レビュー
ガンブレードと魔法で戦う薄着の彼女がやってきた
Xブレード 日本語版
» 最近,コンシューマ機版だけ日本語版というタイトルが多い中,イーフロンティアが発売した「Xブレード 日本語版」は,釘宮理恵さんがアユミの声を担当する完全日本語版だ。そんな本作を,英語版,コンシューマ機版とアユミ三昧のUHAUHA氏がレビューした。
ロシア生まれのアユミが
ガンブレード振り回して大暴れ
露出度の高い衣装で世界中の男性を虜にしたような気がするアニメ風ヒロイン,「アユミ」が,両手に持つ巨大なガンブレード(剣と銃が一体となった武器)を振り回して敵をなぎ倒していくアクションゲーム,「Xブレード 日本語版」がイーフロンティアから本日(5月1日)発売された。開発したのはロシアのGaijin Entertainmentというソフトハウスで,会社名もなかなかすごいが,彼の地のソフトハウスが日本顔負けのジャパニーズテイストあふれたゲームを作っちゃったということにまず驚かされる。
もともとは,「Oni Blade」という名前で制作されていたが,北米での発売にあたって名称変更が行われたようだ。鬼だもんね。
最近ではコンシューマ機版がまず発売され,忘れた頃にPC版が登場。しかもローカライズされていなくて残念に思うことが多いが,本作はユービーアイソフトから発売されたコンシューマ機版(Xbox 360/PLAYSTATION 3)とほぼ同時にPC版もリリースされ(正確には一日遅れ),しかもコンシューマ機版と同様に完全日本語版吹き替え。主人公のアユミの声を釘宮理恵さんが担当してるところもばっちり同じ仕様なので安心しよう。
しかもPC版は「解像度」「ウィンドウ/フルスクリーンモードの選択」「画質の調整」そして,アンチエリアシングやHDRなど細かく設定可能になっており,使用しているPCの環境に合わせてカスタマイズできるのだ。つまり,ハイエンドPCなら,より美しい画面でアユミのセクシーコスチューム姿を堪能できるのである。うっしっし。
というわけで,そんなアユミの姿をムービーで撮影して下に掲載したので,ぜひ確認してほしい。まあ,ムービーシーンなので,PCでもコンシューマ機で変わらないんですけどね。
はるかな昔,世界は強大な力を持った善の神である「光の者」と,悪の神である「闇の者」に支配されていた。光の者は世界を破滅させようとする闇の者をようやくオーブに封じ込めたが,パワーバランスの変化が地上に災いをもたらすことを恐れ,彼は自らの力をもオーブに封印し,かくして光と闇の強大な力を持つ二つの秘宝が誕生したのである。
失われていた地図を手に入れたトレジャーハンターのアユミは戦いの末,ようやく秘宝にたどりつき,触れてはならないそれへ手を伸ばすのだった……。
と,こんな感じのストーリーが用意されており,あんまり深く考えずに直感で行動するアユミがうっかり触ったせいで闇の者の封印が解かれ,それをなんとかするための冒険が始まるというわけだ。若い子が,なんでもかんでも触るんじゃありません!
