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[GDC2008#07]ゲーム開発現場にもっと女性を。Sony Online Entertainmentが女性開発者の支援を発表
この奨学金は,2008年4月1日の時点で対象となる学校(北米にあるThe Art Institutesという団体の加盟校)に在籍し,5月31日までに申し込みを行った学生の中から選別される。申し込みには,エッセイ2点と,ゲームのデザイン,コンセプトアートの提出が必要だ。なお,当選者はSOEのスタッフによって決定される。
最近はカジュアルのみならずMMO,FPSなど,女性もさまざまなゲームをプレイするようになったが,ゲーム開発に携わっている女性はまだ少ない。開発者を目指す女性自体も少なく,ゲーム開発は女性にとって開かれた職業とは言いにくい。
そんな状況を好転させるための第一歩として,この制度が企画されて立ち上げられたという背景が,SOEでVice President of Global Sales & Marketingを務めるTorrie Dorrell氏によって説明された。
アンケートによると61%の女子学生が,ゲーム開発の現場は男性に支配されているため,女性が業界に入りづらいと感じているという。業界に入れたとしても事務職や広報といった仕事を任されることが多く,実際に開発の現場に立つことは少ないと考えているようだ。とはいえ,彼女達はゲーム業界に入り,開発に携わりたいという強い願望を持っているという結果も出ており,この制度を実現させた要因の一つに,このアンケート結果を挙げていた。
会場には実際にSOEで働いている女性が5人来ており(Dorrell氏とSimmons氏を含めると7名),彼女達がゲームに最初に出会ったときの印象などを順番に語っていた。ちなみに,この制度を発起したSOEでも,開発現場で働いている女性の割合はまだまだ少ないという。現場での男女比を平均化するためにも,現在進行形でゲーム開発者を目指す女子学生を支援する制度を立ち上げたというわけだ。
女性開発者が増えることが,ゲーム業界や消費者に対してどのように影響するのかは未知数だ。とはいえ,男女雇用の問題にゲーム業界が正面から取り組み,「ゲームを作りたい」と考える女性がゲーム開発に参加するうえでの障害が一つずつ取り除かれていくことは,ゲーム業界の未来へとつながる活動だろう。
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