連載
インディーズゲームの小部屋:Room#740「Last Days of Lazarus」
最近は新天地で,久しぶりの狩猟生活に復帰した筆者がお届けする「インディーズゲームの小部屋」の第740回は,Darkania Worksが開発した「Last Days of Lazarus」を紹介する。本作は,母親の死をきっかけに生家に帰ってきた主人公が,予想もできない恐怖に襲われるというホラーアドベンチャーだ。まさか,すっかり腕が鈍って,無意味に回復薬をがぶ飲みしちゃうハンターなんていないよね?(自己紹介)
舞台となるのは,ソビエト連邦崩壊後の混乱の最中にある東欧の一国。主人公のラザルスは,長い間疎遠になっていた妹のリュドミラから,一緒に暮らしていた母親がクローゼットで首吊り自殺をしたと知らされ,すぐに実家に戻ってきてほしいとお願いされる。しかし,ラザルスが深夜に実家のアパートに到着すると,そこにリュドミラの姿はなく,代わりに怪奇現象に襲われてしまう……。
本作はパズルと探索がメインのホラーアドベンチャーで,いきなりモンスターが飛び出してくる,いわゆるジャンプスケアはほとんどなく,戦闘要素も存在しない。プレイヤーは主人公のラザルスとなって周囲を調査し,アイテムを入手して謎を解きながらストーリーを進めていくというのが基本的なゲームの進め方だ。
ゲームの目的はもちろん怪異の原因を突き止めることだが,大きな見どころとなっているのが,家族の秘密にまつわるストーリー。ラザルスが家を出てからというもの,母親は常軌を逸するほど宗教に傾倒し,妹のリュドミラにつらく当たっていたらしい。しかし,そんな母との生活から逃れようとしていたリュドミラも,誰にも言えない,とある秘密を抱えている。
そして調査を進めていくうちに,まだ幼い子供と母親を捨てて音信不通になった父親が,この一連の出来事の鍵を握っているらしいことが分かり,その行方を追うことになるのだが……。一体,父親は何を隠しているのか,家族を捨てて何をしようとしていたのかが判明するストーリー後半はまさに怒涛の展開で,プレイヤーもラザルスと一緒に数奇な運命に翻弄されることになるだろう。
残念ながら本作は日本語化されておらず,字幕も会話が終わると消えてしまうため,プレイにはある程度の英語力が必要だが,ストーリー重視のホラーゲームを探している人には文句なしにオススメできる。ときおりグロテスクなシーンも出てくるが,雰囲気満点の美しいグラフィックスも見ごたえがあるので,連日の猛暑を涼しく過ごせるゲームを探している人は,ぜひ遊んでみてほしい。そんな本作はSteamにて,1840円で発売中だ。
■「Last Days of Lazarus」公式サイト
https://www.grimtalin.com/2019/12/the-last-days-of-lazarus.html- この記事のURL:
キーワード