戦闘を華麗に彩る派手な魔法
ソウルを集めてアユミを成長させよう
アユミの操作には,前後左右移動(カーソルキーまたはW/A/S/Dキー),視点操作(マウス),ジャンプ(Spaceバー),走る(Shiftキー),ブレード攻撃(左マウスボタン),銃攻撃(右マウスボタン),レイジをためる(Fキー),射撃モード(1〜4キー),スキル(Q/E/Z/Cキー)とかなり多くのキーを利用する。複数のキーをテンポよく押したり,素早いボタン操作が必要なシーンもあるので,やはりキーボード+マウスより,Xbox 360コントローラなどのゲームパッドのほうが操作しやすいと思うが,このへんは好きずきである。
本作は,出現する敵をブレード,銃,そして魔法を使ってバッサバッサとなぎ倒していくアクションゲームだ。基本的にメインストーリーに沿って一本道で物語が展開していくが,エンディングは複数用意されている。
ゲームの舞台となる広大なフィールドはステージごとに区切られており,出てくる敵をすべて倒すと次のステージへと進める仕組み(前のステージに戻ることもできる)。
攻撃はブレードを振り回して近くにいる複数の敵を攻撃する「ブレード攻撃」,一度に複数の敵は攻撃できないものの,離れた敵に有効な「銃攻撃」,そして素早く攻撃をかわしたり,魔法で敵を攻撃する「スキル」の三種類を使い分けることになる。この手のアクションゲームでは,複雑なコマンド入力によって派手でスタイリッシュなコンビネーション(コンボ)が繰り出せるタイプが多いが,本作にはそういったコンボは用意されておらず,せいぜい攻撃やジャンプのあとにタイミング良くボタンを押すことで繰り出せる強力なフィニッシュ技ぐらいだ。
ステージの合間に随所に日本語吹き替えムービーシーンが挿入されるのだが,一度見たムービーはあとで何度も見直せる |
アユミを助けて行動を共にするようになったトレジャーハンターのジェイ(CV:日野聡氏)。彼もストーリー上,重要な役割を担う |
離れた敵を攻撃できる銃攻撃は四つのモードに切り替え可能。アップグレードすればさらに強力な遠距離武器になる |
コンボはないが,ブレード攻撃や二段ジャンプからのフィニッシュ技が用意されている。とはいえ,使い勝手はあまりよくない |
新たな敵が登場するとモンスター情報が更新される。魔法が効かない敵やボスが倒せないときはモンスター情報で弱点をチェックしよう |
ステージで見逃した破壊可能なオブジェクトや,集めたソウルストーン,秘宝,倒した敵の数などの詳細をまとめて見られて便利である |
筆者はスキルをメインに使って戦うことが多かったが,スキルによって繰り出せる魔法には瞬間移動で敵の攻撃を避けるテレポートのほか,アースクエイク,アイスアロー,ファイアーボール,ライトニングブレード,ライトフォーム,ダークボールなど,地,水,火,雷,光,闇の属性を持つものが大量に登場して華やかだ。魔法にはそれぞれ,ターゲットに向かって魔法を放つ射出魔法,銃攻撃に魔法属性を付けられる付与魔法,アユミの周囲に影響を与える範囲魔法の三つの魔法タイプがある。敵に効果的にダメージを与えられる属性とタイプを考えながら戦っていくのがポイントだ。
次々にザコキャラを放出しながら攻撃してくる巨大なボスキャラも登場する。必ず弱点があるので,そこを突くように戦おう |
レッド,グリーン,イエロー,オレンジ,ブルーのクリスタルを破壊すると,それぞれのカラーごとに異なる効果が得られる |
ダメージを受けずにブレード攻撃を当て続けるとヒットボーナスで大量のソウルが手に入る。魔法で凍らせて斬るのがオススメ |
キーボードを使う場合,スキルは所定のキーに自由に割り当てられるので,使いたい魔法を使いやすいように配置できる。状況に応じて頻繁にスキルを入れ替えることになるだろうが,どのスキルがどのキーに割り当てられているのかは,ゲーム画面左下のパレットに表示され,ここでは同時に属性や魔法タイプも分かるので使い勝手がいい。
上述のように,かなりの数の魔法が登場するのだが,すべての魔法を最初から使えるわけではない。敵を倒したり,破壊可能なオブジェクトを壊すと現れる光の玉――ソウルを溜めて交換(購入)していくことになる。必要なソウル数はスキルごとに決められており,効果の高いスキルほど多くのソウルが必要になるのはお約束。
ちなみに射撃モードのアップグレードと回復系アイテムもソウルで交換できる。また,ストーリーが進むにつれて交換のために要求されるソウル数も増加するので,ソウル集めにも奮闘しなければならないだろう。
一度クリアしたステージは何度でも繰り返しプレイできるため,ソウルを手に入れやすいステージがあれば,繰り返し挑戦してソウルを稼ごう。もっとも,ちょっと気にしてプレイするだけで格段に多くのソウルを手に入れられるはず。
