のステルスモードは初出だが,これは,DES制御ソフトを終了しつつ,DES Advancedの一部機能をBIOSレベル(=ハードウェアレベル)で有効化したままにしておく機能。DES制御ソフトを有効化しておくと,その分のリソースが必要となり,ゲームパフォーマンスによくない影響を与えることが容易に想像できるが,このステルスモードでは,それを回避できる可能性があるというわけだ。ステルスモードだと,DES制御は完全に“お任せ”で,エンドユーザーが設定したりはできないが,そのデキが,ゲーマーにとってのDES Advancedの価値を決めることになりそうである。

 なお,ここまで読み進めてくれた読者には説明するまでもないが,オーバークロックを前提としたとき,「消費電力を抑えるため,動的に動作クロックを下げる」機能であるDES Advancedは足枷にしかならない。マニュアルにも「オーバークロック動作時はDES Advanced制御ソフトを起動するべからず」という主旨の注意書きがある。
 GA-EP45-EXTREMEの日本語紹介ページには,「DES Advancedにより,オーバークロック動作時も安定動作が見込める」とあるが,これは和訳か何かのミスだろう。


DES Advancedは

パフォーマンスに影響を及ぼすか?


 DES Advancedがどんな機能かを確認したところで,設定によってどの程度パフォーマンスに影響が出るのかをチェックしてみよう。DES Advancedの設定は以下の4パターンとし,ベンチマークには「3DMark06 Build 1.1.0」(以下,3DMark06)を使用してパフォーマンスを計測した。

  1. DES無効 :DES Advancedを無効にした状態
  2. DES有効A:DES Advancedを有効にし,DES CPU VSの設定を3に,DES CPU FFを有効にした,最も省電力に振った状態
  3. DES有効B:DES Advancedを有効にし,DES CPU VSの設定を1に,DES CPU FFを無効にした状態(DES Advancedコントロールのデフォルト)
  4. DES有効C:DES Advancedを有効にし,ステルスモード(ハードウェア自動制御)にした状態

 使用した機材は表の通り。

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 結果はグラフ1のようになった。ソフトウェアで省電力機能を制御するDES有効AおよびDES有効Bでは,省電力機能を使わないDES無効と比較して,スコアに“グラフィックスカード1ランク分”くらいの差が出ており,ゲームをプレイするに当たってDES Advancedがマイナスの影響をもたらしているのが見て取れる。一方,ハードウェア制御となるステルスモード(=DES有効C)では,DES無効と比較してもあまりパフォーマンスが落ちていない。
 また,DES有効AとDES有効Bでも微妙に結果が違っている。DES有効Aのほうが理論的にはパフォーマンスが落ちるはずなのだが,高解像度時にはなぜかDES有効AのほうがDES有効Bよりもパフォーマンスがやや上,という結果となった。とはいえ,どちらの場合でもパフォーマンスの低下が避けられないことに変わりはない。

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 ところで,DES Advancedに関して,一つ気になることがあった。実は本稿用のテストで使用したマザーボードは2枚めである。1枚めのマザーボードは試用中に再起動したとき,電源を入れてもCPUファンが一瞬回るだけで起動せず,再起動を繰り返す症状が発生したからだ。このときは単に初期不良なのだと思い,貸し出してもらったマスタードシードに交換を依頼したのだが,2枚めのマザーボードは,最初に電源を入れたときから同様の症状に見舞われたのである。
 この症状は電源ユニットとの相性かとも考え,350W前後から1000W程度までの容量の製品で5種類ほどで試したが,どれでも結果は同じ。そのため電源との相性というのは考えにくい。
 いろいろ情報を収集してみると,どうやら,DES Advancedのせいで起動時に動作するVRMのフェーズ数が抑えられ,CPUが正常動作に必要な電力を安定して供給できず,再起動を繰り返すことがある“らしい”という情報を見つけた。

