プレイレポート
オンラインFPS「カウンターストライクオンライン」に実装される新しいゲームモード「メタルアリーナ」。その内容を先行体験してきた
「カウンターストライクオンライン」公式サイト
今回,2011年3月30日のアップデートに先立ち,ネクソン本社にてメタルアリーナをテストプレイする機会が得られた。このメタルアリーナがどういうゲームモードなのか,実際にプレイをしたうえでの感想を交えつつ,紹介していこう。
基本ルールは拠点の制圧戦
AI兵器の存在が駆け引きを大きく左右する
まずメタルアリーナの詳しいルールから説明しよう。本モードではプレイヤーは2つの陣営に分かれて戦う。そして,定められた量のチームポイントを先に獲得した陣営が勝利となる。チームポイントは,メタルアリーナ専用マップの各地に点在する拠点を3か所以上占拠すると,一定時間ごとに入ってくるようになっている。当然ながら,より多くの拠点を制圧した状態であれば得られるポイントも増えていく。
拠点は,ゲーム開始直後はどちらの陣営にも属していない中立状態になっていて,プレイヤーキャラが近くに立った状態で一定時間が経過することで制圧できる。一人で制圧するよりも多くのプレイヤーがポイントに立っているほうが制圧までの時間は短くなるので,散開して複数のポイントを取りにいくか,あるいは,まとまって一つずつ確実に制圧していくか,作戦を考えて行動する必要がある。
敵に制圧された拠点を奪い返すことももちろん可能。ただしいったん制圧されると,拠点には「ガーディアン」と呼ばれる固定自動砲台のAI兵器が設置され,近寄る敵を高い火力で迎撃してくる。また,制圧済みポイントからは歩兵AI兵器の「ミニオン」も次々と湧いてくる。そのため,何も考えずに突っ込んでも奪取は難しい。制圧行動に移る前に,まずはガーディアンを破壊して,それから次々湧いて出るミニオンを蹴散らしつつ制圧しなければならず,かなり骨が折れる。ガーディアンの耐久度はなかなか高く,物陰から一人でちまちま撃っていると,ミニオンに囲まれて身動きがとれなくなってやられてしまう。できれば複数人で突撃して一気に破壊したいところだ。
制圧した拠点の中央には固定自動砲台のガーディアンが設置され,周囲には歩兵のミニオンもわらわらと湧くので容易には接近できない |
マップ「クェーサー」にのみ登場するAI兵器「ヘクター」。両陣営のリスポーン地点に初めから存在するかなり強力な巨大AI兵器だ。安易に突っ込むとあっという間にやられてしまうので注意 |
なお,これらのAI兵器や敵対陣営のプレイヤーを倒すことでもチームポイントを得ることができるが,得られるポイント量が少なめなので,ポイント稼ぎの手段としてはあくまで補助的なものになる。ゲーム展開を左右するのはあくまで拠点の奪い合いだ。
ただし,だからといってAI兵器や敵プレイヤーを倒すことに意味がないというわけではない。メタルアリーナでは,敵を倒すたびに経験値が入ってきて,それが一定値まで集まるとキャラクターがレベルアップするのだ。レベルが上がると体力・攻撃力などの基本性能がだんだんアップしていくほか,戦闘を優位に進めるための“スキル”を覚えることが可能になる。
このように,メタルアリーナでは,敵プレイヤーを相手にせず,ひたすらAI兵器を狙って経験値を稼ぎ,レベル差をつけた状態にしてから制圧に動き出すといった戦略も考えられるなど,AI兵器の存在が駆け引きに影響を及ぼすようになっている。Lv.10にもなると攻撃力が4倍近くまで上昇するなど,レベルアップの効果は馬鹿にできない。序盤から積極的にレベルアップを狙っていく作戦も大いにアリだろう。
参考までに,Lv.6とLv.10での基本能力値の比較画像。表示を見れば分かるとおり,4レベルの違いであっても能力差は大きい |
メタルアリーナでは,拠点を多く制圧しているほうがより多くのチームポイントを得られ,さらにAI兵器もたくさん生み出せる――これだけ聞くと,先により多くの拠点を制圧した陣営が有利になりすぎるのではないかという心配が出てくるが,そこは「拠点の制圧数によってリスポーン時間を変動させる」ことで,極端に有利不利が大きくならないよう調節されている。片方の陣営がすべての拠点を制圧した状態では,制圧側はリスポーンに1分近くを要するが,反対側の陣営ではほとんど待ち時間なしにリスポーン可能だ。
また,「すべての拠点を制圧している」ということは,「現在,敵側に所属する拠点がない」ということであり,その状態では「敵AI兵器が生み出されない」わけで,制圧側のプレイヤーは「それ以上の経験値ゲット&レベルアップ」がしづらい状態になる。一方,押されている陣営のプレイヤーは,次々にやってくるAI兵器を倒し続けてレベルアップすれば拠点を奪い返しやすくなる。レベルアップの重要度が高いことは先述のとおりだ。
