プレイレポート
「ドラゴンネスト」CBTを遊んでみて新たに分かっちゃったことをお届け
本作のゲーム概要については,すでに4Gamerで何度も何度も記事化している。そこで今回はちょっと趣向を変えて,CBTに参加してみて気が付いたことなどを中心に,あれこれお伝えしていきたい。
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やはり「ドラゴンネスト」は
ゲームパッドを用意して遊びたい
ドラゴンネストのプレイアブルクラスは,キャラクターの作成段階では4種類から選べる。「ウォーリアー」と「クレリック」は近接タイプで,「アーチャー」と「ソーサレス」は遠隔タイプ……,などといった基本要素は,皆さんもすでにご存じのことだろう。
CBTでのレベルキャップは15であったが,本作はレベル16まで育てることで韓国では既に実装されているクラスチェンジのクエストが発生,このクラスチェンジを経て,4クラスはそれぞれ二つの上位クラスへと分岐していく。恐らく今後の展開で,日本でもレベルキャップが開放され,それに伴いクラスチェンジも可能になると思われるが,この転職はCBTの参加者にとって,おそらく最大の関心事だろう。
転職後の各クラスの特徴については,韓国版の情報になるが「こちら」の記事にてムービー付きで解説している。CBTのプレイ後に見ると,また新たな発見があると思うので,もう一度チェックしておこう。
ウォーリアー |
アーチャー |
クレリック |
ソーサレス |
今回のCBTで個人的に注目していたのは,ドラゴンネスト独自のゲームパッド環境が,テスター達にどのように受け入れられるかである。これに関しては筆者が見た限り,予想以上に好評であったようだ。「“キーボード+マウス”よりも,ゲームパッドのほうが操作しやすい」といった声を,プレイ中もよく耳にした。具体的には,照準合わせをサポートする「エアアシスト」(※)ボタンが強力で,1対1のバトルではちょっと便利すぎるかも? と感じたくらいである。
ただ,ゲームパッドを使うための「ハンゲーム ユーティリティ」を導入する段階で,トラブルもちらほらあったようだ。このあたりの分かりやすいサポートは,今後必要となってくるかもしれない。
その一方で,エアアシストの恩恵に授かれない“キーボード+マウス”派で,なおかつTPS/FPSが得意でない人にとっては,アーチャーやソーサレスの操作に少々慣れを要したかもしれない。少しアドバイスをすると,画面中央に表示される照準(クロスヘアー)の“色”を参考にするとよいのだ。敵を捕捉して,射程範囲内に入ると,このクロスヘアーが白から赤へと変わる。その際に攻撃を行えば基本的には命中するはずだ。
(※編集部注:最初「オートアシスト」と表記しておりましたが,ゲーム内での正式名称が「エアアシスト」であると確認したため,記事内の表記を修正いたしました)
ポーションがぶ飲みプレイにはならず
戦術/協力プレイが求められる
では,思わず唸らされてしまったゲームバランスについて。
このゲームでは,HPを回復するためのポーションが,ショップなどで購入できない。序盤のクエスト報酬でいくつか入手できるものの,どうやらそれ以外の方法では,事前に確保しておくことができないようだ。最初はやりにくさを感じたが,実際にプレイを進めてみると,これはこれで違った魅力があることに気付いた。
崖の上からアーチャーが攻撃してくるが,PCとの間にはバリケートが張り巡らされている。急いでこれを破壊しないと,一方的に蜂の巣にされてしまう |
敵がアイテムをドロップしたら,拾う前にとりあえず一度確認。HP回復用のアイテムは貴重だ |
ダンジョンの攻略中は,モンスターや宝箱などから,拾うことでHPを瞬間的に回復できるアイテムを手に入れられる。これらは数が限られているため,仮にHPが満タンだった場合はすぐには取らず,後のために確保しておくのが賢い。逆に,ペナルティアイテムがさりげなくドロップすることもある。ドロップアイテムを取捨選択し,どのタイミングで拾うのかを考えていくのが,より効果的に戦うためのコツだ。
また,回復ポーションがないことで,クレリックの回復スキルに代表される,プレイヤー間の協力要素の重要度が大きく増している。今後メインクエストを進めたり,アビスモードへ挑戦するようになったりすると,協力要素はさらに重要となってきそうな雰囲気だ。
モンスターはそれぞれ独自のアルゴリズムを持っており,ダンジョンのボスはそれが顕著。画面のボスは3体いて,横や後ろに回り込んでくるので周囲を警戒しよう |
ボスが繰り出してくる大技は,その直前に特徴的な動作を行うことが多い。まずは,ここの部分に注目して動きを見極めよう |
これまでのアクションRPGというと,敵の中へガンガン突っ込んでいき,HPが減ったらポーションをがぶ飲みし,ドロップ品はとりあえず全部拾い……,といったパワープレイになりがちであった。キャラクターが強力になるにつれ,それがマンネリ感を引き起こす原因にもなっていたわけだが,ドラゴンネストは違う。プレイの中心には,戦術と協力要素が根を張っているのだ。
モンスターの挙動や画面エフェクトなど
“アウトプット”にも注目
ドラゴンネストのアクションは,本当によく出来ていると感じる。今回あらためて検証してみたのだが,面白さの秘密は「インプット」と「アウトプット」の両方が,とても丁寧に作られている部分にあるのではないだろうか。
