インタビュー
PS4版も発売される次世代MMO「Kingdom Under Fire II」のCEOインタビューを掲載。最大1万体ものキャラクターを処理する“BLUESIDE ENGINE”の実力を見よ
本作は次世代型のシミュレーションRPGとして制作されており,ゲーム映像を見ればその“凄さ”はすぐに理解してもらえるだろう。いわゆる“無双”系のアクション性が数千人の戦場規模で展開されており,さらにRTSの戦略性も備えている。おそらく,多くのゲームデザイナーが夢見た形態ではないだろうか。それが最先端のビジュアルで実行されるのだから,まさに“次世代”を先取りしていると言えるモノだろう。
BLUESIDEは,この圧倒的なゲーム内容を自社開発エンジンで実現している。対応プラットフォームとしてPlayStation 4が発表されていることもあり,今後さらに注目を集めていくことになるだろう。
今回は,本作制作の陣頭指揮を執るBLUESIDEのCEO,Sejung Kim氏に,KUF2開発の近況を聞いたので詳しく紹介してみたい。群集バトルを中心に収録したプレイムービーも計4本掲載しているので,本作に注目している人はお見逃しなく。
アクションRPG,MMORPG,RTSが融合したKUF2
4Gamer:
G-Star会場ではKUF2のプレイ待ちで長蛇の列ができていましたね。もうほとんど完成しているように見えるのですが,本作の開発状況はいかがですか?
BLUESIDE CEO Sejung Kim氏(以下,Kim氏):
G-Star 2013では「アクションRPGモード」「RTSモード」の試遊台をそれぞれ出展し,とても良い反響が得られました。プレイに時間がかかるので出展は見送りましたが,「MMORPGモード」も一通り実装済みです。
4Gamer:
実際にRTSモードをプレイさせてもらいましたが,俯瞰視点でプレイすると,まさにRTSそのものですよね。
Kim氏:
近年はRTSをシンプルにしたゲームジャンルであるAOS(MOBA)が人気ですが,本格的なRTSはそれほど多くありませんでした。韓国には「StarCraft」でオンラインゲームの面白さを知ったというゲーマーがたくさんいるので,KUF2のRTSモードは歓迎されているのではないでしょうか。
4Gamer:
プレイヤーが直接操作するヒーローや部隊を,ファンクションキーで瞬時に切り替えられるのが快適でした。最終的には何部隊を管理できるようになるのでしょうか。
Kim氏:
ゲームシステム上の制約は事実上ありません。ただ,あまりに多くなってしまうと,画面内に表示されるキャラクター数が膨大になって,遊びづらくなってしまいます。いろいろと試した結果,1人のプレイヤーが管理するのはヒーロー+3部隊で,マルチプレイでは3プレイヤーくらいが同時に戦うくらいだと,プレイアビリティを損なわずに群集バトルが満喫できそうです。
4Gamer:
1部隊あたり30体程度のユニットが存在するので,3名のプレイヤーが集まると270キャラクター。それに加えて敵のユニットが登場する感じですね。
Kim氏:
RTSモードではそうなりますね。もちろん,複雑な部隊運用をせずとも群集バトルを楽しめるようなモードも用意します。
例えば,KUF2のエンドコンテンツの一つとして開発している「Invasionモード」は,最大16名のプレイヤーが参加できる大規模PvEです。1人のプレイヤーが直接操作するのはヒーロー1体のみですが,バトルで戦果を上げるとポイントが蓄積され,それと引き換えにモンスター部隊を召喚できます。
4Gamer:
これも凄まじいバトルですね……。KUF2のゲームエンジン「FAME TECH2」の成せる技,といったところでしょうか
Kim氏:
ゲームエンジンは日々ブラッシュアップを重ねており,現在は一つのマップ内で,最大1万体のユニットを処理することが可能です。実は,KUF2のゲーム本編と同じくらい,ゲームエンジンに対する反響が大きく,現在は名前を「BLUESIDE ENGINE」に変えたうえで,ライセンスビジネスにも積極的に取り組んでいます。
4Gamer:
Invasionモード以外に,特徴的なコンテンツは追加されていますか?
