連載
インディーズゲームの小部屋:Room#754「Foretales」
阪神タイガースのCSファイナルステージ進出を祝いつつお届けする「インディーズゲームの小部屋」の第754回は,Alkemiが開発した「Foretales」を紹介する。本作は,破滅の運命を変えるためにコソ泥コンビが活躍する,ストーリー重視のカードゲーム風アドベンチャーだ。セ・リーグワースト記録の開幕9連敗を喫したときはもうダメかと思ったけど,きっとこうなるって信じてたから(白目)。
本作の舞台となるのは,擬人化された動物達が暮らすファンタジー世界。主人公のコソ泥であるハシビロコウのヴォールペインは,あるとき相棒のトラのレオが持ってきた怪しい儲け話に乗り,とある邸宅に盗みに入ることに。難なく屋敷に侵入し,お目当ての魔法の竪琴を見つけたヴォールペインだが,それに手を触れた瞬間,脳裏に恐ろしい光景が流れ込んできた。
ヴォールペインが見たものは,鉱山のストライキに巻き込まれた父親が命を落とし,さらには彼らの住むイーゼンブルグの街が炎に包まれて燃え落ちる,破滅の未来のビジョン。残された時間は,わずかしかない。果たして,ヴォールペインは最悪の未来を回避できるのか,それとも別の道を進むことになるのか……。
本作は,プレイヤーの選択によってその後の展開が変化する,マルチエンディングのアドベンチャーゲーム。ヴォールペインがどのように行動するかはプレイヤー次第で,カード形式で表現されたスキルやアイテムなどを使って,さまざまなシチュエーションに対処していくというゲームシステムが最大の特徴だ。
基本的なゲームの進め方は,画面の中央に配置された3〜6枚のロケーションカードにスキルカードやアイテムカードを使用することで,ヴォールペイン達の行動を決定するというもの。どの場所で何をするかはプレイヤーの自由で,例えばスリのスキルを使って民衆からお金を巻き上げてもいいし,商人と取引して食料などを手に入れてもいい。
ロケーションによっては山賊や衛兵などと戦闘になることもあり,ターン制のカードバトルが展開する。この時も,力押しで敵を倒すだけでなく,スキルを使って事前に敵の戦力を削ったり,賄賂を渡して相手を撤退させたりと,さまざまな手段を取ることが可能。ヴォールペインやレオの体力がゼロになるとゲームオーバーなので,なるべく被害を受けずに切り抜けることが重要だ。
ワールドマップには,ストーリー進行に必要な複数のミッションと,破滅的なイベントまでの残りターン数が示されており,どのミッションを遂行するかによってストーリー展開が変化する。多くのミッションは,例えば父親を助けに向かうか,見捨てて逃げ出すかといった二者択一の形で用意されているので,どちらを選ぶのかは慎重に決めよう。
文章でうまく説明できないのがもどかしい独創的なゲームシステムと,リプレイ性の高いストーリーが魅力の本作は,Steamにて2050円で発売中。残念ながら日本語化されておらず,ストーリーを十分に楽しむにはある程度の英語力が必要だが,興味を持った人はぜひ遊んでみてほしい。オススメです。
■「Foretales」公式サイト
https://dearvillagers.com/project/foretales/- この記事のURL:
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