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[GDC 2010]あの伝説的アクションゲームの新作,「Deus Ex:Human Revolution」の内容が(ちょっとだけ)明らかに!
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印刷2010/03/12 21:25

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[GDC 2010]あの伝説的アクションゲームの新作,「Deus Ex:Human Revolution」の内容が(ちょっとだけ)明らかに!

「Deus EX」
画像集#001のサムネイル/[GDC 2010]あの伝説的アクションゲームの新作,「Deus Ex:Human Revolution」の内容が(ちょっとだけ)明らかに!
 人間とハイテク機器が融合する近未来の世界をテーマにした,サイバーパンク系アクションRPG「Deus Ex」(2000年)は,その深い作り込みによってゲーマー達から絶賛された,伝説的なゲームだ。PCゲーム専用ソフトながら100万本のヒットを記録したほか,欧米のメディアからは大きな評価と共に,ゲーム賞をいくつも受賞している。2003年には第2作の「Deus Ex:Invisible War」がリリースされているものの,その後は開発元のIon Stormが解散しており,Eidos Interactiveの業績が悪化したことも手伝って,歴史の中に飲み込まれつつあった。
 ところが,Eidos Interactiveは,数々の身売り話が出ている2007年になって,突然のようにEidos Montrealという支部をカナダのモントリオール市に設立。すぐさま,「Deus Ex 3」の開発を公表したのだ。この後,Eidos Interactiveはスクウェア・エニックスに買収されたため,このDeus Ex新作は,同社がリリースすることになる。Deus Exシリーズの知名度の高さからいって,「ジャスト・コーズ 2」同様,日本でもリリースされる可能性は十分にあるだろう。

「Deus Ex:Invisible War」
画像集#003のサムネイル/[GDC 2010]あの伝説的アクションゲームの新作,「Deus Ex:Human Revolution」の内容が(ちょっとだけ)明らかに!

Eidos Montrealのアートディレクター,Jonathan Jacques-Belletete氏。そこらのアンチャンといった風貌と話し方だが,知性を感じさせるトークが冴えていた
画像集#002のサムネイル/[GDC 2010]あの伝説的アクションゲームの新作,「Deus Ex:Human Revolution」の内容が(ちょっとだけ)明らかに!
 さて,今回のGame Developers Conference 2010において,Eidos Montrealのアートディレクター,Jonathan Jacques-Belletete(ジョナサン・ジャッケ−ベレティート)氏によって,「Creating a Unique Visual Direction: The Success and Failures」(ユニークなビジュアルディレクションの創生: Deus Ex 3の開発における成功と失敗)というレクチャーが行なわれた。この中で,Deus Ex 3の正式タイトルが,「Deus Ex: Human Revolution」であることが判明したほか,いくつかの新情報も公開されたのだ。

 Deus Ex: Human Revolutionは,2050年代を舞台にしていた過去のDeus Exシリーズのプロローグとなる予定で,主人公はこれまでのJC Dentonではなく,Adam Jensenと呼ばれる,痩身長躯ながらも逞しさが感じられる男性になっている。映画「ブレードランナー」を思い起こさせるサイバーパンクな世界感は継承され,夜や雨のシーンの多い,ハイテク都市のアチコチに古い時代(つまり現代)を残した,どこかダークな雰囲気が期待できそうだ。

 この名作を生んだ開発者達が誰もいない中,その新作の開発を託されたJacques-Belletete氏らEidos Montrealのメンバーがまず悩んだのは,「どこまでDeus Exを受け継ぎ,どこまで自分達“らしさ”を出すか」ということであったという。しかし,結局は,ただの続編レベルの新作では満足できず,「Don’t Expect Anything Original from an Echo」(こだまから,オリジナリティを期待するな)という近代ヨーロッパの格言に従い,Deux Exのこだまではない,自分達なりの続編を作ろうと決めたということだ。そのため,ゲームエンジンも自社開発のものを利用することにし,リアリズムよりもスタイリッシュな映像美を追求したという。

画像集#004のサムネイル/[GDC 2010]あの伝説的アクションゲームの新作,「Deus Ex:Human Revolution」の内容が(ちょっとだけ)明らかに!

 このDeus Ex: Human Revolutionは,早くから前作のプロローグになると決まっていたこともあり,Jacques-Belletete氏が出したアートコンセプトは「サイバールネッサンス」だった。Deus Ex本編の時代が,人類と機械の融合が完成していた時期であったとすれば,Deus Ex: Human Revolutionの時代は,まだそのルネッサンス期にあったというわけだ。中世ヨーロッパのルネッサンスで,レオナルド・ダ・ヴィンチのスケッチに見られるような人体研究が盛んに行われていたことも,そういうコンセプト作りにぴったりだったという。

 こういった説明がなされたあと,氏が友人のコミックアーティストと共に,ルネッサンスの時代と近未来を合わせたようなキャラクターデザインに,試行錯誤を重ねたことが紹介されたが,その過程でボツになったコンセプトアートの撮影は許可されなかったので,ここでは詳しい説明を省略させてもらう。ただ,最終的なアートは,首回りや肩部分の中世ヨーロッパ的な雰囲気を残しつつ,アバンギャルドなファッションショーで採用されそうな,独特で美しいものになっている。映画で言うと「マトリックス」と「フィフス・エレメント」を合わせたような雰囲気……といったら,何となく想像が付くだろうか。

 警備員もしくは刑事のような中年の男性と,主人公Adam Jensenが会話するインゲームのムービーシーンも公開され,Deus Ex: Human Revolutionが基本的には一人称視点で,銃撃や体を使ったアクション時には自動的に三人称視点に変化するゲームだということが明らかになった。Adam Jensenは両腕と両足がサイボーグ化されているのだが,NPCの中には鹿の足のようなロボットレッグが取り付けられた者もいた。やはり,高速で走れたりするのだろうか。
 オブジェクトのディテールは凄まじく,ゲーム内の数々の銃器やアイテムには,企業が製作したことを物語るブランドロゴまでもが描かれているという凝りようだ。ちなみにロゴの中には,「P.E.P.システム ? 手袋をする」と日本語で描かれたものもあった。

 実際のゲームデモではないので,今回紹介できるのはこれくらいだ。画面を一目見れば,「これはDeus Ex: Human Revolution」とわかるような,スタイリッシュで格好良いアートが満喫できそうな本作。そのゲーム性やストーリーについても,今後少しずつ明らかにされていくと思われる。妥協のないアート面での作り込みを見る限り,ゲーム性の面でもファンを納得させてくれそうだ。これは傑作になるかもしれない。
  • 関連タイトル:

    Deus Ex: Human Revolution

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