レビュー
パズル的な“国産”MOアクションRPG「エレメンタルタワーズ」のクローズドβテストプレイレポート
“魔方陣”を展開して戦う,純国産のMOアクションRPGが登場
本稿では,発表とほぼ同時期の2月上旬から中旬にかけて行われた,クローズドβテストの模様をお伝えしながら,ゲームの大まかな内容を紹介していこう。
エレメンタルタワーズは,さまざまな“塔”(=エレメンタルタワー)を登るという設定の,MOアクションRPGだ。各フロアに待ち受けるモンスターや仕掛けなどを攻略し,1フロアずつ塔を登っていくという,ステージクリア型のゲーム進行となっている。
塔の攻略を途中で中断して拠点へ引き返すことも可能で,拠点にてキャラクターを成長させたり,アバターアイテムを着飾らせたり,さらにはペットを育成したりと,なかなか幅広い遊び方ができる。
具体的には,魔方陣を展開した場所にモンスターが来ると,ダメージを与えられるという仕組み。魔方陣には,時限爆弾式のものや,弱ったモンスターを捕獲するものなど,いくつかのタイプがある。魔法使いという設定ではあるが,攻撃魔法でモンスターに直接ダメージを与えるのではなく,いわば“トラップ”を設置するイメージと理解して間違いはないだろう。
さて,実際に魔方陣を使いモンスターと戦ってみるとき,なかなか頭を使わされるのも本作の特徴だ。というのも,このゲームは魔方陣を展開できる場所が,自分の「目の前の」ブロックのみとなっている。しかも,その場での方向転換が行えないという仕様だ。
そのため,例えばモンスターの近くに魔方陣を展開するために向きを変えようとした場合,1マス分接近してしまうことが多く,結果的に危険性がぐっと増してしまうのだ。
ここで必要な工夫は,モンスターへ真っ直ぐ向かうのではなく,とりあえずは障害物などを利用して,迂回するように接近するというもの。そのうえで,モンスターに気付かれる前に魔方陣を展開し,あらためてその場所へモンスターをおびき寄せる必要があるというわけだ。
魔方陣を展開するには3秒程度の詠唱時間を要し,また一度展開した魔方陣は10数秒で消失してしまう。そのため,あてずっぽうに魔方陣を展開しても,実際にはほとんど意味がない。モンスターが訪れる場所を先読みして魔方陣を展開したり,展開した魔方陣の場所へモンスターをおびき寄せたりといった戦略が求められるわけである。
属性の違いに注目しつつ,「塔」を登っていこう
プレイヤーキャラクターが扱う魔方陣や登場するモンスター,そして地形は,これら各属性にちなんでいる。そして“炎と闇”“水と風”“氷と土”の属性はお互いに反発し合っているのだ。
そのため,例えば水属性のモンスターに対し風属性の魔方陣を使うことで,より大きなダメージを与えられる。さらに地形の属性効果も掛け合わせれば,普通に戦うよりも大幅に攻略しやすくなる。属性の相性によっては,自分よりもレベルの高いモンスターとも対等に渡り合えるのが,なかなか痛快である。
また,精霊については,拠点エリアで“守護精霊”と期間契約を結び,属性効果をパワーアップしてもらうことも可能。こういった守護精霊や,装備する防具や魔方陣の呪文書などにより,自分のキャラクターにとって得意な属性が導き出される。これを武器に,エレメンタルタワーの頂点を目指し駆け上がっていくというわけだ。
実際にプレイした印象では,1種類の属性に特化したキャラクターだと,フロアに登場するモンスターとの相性がキマると絶大な効果を発揮できるが,逆に相性が悪く苦戦を強いられるケースも増える。2〜3種類の属性がそこそこ使えるように,バランス良くキャラクターを調整するのがコツだと感じられた。
モンスターにタッチすると詳細情報が左上に表示される。左にいる“エディクル”は土属性なので,できれば氷属性の魔方陣で挑みたい |
同じフロアでも,場所によって地形の属性が違う。画面は炎属性の地形にモンスターをおびき寄せ,同じく炎属性の魔方陣を仕掛けようというシーン |
守護精霊と契約を結ぶことで,自身の属性効果を促進できる。精霊との友好関係によっては,より大きな恩恵を得ることも可能だ |
・ビギナーズタワー
