連載
極私的コンシューマゲームセレクション:第14回「キミキス」
» 今回の「極私的コンシューマゲームセレクション」は,編集部イチの脳内彼女数を誇るgingerが,プレイステーション2の「キミキス」を紹介する。学生時代のときめきとか淡い恋心とかを思い出したい人とか,それを見てニヤニヤしたい人は読んでみよう。
そうだ,キスをしよう!(突然すぎ)
廊下で可愛い後輩にいきなり抱きつかれるの図。「キミキス」では,こんな理想のスクールライフを体験できる |
そんな筆者であるがゆえ,
「せんぱぁ〜〜〜〜〜いっ!」
――タッタッタ……ど〜〜〜〜〜〜〜んっ!!
てな具合に,廊下を歩けばいきなり可愛い後輩に抱きつかれてしまったりする毎日だ。そう,察しのいい読者であればすでにお気づきかもしれないが,筆者は恋愛の達人なのだ。しかし,現実は厳しい。誰もが筆者のようなバラ色のスクールライフを満喫できているわけではないだろう。そこで今回筆者が紹介するのは,エンターブレインから2006年5月25日に発売された,プレイステーション2用恋愛シミュレーション「キミキス」だ。本作をプレイすれば,誰もがいま紹介した筆者のようなエピソードを満喫できるという寸法だ。いやはや,素晴らしい世の中になったものだ。編集部でスクールライフは変だろとかいうツッコミは無用だ。
タイトルからも何となく分かるように,本作のテーマは女の子とキスすることだ。プレイヤーが演じる主人公は,キスどころか恋すらしたことがないという高校2年の男子生徒。いまどきそんなピュアな青少年がいることに驚きを禁じ得ないが,それはさておき,夏休みも結局何のイベントもないまま終わった新学期。ふと気づけば高校生活も半分を過ぎ,このままでは浮いた話の一つもなく卒業を迎えてしまうのみ……。
いくらなんでもそれはイヤだ,これからはもっと積極的に女の子とキスしよう! と心に誓った主人公に扮し,目に付いた女の子とキスしまくって,約1か月後に迫った学園祭を意中のあの子と一緒に周るというのが本作の目標だ。ようし,そうと決まれば善は急げ。早速キス相手を探しに行こう!
キス道とは,シチュエーションにこだわることと見つけたり
さてここで,本作のゲームシステムについて説明しようと思ったのだが,試しに書いてみたらあまりに長くなりすぎてしまったので割愛し,本作のキモである「マッチング会話」の簡単な紹介のみに留めておくこととする。
マッチング会話とは,ざっくばらんに解説すると,あらかじめ用意しておいた16個の「話題アイテム」の中から一つを選び,女の子に話しかけるというもの。話題アイテムは,「学校生活」「勉強」「運動」「おしゃれ」「食べ物」など,9カテゴリ,全42種類にのぼる。話題アイテムは最初からすべて持っているわけではなく,ゲーム中のイベントを通じて手に入れるものもある。このマッチング会話を駆使して,女の子の好感度を高めていくのが本作のゲームプレイの中心だ。
話題アイテムの編集は,1日の終わりに自室で行う。お目当ての女の子の好みに合わせたチョイスを心がけたい |
話題アイテムには,女の子の好感度とテンションを上下する効果のほか,女の子を恥ずかしがらせ,「あせり」度を高めてしまうものもある。あせりは「水着」や「体」など,主にちょっとエッチな内容になりがちな話題で起こりやすく,あせり度があまりに高くなると女の子は会話を打ち切って立ち去ってしまう。基本的には,女の子の興味のある話題で好感度を高めるのがセオリーだが,たまにはあえて相手の恥ずかしがりそうな話題で反応を見るのもいいものだ。何がどういいのかは,読者諸氏のご想像にお任せする。
で,肝心のキスは一体どうなっとるんだねチミ! と,そろそろウズウズしている人もいるかもしれないが,これはすべて女の子とのイベントによって発生する。好感度ゲージを最大まで上げ,テンションが高い状態の女の子に「アタック」することで,キスもしくはそれに準じた「親密イベント」が発生するのだ。そして,親密イベント後に発生する「ストーリーイベント」を見ることで女の子との「恋愛レベル」が上昇し,さらに仲を深めていけるようになる。
本作では,校内のどこでも女の子と出会える可能性がある。つまり,どの場所でも親密イベントを発生させられる可能性があるということだ。これが,いつでもどこでも女の子とキスできる,という本作のウリとつながっており,早朝の屋上や,昼休みの音楽室,放課後の校舎裏などといった,こだわり抜いたシチュエーションでのキスが可能となっている。まあ実際には,女の子によって出会いづらい時間帯と場所があるのでなかなか自由自在というわけにはいかないが,真のキス道を極めんとするならば,シチュエーションにもとことんこだわっていただきたい。
水着にパンチラに可愛い妹……
これぞまさに理想のスクールライフ!