実はダメージを受けずにブレード攻撃を連続して当て続けることで,通常よりも多くのソウルが手に入るのだ。ヒット数によりボーナス倍率が増えるので,銃攻撃やスキルを使ってダメージを受けないようにしつつ,ブレード攻撃を当てて行くだけで,一度に笑ってしまうほどのソウルが手に入るのだ。わははは。
ゲームそのものはいささか大味だが
手軽に遊べる爽快アクション
ゲームの難度はイージー,ノーマル,ハードの三段階で,敵から受けるダメージの違い,体力ゲージ回復率などは異なるものの,ハードだからといって基本的な戦い方に大きな違いはない。ぶっちゃけ,一度エンディングを見ると上位レベルの難度「プロ」が選択可能になるのだが,結局,イージーからプロのどの難度でも同じような戦い方になってしまうのが少し気になった。
ゲームは三人称視点で,常にアユミが中心となる。移動は非常にスピーディーだが,アユミが向かう方向に自動的にカメラが移動せず,自分で視点を切り替えなければならない。慣れるまでは方向感覚を失いやすい |
というのも,三種類の攻撃方法を組み合わせるようなコンボは用意されていないし,ブレード攻撃によりレイジがチャージされてスキルを利用できるというシステムのため,ブレード攻撃→スキルによる魔法攻撃という流れが最後まで続いてしまうのだ。
敵によって効果のある魔法の属性が決まっているのだが,攻撃してダメージを与えられなければ“このスキルは違う”とすぐに分かるし,プレイ中にいつでも見られるモンスター情報でも敵の弱点が(ある程度)分かるようになっており,どうやって倒していいのか分からずに苦労したのはボスキャラの一部だけなのだ。
ステージによってはザコキャラが次から次へと大量に出現したり,ボスステージで何十分もブレード攻撃→スキル攻撃を繰り返すというシーンもあり,とくにゲーム後半では,えんえんと似たような攻撃を繰り返すハメにもなりがち。
たしかに魔法を発動したときなど,派手めの発動エフェクトとともにカメラアングルが大胆に切り替わったりして格好いいのだが,同じシーンを何十回も見せられるのはちょっと辛い。そういった流れがステージごとに繰り返され,時間帯の変化は付けられているもののステージの使い回しも多いだけに,人によっては作業的に感じてしまうだろう。
ゲーム中,視点は自由に変えられるのだが,アユミの移動はプレイヤーの視点に依存している。手前に移動すると画面内のアユミはこちらを向いて進み始めるが,この状態で手前側を見るようにカメラを回すと,画面上の彼女はUターンして元の位置に向かって走ってしまうのだ。これでは自分の位置を見失いやすく,慣れるまでやや時間がかかった。
視点操作後に前後移動を切り替えると,ほんのわずかとはいえ無操作状態になるため,このときにダメージを受けてしまうことも多かった。がっくし。
敵に囲まれても即死することはなく,誰でも手軽にバッサバッサと敵をなぎ倒していける爽快感が得られるはずだ |
射出魔法も銃攻撃と同様,敵をロックオンしながら魔法を放てるため,障害物などに遮られなければ必ずヒットする楽チンぶりだ |
ちょっと厳しい意見を並べてしまったが,アクションゲームとしてみる限り,ゲームバランスの調整不足や単調さから,やや大味になっているようだ。アニメ風のセクシーな衣装のアユミが大暴れするロシア製ゲームとしてインパクトは強いのだが,ゲーム自体は一昔前のアクションゲームをプレイしている感覚である。
おそらく,敵の攻撃をガードして切りかえしたり,微妙な駆け引きが必要になるシビアなアクションゲームを求める人がプレイすると不満を覚えるだろう。
だが,逆にいえばアクション部分において“つまる”部分はほとんどなく,ガンブレードを振り回し,魔法で敵を蹴散らす爽快感は得られるので,気軽にプレイできるタイトルを求めている人は試してみるといいだろう。ジャパニーズアニメテイスト満載のグラフィックス,そしてアクション部分で非常に好みの分かれるゲームだと思うので,アユミが気になって夜も眠れないという人は,まずは4Gamerに掲載した体験版(英語版だけど)をプレイしてみよう。
「X-Blade」体験版
- 関連タイトル:
Xブレード 日本語版
- この記事のURL:
キーワード
(C)2005-2008 by Gaijin Entertainment Inc., VA, USA.(C)2005-2008 by ZUXXEZ Entertainment AG, Germany.X-Blades is a registered trademark of Zuxxez Entertainment AG, all other logos are trademarks of their respective owners.