そのような仕組みになっているので,たとえ拠点をすべて制圧されても,諦めずに戦っていれば逆転できる確率も高いのだ。
敵を倒して得た経験値で成長するプレイヤーキャラ
3種類のクラスそれぞれ個性があり役割分担が重要
次に,メタルアリーナのみで使用できる3種類の専用クラスを紹介しよう。
メタルアリーナでのクラスは,CSOの他モードに存在したクラスとは異なり,使用できる装備や前述のスキルなどの面で差別化されている。チームの勝利のためには,このクラスの役割分担も重要になってくるのだ。クラスはゲーム開始時に選んだあとは変更が利かないのでよく考えて決めたいところだ。以下に,各クラスの特長と,所有スキルを列記していこう。
●ライフルマン
・クリティカルアンプ(パッシブ)
攻撃時に一定確率で最大200%のクリティカルダメージを与える・ジアゼパム注入器(アクティブ)
一定時間命中率とクリティカル率上昇が上昇・CPガンパウダー(パッシブ)
爆発型武器(M79など)と爆発型スキル(プラズマ爆弾)のダメージが上昇・プラズマ爆弾(アクティブ)
指定ポイントにすさまじい爆発を引き起こす●タンカー
・オートシールド(パッシブ)
攻撃を受けた際,一定確率でダメージを無効化もしくは減衰する・タンク(アクティブ)
瞬間的に攻撃力と防御力を大幅に増加させる。しかし移動速度が減少する・スタンパーティクル(パッシブ)
攻撃時に一定確率で追加ダメージと気絶(スタン)効果を与える・マッハブースター(アクティブ)
正面に向かって爆発的なスピードで突進する。衝突した敵はダメージを受けて後退する●アリス
・NHP装備:散布(アクティブ)
NHP(ナノ治療粒子)を散布して,自分を含めた周囲の味方の体力を回復させる(ただし自分自身の回復量は基本治癒量の50%)・NHP装備:設置(アクティブ)
NHP装備を地面に設置。周囲の味方の攻撃力と防御力をアップさせ,さらに散布スキルの治癒量と治癒範囲もアップさせる・オートガード(パッシブ)
ヘッドショットやクリティカルのような致命的ダメージを受ける場合に作動する自動回復システム。致命的ダメージを受けると自動的に体力が回復し,防御力がアップする・光学迷彩(アクティブ)
自分の身を隠し,徐々に体力を回復させる各クラスのインプレッションとしては,ライフルマンは単体の敵に対する点の攻撃力,タンカーは近距離における面の攻撃力が高く,アリスだけは支援に特化していて特殊な位置づけといった感じ。もとから防御力の高いタンカーがミニガンをぶん回しているところにアリスの治癒スキルが組み合わさるとと強力だ。
“パッシブ”なスキルは,所有するだけで自動で発動する。“アクティブ”スキルはファンクションキーを押すことで任意に発動可能だが,再使用にはクールダウンとして一定時間の経過を待つ必要がある。
各クラスとも4番めのスキルはとくに効果の高いものになっていて,習得やスキルレベルのアップには一定以上のキャラクターレベルが必要になっている。クールダウンが長いなど使いどころが難しいが,ライフルマンのプラズマ爆弾などは範囲・威力ともに強力なので有効に使いたい。
「DotA」をFPSにしたようなユニークなプレイ感覚
少人数同士の対戦でも駆け引きの面白さが味わえる
DotAの勝利目標は敵陣のコアを破壊することで,メタルアリーナは拠点の占有率による得点で競うというという点での違いはあるが,ゲーム開始時に固有のスキルを持つクラス(ヒーロー)を選択し,突撃してくる敵AIキャラクターを倒してレベルを上げ,お互いにどんどん強くなっていって,試合が白熱していくというこの楽しさには,世界中でプレイされているDotAの面白さに通じるものがあると感じられるのだ。
メタルアリーナは,プレイヤー同士がそのまま衝突するのはなく,AIを交えた乱戦になりやすい内容なので,人と人が直接撃ち合うタイプのモードに抵抗がある人にも楽しめそうだ。また,“ガチ”の撃ち合いだと実力差によってはつまらない試合になってしまうこともあるが,メタルアリーナは負けているほうに逆転の機会が増えていくようになっているので,毎回白熱した展開が期待できる。いずれの既存モードとも異なる楽しさを持ったゲームモードとして,今後人気が出る可能性はありそうだ。
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