連載
インディーズゲームの小部屋:Room#734「Gibbon: Beyond the Trees」
これまでに20年間,その便利さを布教し続け,最近ついに1人の同僚をマウスから親指トラックボールに改宗(?)させた筆者がお届けする「インディーズゲームの小部屋」の第734回は,Broken Rulesの「Gibbon: Beyond the Trees」を紹介する。本作は,テナガザルとなって東南アジアのジャングルを枝から枝へと駆け抜けるアクションアドベンチャーだ。さあ,みんな。もっと便利で疲れにくい親指トラックボールに乗り換えよう!
本作は,パームオイル農園を作るための森林の伐採や,観光の目玉にするための密猟などによって絶滅の危機に直面しているテナガザルを主人公にしたアクションアドベンチャー。東南アジアのジャングルを舞台に,テナガザルとなってスイングやジャンプを駆使しながら木々の間を駆け抜け,人間の町にまで乗り込んでさらわれてしまった子ザルを取り戻すことがゲームの目的だ。
操作に使用するボタンは大きく分けて,「走る」と「スイング」の2つだけ。前者は枝の上や地面を走るために使い,後者は枝にぶら下がって体をスイングさせながら進むのに使用する。どちらのボタンも長押ししている間はテナガザルが前進し続け,ボタンを離すとジャンプできる。基本的には,走るよりも枝にぶら下がってスイングで進むほうがスピードがあり,いかに速度を落とさずに先に進むかがキモとなっている。
ゲームは高い木々が生い茂る,豊かなジャングルから始まり,ここでは伸び伸びと森を駆け抜ける爽快感が味わえる。スイング中にタイミングよくジャンプすると速度を落とさずに枝から枝へと飛び移ることができ,近くで一緒にジャンプしている仲間がいたら,空中ブランコのように手をつないで,遠くへ放り投げてもらうことも可能。枝葉の茂った林冠部分につかまると速度が落ちるので,なるべく太い枝を目掛けてジャンプしよう。
しかし,テナガザルを取り巻く環境は先へ進むほど悪化していき,豊かだった森は伐採によって荒らされて,森林火災が発生するように。さらに進むと少しずつ人家が増え,テナガザルが自由に遊べる木々はますます少なくなっていく。生息地を追われたテナガザルが,それでも建物の軒や電線などにぶら下がってどうにか進んでいくと,とうとう銃を持った密猟者に襲われ,子ザルが捕獲されてしまう。
ここからは連れ去られた子ザルを追って,すっかり発展した町中を進むことに。上述したとおり,東南アジアを中心に約20種類いるテナガザルの仲間は現在,そのすべてが絶滅の危機に瀕しているという。本作はそうした状況をゲームを通じて広く伝えるために制作されたもので,子ザルを助けるために危険を冒して町中を進むテナガザルの姿を見ていると,自分にも何かできることはないのかと考えさせられてしまう。
もちろん,ただメッセージ性の強いゲームというだけでなく,純粋に気持ちのいいスイングアクションを楽しめるゲームに仕上がっているので,興味を持った人はぜひ遊んでみてほしい。そんな本作のPC版はSteamにて1399円で発売されているほか,Nintendo Switch版が「ギボン: ジャングルを超えて」の邦題でニンテンドーeショップで配信中だ。
■「Gibbon: Beyond the Trees」公式サイト
http://www.gibbongame.com/- 関連タイトル:
Gibbon: Beyond the Trees
- 関連タイトル:
ギボン: ジャングルを超えて
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(C)Broken Rules Interactive Media GmbH 2022. All rights reserved.
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