 ということはつまり,12Vラインの電源供給に余裕があれば起動できるのではないか。そんな推測のもと,先ほどで示したサイズ製の電源ユニットを分解し,内部の調整ツマミで12Vラインの電圧を上げるという荒技を試みたが,果たして,2枚めのGA-EP45-EXTREMEは無事起動するようになった次第だ。
 もちろん,「もしユーザーの持つ個体が同じ症状になった場合,これで直る」と断じるつもりはない。そもそも,電源ユニットを分解するのはメーカー保証外であり,電圧を引き上げるというのは,マザーボードだけでなくほかのデバイスにも影響を与える行為で,最悪の場合は,発火の危険すらある。今回はあくまで検証のために行ったのであり,読者に勧めるものではない,万が一本稿のマネをしたことで大事件になったとしても,GIGABYTE TECHNOLOGY,マスタードシードはもちろん,筆者,4Gamer編集部も責任を負わないので,くれぐれもご注意を。

 なお,正常に起動したあとに電源ユニットの電圧を元に戻し,その後の電源のオン/オフ,および以降の一連のテストの実行において,今のところ同じトラブルは発生していないことを明記しておきたい。
 正常に動作するようになった原因は不明だが,あくまで推測の範囲であることをお断りしつつ書き進めるなら,正常起動したことでDES Advancedに関する何らかの設定が行われ,それで正常に電力が供給できるようになったのではなかろうか。

 したがって,もしも同じ症状に見舞われた場合,第一にユーザーがとるべき対策は,購入した店舗に持ち込んで相談することだ。そこで動作チェックを行い,正常に起動することが確認できたならば,その時点で上記のように正常に起動できる状態になった可能性がある。
 また,電源に不安があれば,そこで正常に動作した電源を店員に聞いて,それと同じものを購入するという手段もある。とにかく,トラブルが発生したときは購入した店舗に相談することがベストだ。

 いずれにせよ,電源周りは比較的シビアとはいえる。「12V出力が大きい電源ユニットなど,起動時の電力供給を十分に行える製品を選べばいい」と言うのは簡単だが,GA-EP45-EXTREMEが電源を“選ぶ”マザーボードであることは,記憶に留めておくべきだろう。


高負荷での安定度は問題なし

DES Advancedの省電力効果は少なめ


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メモリチップの測定部位
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VRMヒートシンクの測定部位
 というわけで,続いてはマザーボードの安定性を見てみよう。テストは,CPUとGPUの両方にそれぞれ適当な負荷をかけ続け,ハングアップしたりエラーを起こしたりしないかを確認する,という方法で行った。
 CPU負荷に用いたのは,「Prime95」(Version 25.6 build 6)から「Run a Torture Test」のブレンドモード。GPUにも同時に負荷をかけるために3DMark06の「Game Test 1」,「Game Test 2」,そしてFeature Testにある「Pixel Shader」の三つのテストを無限ループモードで実行している。

 また,テスト中の各所の温度と消費電力も計測している。温度については,「HWMonitor」(Version 1.10)でCPU,GPU,HDDを計測し,さらに外付けの温度センサーを利用してVRMヒートシンクとメモリチップを計測した。消費電力データは,ログ取得の可能なワットチェッカー「Watts up? PRO」を利用して取得している。

 テストに当たっては,まずアイドル状態で30分放置した状態を「アイドル30分経過時」,Prime95と3DMark06の同時実行を4時間行い,2時間経過時と4時間経過時を,それぞれ「ストレステスト2時間経過時」「ストレステスト4時間経過時」とした。

 測定条件は,BIOSでEISTを有効にし,Windows上の電源管理においても省電力機能を有効にしてある。そのうえで,パフォーマンステスト時の設定から以下3つの条件を計測した。

  1. DES無効
  2. DES有効A
  3. DES有効C

 DES Advancedを有効にした設定を,DES有効AのほかにDES有効Cも計測している。これはステルスモード(DES有効C)のハードウェア制御でどれだけ省電力を実現できるかを確認するためだ。

 なお,どの設定でもテスト中にハングアップやエラー発生などの異常は起こらなかった。

 さて,測定した温度を測定場所ごとに見ていこう。グラフ2はCPU温度の変化を見たものだ。DES Advancedが動作クロック制御を行う以上,差が明確に出ると予想していたが,そのとおりの結果になった。DES有効AとDES有効Cで温度に違いがないのは興味深い。

画像集#034のサムネイル/GIGABYTEのゲーマー&OCer向けマザーボード「GA-EP45-EXTREME」は,どこまでゲームに向くか?