ドラゴンネストではインプットとアウトプットの緻密さが,プレイ時の爽快感に結びついている。このあたりは見れば見るほど驚かされる |
各クラスは最初から,3種類の武器を所持している。どれを選ぶでプレイスタイルやコンボ,そしてスキルの相性も違ってくるだろう |
インプットに関しては,さまざまなアクティブスキルを繰り出し,格闘ゲームさながらのコンボが実現できることは,これまでの記事でも述べてきたとおり。ドラゴンネストはそれだけでなくアウトプット,すなわちモンスターの反応や画面演出なども実に優れている。
ソードはコンボの出が早く,ザクザクと斬りかかっていける。途中でモンスターに中断させられる危険性も少ない |
アックスは,押しっぱなしコンボの最後に,強力な回転斬りを繰り出す。アクティブスキルの代わりにメインで使えるくらい威力が高い |
例えば,各クラスは3種類の武器が装備可能で,ウォーリアーの場合「ソード」「アックス」「ハンマー」をいつでも切り替えられる。それぞれの主な特徴は,ソードは攻撃速度が素早くコンボを繋げやすい,アックスは押しっぱなしコンボのラストの回転斬りが強力,ハンマーは一撃のダメージが高い,といったところ。ここまでは,実際に武器を使い分けてみれば,すぐに分かるだろう。
ハンマーはモーションこそ緩慢なものの,当たればデカい。何より,攻撃を受けて一瞬固まるモンスターが,とても痛そう |
がっちりと盾を構えるモンスターに,真正面から通常攻撃を行ってもダメージは通りにくい。その間に,後ろに控えたキャスター系のモンスターから攻撃されることも |
しかし,それ以外にもさりげない違いがいくつかあり,ウォーリアーの武器では「スタン」値に注目したい。これは,攻撃をヒットさせた際に敵がのけぞる時間を示しており,3種の武器ではハンマーが突出している。普段のプレイでは気付きにくいかもしれないが,例えばEASYモードの1対1の状況で,ハンマーで攻撃する瞬間を,落ち着いて観察してみてほしい。ほかの武器と比べて,のけぞる時間が,ほんの少しではあるが確実に長いことが分かるはずだ。
その瞬間のモンスターの挙動もよく出来ており,観察していると「うわ,痛そう」と感じてしまった。
同じクラスでも,使用武器を切り替えることでプレイフィールは結構変わる。それぞれの武器に見合ったスキルコンボを追求しよう |
武器を軌跡やスキルエフェクトなど,ダイナミックな演出が多い。ゲーム画面が“うるさくならない”ギリギリのラインを達成している |
そのほかの例を挙げると,同じ攻撃を繰り出した場合でも,相手のモンスターの種別によって反応が異なる。小動物系のモンスターは勢いよく吹き飛び,範囲攻撃で大勢を一網打尽にした瞬間は,かなり痛快だ。しかし,盾を構えている大型モンスターに同じ攻撃を繰り出しても,しっかりとガードされ,ほんのちょっと後ずさりするだけ。音もリアルで,堅い物を殴った瞬間「ゴッ,ゴッ」とした鈍い音が響き,感触がマウスを通じて伝わってくるかのようだ。
樽や櫓,小屋など,ステージ内には破壊できるオブジェクトが多く設置されている。意味もなく壊したくなってしまう人は多いはず |
ところどころでエフェクトに2Dを用いているが,このあたりのセンスが良い。本作のスタッフの中には,日本のコンシューマゲームの開発経験が豊富なスタッフもいる |
見た目の演出で,2Dと3Dを上手にミックスさせているのもポイントだ。高度なグラフィックス技術を用いながらもリアル一辺倒ではなく,マンガチックな表現も取り入れており,このあたりは国産のコンシューマゲームにも通じるセンスを感じる。スキルの発動時にぼかしを入れたり,一瞬スローモーションを挟んた直後に急加速させたりと,緩急のメリハリも効いている。
ドラゴンネストでは,これらのインプット/アウトプットによって生み出される,アクションの説得力が半端ではない。以前,2007年のG★で,EYEDENTITY GAMESの開発者にインタビューした際,「アウトプットにも注目してほしい」と語っていたが,今ではこれがはっきりと理解できる。しかもアクションの機微が命の格闘ゲームなどではなく,オンラインRPGというジャンルで,これを実現しているのだ。
あれこれ気づいたことをSSとセットでお届け
短期間のCBTではあったものの,その他にも数多くの新発見があった。これらに関しては,写真とキャプションで簡単に紹介していこう。
ドラゴンネストのOBTは5月27日にスタート
それにしても,ドラゴンネストの完成度の高さには,つくづく驚かされる。「コンソールっぽい雰囲気のオンラインRPG」なら,これまでもいくつか存在した。しかしドラゴンネストは紛れもなく,「コンソールの土俵でも勝負できるオンラインRPG」である。オンラインRPGが,ついにこのレベルに到達したことを大いに喜びたい。
PCオンラインゲームでは,2009年に「AION」が“MMORPGの常識”を大きく変えた。今年はこのドラゴンネストが,“アクションRPGの常識”を変えてしまうかもしれない。
ドラゴンネストの今後のサービススケジュールは,先日行われた完成披露会でも発表されたとおり5月27日からOBTが予定されている。CBTの経験者には言われるまでもないと思うが,残念ながらCBTに参加できなかった人も,ぜひ一度参加してみてほしい。
「ドラゴンネスト」公式サイト
- 関連タイトル:
ドラゴンネストR
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