いわゆるチュートリアル的な内容のタワー。本作のユニークな操作方法や,魔方陣の使い方を始めとしたノウハウを,一つずつ覚えられる。ビギナーズタワーは全部で10フロアがあり,これを一通りクリアできる頃には,次に紹介するエレメンタルタワーにデビューできる実力が得られるだろう。
・エレメンタルタワー
ゲーム本編のメインとなるタワー。各フロアには,「モンスターを全滅させろ」「特定の色のクリスタルを*個集めろ」などといった目的が示されている。これらの目的をクリアしたら,次のフロアへ進めるという仕組みだ。ちなみに中断して拠点に引き返し,あとで続きを攻略することも可能だ。
・ミッションタワー
ほかのタワーでのプレイ中,まれに獲得できる「Mクリスタル」を消費することで,入場できるタワー。内部構成はエレメンタルタワーに比較的近いが,クリア時にはミッションタワーならではのボーナスアイテムが得られる。
・トレーニングタワー
ほかのプレイヤーキャラクターとの対人戦(PvP)が行えるタワー。勝敗結果に応じて,ゲーム内通貨であるクリスタルエナジー(CE)が増減していく。この量はキャラクターの勝敗レートによって変化するので,仮に弱いPCばかりと戦っていても大きなCEは得られない。
ゲーム中の操作方法についても触れておこう。本作は,ダンジョンの攻略部分はキーボードでの操作がメインとなっている。キャラクターの移動はカーソルキー,画面の左右回転は“Z / X”キー,そして魔法やアイテムはファンクションキー(または“S / D”キー)で選択し,詠唱(アイテムを使用)は“C”キーといった具合だ。ちなみにダンジョン以外の準備画面では,マウスによって操作を行う。
個人的にはキーボード操作で問題なくプレイできたが,人によっては画面の左右回転を左手で行うのに,若干の慣れが必要かもしれない。
本作のチュートリアルはなかなか分かりやすい。キャラクターのパラメータの種類が意外と多いタイトルなので,しっかりと目を通しておこう |
エレメンタルタワーの攻略では,通貨となるCEやさまざまなアイテムを獲得できる。これらをゲットしてキャラクターを成長させていこう |
画面の拡大/縮小が行えないのは,人によっては戸惑うかもしれない。CBT段階ということもあり,操作やUI関連はこれからといった印象 |
ペット育成やギャルゲー(?)的な展開も期待できそうなタイトル
塔での攻略中に,モンスターに対し“捕獲”用の魔方陣を使うことで,ペットにすることが可能だ。ただしモンスターの生命力によって捕獲時の成功率が変化し,生命力が低いほど捕獲しやすい。したがって,自分がダメージを与えられないような,極端に強力なモンスターをペットにすることは事実上不可能。「ポケットモンスター」などの,ペット系タイトルのシステムをイメージしてもらえば良いだろう。
ペットにしたモンスターは塔でのプレイ時に召喚し,共に戦うことができる。さらには,経験値を獲得してレベルアップさせたり,モンスタールームにてクラスチェンジさせたりといったことも可能だ。
ファンタジー系のアクションRPGと聞くと,剣や魔法でバッサバッサとなぎ倒すタイトルをイメージするかもしれないが,本作はもうすこし落ち着いた感じの,どちらかというとパズルゲームに近い雰囲気である。それでいてアバターを着飾ったり,ペットを育成したり,さらには守護精霊の好感度を上げるギャルゲー的な要素もあったりと,なかなか盛りだくさんな内容という印象だ。
カジュアル向けのタイトルであるにも関わらず,塔での操作方法がキーボード主体なのは,若干,人を選ぶような気もするが,このあたりの調整は,今後に期待したいところだ。
純国産のタイトルということで新たに興味を持った読者も,オープンβテストの告知を始めとした今後の情報公開を楽しみに待っていてほしい。
ステージによって,ダメージ床や霧で視界が悪くなったりといった仕掛けがある。見た目はコミカルだが様々なシチュエーションが用意されている |
オープンβテストなどのサービススケジュールは,現時点では未定だが,間もなく発表される模様だ |
■「エレメンタルタワーズ」 http://www.eletawa.jp/
- 関連タイトル:
エレメンタルタワーズ
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