Kim氏:
大きなものとしては,最大4名のプレイヤーが参加する“Iron Plainミッション”というものがありますね。こちらは部隊の活用がカギになりますが,Invasionよりはハードルが低くなっています。
2014年第1四半期に東南アジアでローンチ予定。PlayStation 4版も開発中
G-Star 2013で久々に一般公開となりましたが,開発期間が長引いている印象を受けます。今後の予定はいかがでしょうか。
Kim氏:
2014年の第1四半期に,東南アジアの4か国でサービスを開始する予定となっており,ローンチ段階で必要なコンテンツの開発はほぼ終了しています。現在の開発チームは,ローンチに向けた最終調整を行う部署と,サービス開始から1年後までのアップデートコンテンツを企画/開発する部署に分かれて動いています。
4Gamer:
最初のリリース地域に東南アジアを選んだ理由はなんでしょうか?
Kim氏:
東南アジアではオンラインRPGのニーズが急速に高まってきているのですが,現地のPCスペックはそれほど高くなく,リッチなコンテンツはあまり普及していません。KUF2は比較的低スペックなPCでも快適に遊べるので,最初に展開することに決めました。
東南アジアでのプレイヤーの反応などを見ながら,それ以降の韓国などにおけるスケジュールを決めることになるでしょう。
4Gamer:
逆に,韓国版を遅らせた理由は?
Kim氏:
KUF2は,韓国のNHN Corporationから非常に期待されているタイトルです。ローンチする際には万全の体制で挑みたい,という思いがあり,あえてローンチタイミングをずらしました。
4Gamer:
日本ではNHN PlayArtを通じてのサービスが発表されていますが,こちらはいかがでしょうか。
Kim氏:
まだスケジュールが確定はしておらず,パブリッシャと調整している段階です。日本では家庭用ゲーム機市場が大きいですので,PC版とPlayStation 4版の同時リリースという可能性もゼロではありません。
妥協せずにとことん作り込んでいるKUF2
4Gamer:
近年の韓国ゲーム市場ではモバイルゲームの台頭が目立っています。そういった中,KUF2のような正統派オンラインゲームを開発するにあたり,不安などはありませんか?
Kim氏:
韓国ではスマートフォンの普及率が約80%で,確かに市場としてはとても大きいです。実際,去年あたりまではモバイル向けのライトなゲームのニーズが非常に高かったのですが,実は今年に入ってから少しずつ違った動きが見えてきているんです。スマートフォンでゲームの面白さを知った人達が,よりハイクオリティなゲームを求めてきているんですよ。
4Gamer:
なるほど。
Kim氏:
一方で,PCオンラインゲームでは,マウス+キーボードによる操作のしやすさや,ディスプレイの大きさなど,ハイクオリティなゲームを楽しみやすい環境が整っています。ゲーム性の高さに注目が集まりつつある中,PCオンラインゲームも再び注目を集めつつあると感じています。
韓国のゲーム市場は,2〜3年後には,現在とまったく違った状況になっているでしょう。その頃には,弊社が得意とするハイクオリティなゲームのニーズが,さらに高まっているはずです。もちろん,BLUESIDE ENGINEをモバイルに対応させる可能性もゼロではありません。
4Gamer:
KUF2のようなゲームを,何年もかけて妥協せずに作り込むのはとても大変だと思いますが,そのモチベーションはどこから来るのでしょうか。
Kim氏:
BLUESIDEが初めてゲーム開発を手がけたプラットフォームは,メガドライブやアーケードゲームでした。当時からゲームをとりまく環境は大きく変わっており,今後も変わり続けていくことでしょう。
しかしいつの世も,ゲーマーが心の底から求めるのは,これまでになかった新しい体験と,格好よくて迫力がある,ハイクオリティなゲームであることは変わりません。そのニーズに対し真正面から向き合ってきたからこそ,BLUESIDEは今もこうして活動できているわけで,そのスタンスを変えるつもりはありません。
4Gamer:
期待しています。本日はありがとうございました。
「Kingdom Under Fire II」公式サイト
- 関連タイトル:
Kingdom Under Fire II
- 関連タイトル:
Kingdom Under Fire II
- 関連タイトル:
Kingdom Under Fire II
- 関連タイトル:
Kingdom Under Fire II
- この記事のURL:
キーワード
(C)2010 BLUESIDE Inc. All Rights Reserved. “Kingdom Under Fire” is either trademark or the registered trademark of BLUESIDE INC. BLUESIDE and the BLUESIDE logo are either trademarks or the registered trademarks of BLUESIDE INC.
(c)2009 BLUESIDE Inc. All Rights Reserved. "Kingdom Under Fire" is either trademark or the registered trademark of BLUESIDE INC. BLUESIDE and the BLUESIDE logo are either trademarks or the registered trademarks of BLUESIDE INC.