インタビュー
ブラウザで遊べるフル3D MMORPGが日本上陸。カルチャライズ内容にも注目の「Earth Eternal」開発者インタビュー
スクリーンショットを見ても分かるとおり,Earth Eternalは,世界で最も多くの人にプレイされているMMORPG「World of Warcraft」(以下,WoW)の影響を色濃く受けている。Mihaly氏曰く,外見だけでなく,戦闘システムやインスタンスダンジョンなど,WoWでできることのほぼすべてがEarth Eternalで体験可能となっているとのこと。
WoWとの最も大きな違いはブラウザ上で動作することだが,ほかにも料金体系にマイクロトランザクション(アイテム課金)制を採用している点が挙げられる。プレイヤーは,ゲーム中に登場するアイテムや生産素材の大半を──なんとスキルポイントに至るまで!──有料ポイントで購入することができる。ただし日本では,市場の状況を踏まえて,購入できるものに変更が加えられる可能性もあるようだ。
「現状,ほとんどのファンタジーMMORPGには,ヒューマンやドワーフが登場します。しかし,弊社はまだ小さい会社ですから,一つでも多くのオリジナリティを出して目立ちたいと考えたのです。ただ,プレイヤーから強い要望があれば,もちろんヒューマンなども検討しますよ」(Mihaly氏)
実際,北米をはじめとするサブカルチャーサイドから,各種キャラクターのグッズを出してほしいという要望や,「もっとフサフサした毛皮のキャラクターを出してほしい」「もっと動物達をセクシーにしてほしい」といった,数多くのリクエストが寄せられているという。
なお日本での展開にあたっては,Sankandoからの要望により,プレイヤーキャラクターのグラフィックスが一新される。より人間らしい外観にするのか,それとも種族自体を変えるのかといった詳細については,追って発表される予定だ。
プレイヤー独自の豊富かつ自由なカスタマイズが可能
ゲームにも影響を与える「GROVES」とは?
「GROVESはプレイヤー各自に与えられるスペースで,3Dグラフィックスで表現され,川や島,谷などを置いてカスタマイズできます。もちろん,ビルなどの建物を建てることもできますし,畑を耕したりもできます。MMORPGで,ここまで豊富かつ自由にカスタマイズできるシステムは,今までにないといえるでしょう」(Mihaly氏)
GROVESは,ゲーム内通貨やゲーム内で入手できる素材のほか,有料ポイントで購入した素材を使ってカスタマイズしていく。地形や建物,あるいはクリーチャーは,マウスクリックのみで簡単に作り出せる。またGROVESは個人単位だけでなく,ギルド単位で所有し,メンバーで協力しながらカスタマイズすることも可能だ。
「Earth Eternalの開発において,最も注力しているのは世界観をダイナミックに表現することです。そのためにGROVESシステムを企画・開発しましたが,その場で自分自身の世界を作れるようにするには,現段階ではまだまだ十分とはいえません。GROVESシステムをより良いものにするため,実装は2010年内予定としているのです」(Mihaly氏)
なおGROVESシステムは,UGC的な面も持っており,将来的にはプレイヤーが作ったダンジョンやミッションを置くこともできるようになる。また他人のGROVESに侵食し,影響を与えるようなシステムも企画しているとのこと。
ネットブックでの動作を目標に要求スペックを改善
日本のプレイヤーからの反応にも期待
「その点は,重々承知しています。だからこそ,まだ各国でオープンβテストの段階なんですよ。必要なPCスペックを下げてから正式サービスに移行しようと,現在,弊社のリードプログラマーが改善作業をしています」(Mihaly氏)
Sankandoによれば,ゆくゆくはネットブックで十分な動作ができるところまで,要求スペックを下げたいという。またSankandoは,SparkPlayの技術的な部分に関して絶大な信頼を置いており,それを日本でも認知させるべく,プロモーションやローカライズ/カルチャライズに注力していくとのことだ。「FLORENSIA ♯」「M2〜神甲綺譚〜」というMMORPGを蘇らせている最中のSankandoだが,ブラウザで遊べる洋モノMMORPGをどのように日本で展開していくのか,今後もその動向に注目していきたい。
それでは最後に,Mihaly氏からメッセージをいただいたので,掲載しよう。
「私達は日本のゲームカルチャーに詳しくないので,Sankandoさんの協力のもとに日本での展開を行っていきます。
ゲームについては,まずキャラクターとカスタマイズの幅を楽しんでください。とくにGROVESシステムに対するリアクションを期待しています。また日本のプレイヤーは,非常にユニークな特性を持っていると聞いています。プレイヤーとのさまざまなインタラクションを通じて,日本のゲームカルチャーに則したゲームに仕上げていきたいと考えています。」(Mihaly氏)
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