連載
インディーズゲームの小部屋:Room#765(番外編)「2022年 人気タイトルベスト10」
もはや前フリのネタも尽きた筆者がお届けする2022年最後の「インディーズゲームの小部屋」は,年末恒例の「2022年 人気タイトルベスト10」をご紹介。この記事は今年取り上げた計47タイトルの中から,読者に最も多く読まれたものをランキング形式で振り返るというものだ……って,この説明をする年末も,もう何度めだろう。
とにかく,この記事さえチェックしておけば,2022年に遊んでおくべきだったゲームがばっちり分かり,周囲から一目置かれる存在になれること間違いなし。さらに本連載の過去記事もすべて読めば,もう立派なインディーズゲームマイスターと言ってもいい。来年はそんな人に,ぜひこの連載をお任せしたい(逃げ腰)。
では気を取り直して,第10位から行ってみよう!
第10位「Stray」
第10位は,リアルで可愛らしい猫の仕草と,写実的な廃墟のグラフィックスの対比が話題を呼んだ猫アドベンチャー「Stray」。プレイヤーは地下のサイバーシティに迷い込んでしまった猫となり,小型ドローン「B-12」と力を合わせて地上への道を探すことになる。どこまで状況を理解しているのか,猫は走ったり,跳んだり,ニャーと鳴いたりするばかりだが,機械の操作などはB-12が代わりにやってくれるのでご安心を。
「Stray」公式サイト
第9位「ファー:チェンジング タイド」
第9位は,謎の大洪水で水没してしまった世界を船で旅するアドベンチャーゲーム「ファー:チェンジング タイド」。基本的なゲームの流れは前作「FAR: Lone Sails」と同様,船のメンテナンスやアップグレードを行いながら,新天地を目指して孤独な旅を続けるというもの。新要素として風向きが追加され,帆の向きを調整することで風の力を最大限に利用できる。前作と世界観を共有しており,あっと驚くラストシーンは必見だ。
「ファー:チェンジング タイド」公式サイト
第8位「Airborne Kingdom」
第8位は,自分だけの空中都市を築き上げる都市建設シミュレーション&アドベンチャー「Airborne Kingdom」。ゲームの目的は地上にある12の王国すべてと同盟を結び,古代の空中王国を復興させること。都市の建設に必要な資源は地上から集めなくてはならず,燃料が無くなると墜落してしまう。さらに,都市の傾きや揚力,推進力といった空中都市ならではの要素もあり,ひと味違ったゲームプレイを楽しめる。
「Airborne Kingdom」公式サイト
第7位「Lake」
第7位は,湖のほとりにある風光明媚なアメリカの田舎町での生活を描いたアドベンチャーゲーム「Lake」。普段は都会で働く主人公の女性,メレディス・ワイスはあるとき2週間の休暇を取り,父の代役として故郷のオレゴン州で臨時の郵便配達員をすることに。ここでは特別な事件は起こらないが,旧友と久しぶりに再会したり,人生のパートナーになる人と巡り合ったりと,さまざまな出会いが待っている。
「Lake」公式サイト
第6位「Infernax」
第6位は,悪魔に侵略された祖国を救うために冒険する横スクロールアクションRPG「Infernax」。全体的に見ると「悪魔城ドラキュラ」と「モンスターワールド」を足して2で割ったような雰囲気で,メイスによる近接攻撃といくつかの魔法を駆使して敵と戦っていく。レトロなドット絵とサウンドが本作の魅力だが,プレイヤーの決断によってその後の展開が変化する,マルチエンディングを採用しているのも特徴だ。
「Infernax」公式サイト
第5位「tERRORbane」
第5位は,バグだらけのゲームのテストプレイヤーとなり,あの手この手でクリアを目指す不条理系RPG「tERRORbane」。ゲーム内にも登場する開発者は本作を最高傑作と言ってはばからないが,毎回違ったバグが発生するせいで戦闘はまともにできず,フィールドの表示も不具合だらけ……。それにもめげず,逆にバグを利用して無理やりゲームを進めていくという,ツッコミどころ満載のプレイに大笑いすること間違いなし!
「tERRORbane」公式サイト
第4位「Symphony of War: The Nephilim Saga」
第4位は,戦乱渦巻くファンタジー世界で自軍を率いて戦いを繰り広げるシミュレーションRPG「Symphony of War: The Nephilim Saga」。本作の特徴は,プレイヤーが指揮するのが個々のユニットではなく,複数のユニットで構成された小隊であるということ。ゲームには剣士からドラゴンライダーまで約50のクラスが登場し,最大9ユニットで1つの小隊を編成できる。「ファイアーエムブレム」や「伝説のオウガバトル」が好きな人は,ぜひ遊んでみよう。
「Symphony of War: The Nephilim Saga」公式サイト
第3位「嗜血印 Bloody Spell」
さて,ここからはいよいよトップ3の発表! まず第3位は,邪神の復活を目論むカルト教団にさらわれた妹を取り戻すために戦いを繰り広げるアクションゲーム「嗜血印 Bloody Spell」。衣装によって主人公の性別が変化するのが特徴で,セクシーな女性用衣装は必見。多彩な武器とスキルを駆使して,「仁王」と「NINJA GAIDEN」を足して2で割ったようなスピード感ある近接アクションを満喫できる。
第2位「Cult of the Lamb」
第2位は,カルト教団の教祖となって信者を集め,敵対する教団と戦うというローグライク&コロニーシミュレーション「Cult of the Lamb」。潜るたびに変化するダンジョンを攻略して新しい信者や素材を獲得したり,本拠地に戻って信者達のお世話をしたりと,教祖の仕事は大忙し。時には信者を生贄にすることもあり,キュートな動物達が儀式に熱狂する姿は,さながら“闇のどうぶつの森”といった感じだ。
「Cult of the Lamb」公式サイト
第1位「Trombone Champ」
そして栄えある第1位は,トロンボーンの演奏に特化した音楽ゲーム「Trombone Champ」。本作では演奏のタイミングだけでなく“全体的な音の正確さ”が重要で,高得点は至難の業。けれども調子っぱずれなトロンボーンを陽気に吹き鳴らしているだけで,思わず笑顔になってしまう。ユーモアたっぷりの演出を楽しみながら,古今東西の20曲以上の名曲を失敗を気にせず思う存分演奏しよう。
「Trombone Champ」公式サイト
ということで,2022年の「インディーズゲームの小部屋」もこれでおしまい。最後に,今回ランキング入りしなかったタイトルから筆者が選んだオススメの1本は,「Gibbon: Beyond the Trees」に決定! 本作は自然の美しさと人間による環境破壊をテーマにしたアクションアドベンチャーで,絶滅の危機に瀕しているテナガザルとなって東南アジアのジャングルを枝から枝へと駆け抜けていく。気持ちいいスイングアクションが魅力のゲームなので,未プレイの人はぜひどうぞ。
それでは,また来年お会いしましょう。皆さま,よいお年を!
- この記事のURL:
キーワード