プールに行くと水着の紐がほどけてしまうのは,もはや世界の常識だ。紐じゃないビキニにすればいいのにとか,味気ないことを言ってはいけない |
女の子の水着姿は学校のプールでも見られるが,各ヒロインに必ず一つずつ用意された海もしくはプールイベントで,スクール水着ではない特別なグラフィックスを拝見することができる。夏休みはすでに終わって9月のはずなのだが,たぶん本作の舞台は沖縄とかなのだろう。行ったことはないけど。
また,健全なる青少年にとって,水着と双璧をなす関心事であるパンチラも,各ヒロインに一つずつ,条件を満たせば校内の特定の場所で低確率で発生する「カミカゼ」イベントが用意されている。休み時間にはテラスや屋上など,風が吹きそうな場所を重点的にチェックしたい。
何というかもう,毎朝寝坊したくなるシチュエーション。誰か筆者にこんな可愛い妹を紹介してほしい |
妹には,校内を移動中に出会えるほか,夜に自宅の妹の部屋を訪ねることで,プレイヤーの評判を教えてもらえる。毎晩毎晩妹の部屋に押しかけて,自分の評判を尋ねるというのも,兄としてちょっとどうかと思うほど情けないが,各ヒロインとの恋愛の進行状況が確認できるので非常に便利だ。もうこのさい,女の子とのキスという崇高なる目的のために,兄の威厳などかなぐり捨ててお世話になってしまおう。
ちなみに,本作には6人の初期ヒロインが登場し,このうちの誰か一人をクリアすることで7人めの隠しヒロインが登場する。また,6人の初期ヒロイン全員を攻略すると……なんと妹が攻略可能になる。まさか,ろくでなしの兄貴はついに妹ともキスをしてしまうのか!? 波乱の展開は次週へと続く!(※編注:続きません)
ということで,この先どうなるかはプレイヤー自身の目で確かめてほしい。本作では,マッチング会話によるバリエーションに富んだ会話と,さまざまなシチュエーションでのキスを体験できる。さらに,ヒロインごとにスキとナカヨシの2通りのストーリーが用意されているので,すべてのイベントを見ようと思ったら,かなり充実したスクールライフを満喫できることだろう。今回は紹介しきれなかったが,登場する女の子達もそれぞれに魅力的なので,未プレイの人はこの機会にぜひお試しあれ。
――と,本来であればここで本作の紹介を終えるところなのだが,今回はもう少し続きがある。発売当時,小清水亜美さん,田中理恵さん,能登麻美子さん,野川さくらさん,川澄綾子さんといった豪華な声優陣でも注目を集めた本作だが,この豪華キャストをそのままに,10月からテレビアニメ「キミキス pure rouge」が放映されるのだ。10月開始のアニメは,4月開始のものよりも少ないのでホッと一息ついていた筆者だが,すでにこのアニメだけは是が非でも見なければなるまいと決意している。本作で思う存分キスに明け暮れたという人は,次はアニメでその続きを楽しむというのはいかがだろうか。
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キミキス
対応機種:プレイステーション2メーカー:エンターブレイン
発売日:2006年5月25日
価格:7140円(税込)
CEROレーティング:B(12歳以上対象)
公式サイト:http://www.enterbrain.co.jp/game_site/kimikiss/
- 関連タイトル:
キミキス
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