連載
インディーズゲームの小部屋:Room#756「FAITH: The Unholy Trinity」
エンジンオイルとバッテリーとタイヤの交換に車検と自動車保険の更新が重なって,財布に深刻なダメージを受けている筆者がお届けする「インディーズゲームの小部屋」の第756回は,Airdorf Gamesが開発した「FAITH: The Unholy Trinity」を紹介する。本作は,若き司祭となって悪魔やカルト教団に立ち向かうホラーアドベンチャーだ。いっそのこと新車に乗り換えたほうが,トータルで見て安上がりな気がしないでもない……。
本作は1980年代にアメリカで広まった悪魔崇拝パニックと,当時の8bitのPCゲームにインスパイアされたホラーアドベンチャー。掲載したスクリーンショットからも分かるように,Apple IIを思わせる粗いドット絵が特徴で,随所で挿入されるシネマティックパートでは,カメラで撮影した役者の動きをトレースしてアニメーションを制作する「ロトスコープ」と呼ばれる手法が使われている。
ストーリーは全3章で構成され,第1章はジョン・ウォードという名の若いエクソシストが,コネチカット州の田舎町にあるマーティン家にやって来るところから幕を開ける。この家では,1年前にエイミー・マーティンという少女の悪魔祓いに失敗しており,ジョンは自分が始めたことの決着を付けるために戻ってきたのだ。3つの章のどれから始めるかは自由だが,すべての話はつながっているので,順番に進めるのがオススメだ。
ゲームは見下ろし視点で進行し,プレイヤーは基本的に主人公のジョンを操作して,周囲の探索や悪魔祓いなどを行っていく。ジョンはエクソシスト必携の品である十字架を所持しており,悪魔に襲われたときにこれをかざすことで撃退することができる。ただし,肉体的には“あくまで”普通の人なので,攻撃を受けると一撃で死んでしまう点には注意してほしい。悪魔だけに。
また,十字架は謎解きにも欠かせないアイテムとなっており,特定の場所で十字架を掲げてその場に憑りついている悪魔を浄化することで,謎解きのヒントやストーリーに関係するメモを入手できる。これらのメモは一種のコレクション要素で,必ずしもすべてを集める必要はないが,やり込み派の人はコンプリートを目指したいところだ。さらに本作は,各章それぞれに複数のエンディングがあり,見た目以上に遊びごたえのある内容に仕上がっている。
ざらついた質感のグラフィックスとひび割れた合成音声がいい味を出しており,B級ホラー映画的なストーリーと相まって,不吉で禍々しい雰囲気をたっぷりと味わえる本作。残念ながら日本語化されておらず,ストーリーをしっかり把握するためにはある程度の英語力が要求されるうえ,1980年代のゲームに寄せた操作性も良好とは言えないため,万人にオススメするのは難しいが,筆者のようなオールドゲームに思い入れのある人はぜひ挑戦してみてほしい。そんな本作はSteamにて,1520円で発売中だ。
■「FAITH: The Unholy Trinity」Steamストアページ
https://store.steampowered.com/app/1179080/FAITH_The_Unholy_Trinity/- 関連タイトル:
FAITH: The Unholy Trinity
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