 GPUとHDDの温度は,当然のことながらマザーボード側が持つ省電力機能の影響が及ばないが,実際,影響はないようだ(グラフ3,4)。DES Advancedの有効/無効で,スコアに差はなかった。

画像集#035のサムネイル/GIGABYTEのゲーマー&OCer向けマザーボード「GA-EP45-EXTREME」は,どこまでゲームに向くか?
画像集#036のサムネイル/GIGABYTEのゲーマー&OCer向けマザーボード「GA-EP45-EXTREME」は,どこまでゲームに向くか?

 続いては,外付けのデジタル温度センサーを用いて計測した,VRMおよびメモリモジュールの温度を見てみよう。結果はグラフ5,6にまとめたとおりだが,おおざっぱにまとめるなら,DES Advancedを有効化することで,無効化時よりも3℃ほど下がっている。
 動作するVRMの数が異なる以上,VRM部の温度が下がるのは納得だが,メモリモジュールの温度にも影響が出ているのは面白い。VRMなど,メモリモジュール周辺の温度が影響している可能性はあるだろう。

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 各部の温度だけでなく消費電力にも差が出ており,ストレステスト4時間経過時のデータで比較すると17Wの差となった(グラフ7)。また,アイドル30分経過時の消費電力にはほとんど差がなく,省電力効果があるのは高負荷時のみということになりそうだ。
 また,注目したいのは,DES有効Cの省電力効果が,DES有効Aほどではないこと。パフォーマンスへのインパクトが少ない分,省電力効果も低い,というわけである。

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魅力的な冷却機構を持つが

DES Advancedはゲームでは不要


製品ボックス
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 まとめよう。

 特徴の一つである冷却能力は,ストレステストにおいてVRMヒートシンク温度をかなり低めに抑えることを見ても分かるように,ハイエンドマザーボードにふさわしい実力を持っている。これはModule KitをはじめとするHybrid Silent-Pipeのおかげといえるだろうが,この機構のために3万5000円前後の投資を行うには,やや勇気がいるというのが偽らざる感想だ。

 安定性については,正常に起動すれば文句はないものの,2枚のマザーボードで発生した,「再起動を繰り返す『再起動病』」はさすがに印象が悪く,手放しで褒めるには至らない。
 もちろん筆者が手にしたマザーボードがたまたま2枚連続してそういう個体だったという可能性もある。しかし,再起動を繰り返す症状が現れ,それがDES Advancedに起因するものであるという情報が,インターネット上の掲示板やエンドユーザーの個人blogに掲載されていることを考えると,比較的多く発生している現象と考えるべきだろう。
 つまり,正常動作すれば安定しているが,その環境を構築するために電源との相性などに悩まされる可能性が高いのだ。言ってしまえば,初期トラブルの発生やその解決に手間取ることが考えられるなど,導入時のハードルが高いということでもある。

 もうひとつのウリであるDES Adavencedも,ゲーマー視点でみるとパフォーマンスを落とすだけの存在だ。ゲームをプレイするときはオフにするべきで,ゲーマー向けの機能とは言い難い。
 それでもパフォーマンスの低下が少なく,わずかではあるが消費電力と発熱を抑えることができるステルスモードであれば,利用できる局面はあるかもしれない。例えば,考察時間が長く,CPUのアイドル時間が存在するストラテジーなどをプレイするような場合には,消費電力と発熱を抑えることができると思われる。

 というわけで,ウリとなるポイントをチェックすると,冷却性能など,安定動作させるための機能は十分だ。しかし,ゲームプレイに当たってマイナスの効果を及ぼす機能がある点はいただけない。
 これらを総合すると,GA-EP45-EXTREMEのゲーマーにとっての価値は60点くらいだと思うのだが,いかがだろうか。
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