連載
インディーズゲームの小部屋:Room#715(番外編)「2021年 人気タイトルベスト10」
仕事中に急にマウスカーソルが動かなくなり,OSがフリーズしたかと思って慌ててリセットボタンを押したら,単にワイヤレストラックボールが電池切れになっていただけだった筆者がお届けする2021年最後の「インディーズゲームの小部屋」は,年末恒例の「2021年 人気タイトルベスト10」をご紹介。うう,書きかけの原稿が……。
そんなハプニングはさておき,この記事は今年取り上げた計49タイトルの中から,読者に最も多く読まれたものをランキング形式で振り返るというもの。忙しくてすべての記事をチェックできなかった人も,これさえ読めば2021年の注目ゲームがばっちり分かったような気分になれるだろう。もっとたくさんのゲームについて知りたい人は,本連載の過去記事もどうぞ。
では,第10位から行ってみよう!
第10位「Call Of The Sea」
第10位は,南太平洋に浮かぶ小島で消息を絶った調査隊を探すアドベンチャーゲーム「Call Of The Sea」。プレイヤーは主人公の女性ノラとなり,調査隊のリーダーである夫のハリーの行方を追うことになる。人っ子一人見当たらない島には古代文明の遺跡や調査隊のキャンプなどが残されており,これらを調べることで得た手がかりを元にして,島に隠された秘密に迫っていく。いかにも南国らしい緑豊かな風景と,徐々に不穏さを増していくストーリーにも要注目だ。
「Call Of The Sea」公式サイト
第9位「Death's Door」
第9位は,死者のソウルを刈り取る仕事をしている一羽のカラスが,何者かに奪われてしまったソウルを取り戻すために冒険を繰り広げるアクションアドベンチャー「Death's Door」。剣やダガーなどの近接武器と,弓矢や魔法といった遠隔武器を使いこなして,手強いボスに立ち向かおう。シンプルながらも美しいグラフィックスと,しっとりした音楽も魅力で,初期の「ゼルダの伝説」のような2Dアクションと謎解き要素が好きな人にぜひオススメしたい。
「Death's Door」公式サイト
第8位「Tormented Souls」
第8位は,不気味な廃病院に隠された謎を解き明かしていくサバイバルホラーゲーム「Tormented Souls」。ゴシックホラーの雰囲気たっぷりな病院内は,初期の「バイオハザード」のように場所によってカメラの位置が固定されており,いつ死角からクリーチャーが飛び出してくるか分からないドキドキ感を満喫できる。銃弾や回復アイテムは有限なので,慎重な行動を心がけよう。残念ながら日本語化はされていないが,サバイバルホラーのファンなら見逃せないゲームだ。
「Tormented Souls」公式サイト
第7位「Road 96」
第7位は,独裁国家からの逃避行を描いたロードトリップアドベンチャー「Road 96」。舞台となる架空の国ペトリアでは,多くの若者が自由を求めて国境を目指しており,プレイヤーもその一人として,ランダムに発生するさまざまな出会いやイベントを乗り越えながら,徒歩やヒッチハイクで旅を続けていく。しかし越境は違法行為となるため,途中で警察に見つかればただでは済まない。青春映画のようなノスタルジックな雰囲気と,それを盛り上げるセンチメンタルな音楽も魅力的だ。
「Road 96」公式サイト
第6位「Alba: A Wildlife Adventure」
第6位は,地中海の小さな島にやって来たアルバという女の子が,美しい自然と動物を守るために奔走するアドベンチャーゲーム「Alba: A Wildlife Adventure」。ゲームの目的は,自然保護区を潰してリゾートホテルを建設しようとしている町長の計画を阻止すること。島に落ちているごみを拾い集めたり,病気になった動物を助けたりしながら,賛同者の署名を集めていこう。さまざまな生き物の写真を撮影して,みんなに島の自然の豊かさを知ってもらうことも,大切なお仕事の一つだ。
「Alba: A Wildlife Adventure」公式サイト
第5位「NUTS」
第5位は,自然保護区の森でリスの生態を観察するアドベンチャーゲーム「NUTS」。この森で暮らす絶滅危惧種のリスの行動や生息範囲を調査し,とある企業が計画しているリゾート施設の建設を食い止めるのがゲームの目的だ。昼間は森のあちこちにカメラを仕掛け,夜はキャラバンに戻って録画をチェックするのが基本的な流れだが,自由気ままに動き回るリス達を調査するのは,なかなか大変。動物カメラマンの苦労を身をもって体験できる。
「NUTS」公式サイト
第4位「斬妖Raksasi」
第4位は,妖怪が跋扈する世界を舞台にしたローグライクRPG「斬妖Raksasi」。得意な武器や特性が異なる7人のヒロインが登場し,プレイヤーはこの中から一人を選んで,魑魅魍魎との戦いを繰り広げていく。7人のヒロインはどれも妖艶な美女ばかりだが,ゲームのほうは手加減なしの硬派な難易度で,いかに敵の動きを見極めて攻撃を当てられるかが勝負のカギを握る。「DARK SOULS」などの歯応えのあるゲームが好きな人は,ぜひ挑戦してみよう。
「斬妖Raksasi」Steamストアページ
第3位「Medieval Dynasty」
さて,ここからはTOP3の発表。まず第3位は,中世ヨーロッパを舞台にしたサバイバルRPG「Medieval Dynasty」。プレイヤーは戦争で家族も故郷も失った青年となり,過酷な世界をたった一人で生き抜かなければならない。道具を作り,家を建て,狩猟や採集を行い,近隣の村と交流し……と,やるべきことは山盛りで,子や孫に世代をつなぎながら自分の村を発展させていくのがゲームの目的。タイトルどおり“中世の王朝”を築けるかはプレイヤー次第……かも?
「Medieval Dynasty」公式サイト
第2位「Lost Ruins」
続いて第2位は,異世界に召喚されてしまった記憶喪失の少女が,元の世界に戻るために魔王が封印された古城を冒険するアクションアドベンチャー「Lost Ruins」。可愛らしいキャラクターデザインと丁寧に描かれたドット絵が大きな魅力で,さまざまな武器や呪文,防具やアクセサリを組み合わせて,多彩な戦い方ができるのも見どころの一つ。マルチエンディングが採用されているほか,クリア後はボスキャラ達のその後を描いた新モードが解禁されるなど,遊びごたえも十分だ。
「Lost Ruins」公式サイト
第1位「Loop Hero」
そして今年の第1位に輝いたのが,一風変わったローグライクRPG「Loop Hero」。一本道のループ状になったマップをぐるぐると周回しながらモンスターと戦い,手に入れたカードを配置してマップをカスタマイズしていくゲームシステムが大きな特徴。マップを周回するごとにモンスターが強化されるが,戦闘中以外はいつでもキャンプに撤退でき,集めた資源を使って施設を建てることで次の冒険を有利に進められる。かなり中毒性の高いゲームで,これ一本で年末年始はたっぷり遊べること間違いなし!
「Loop Hero」公式サイト
ということで,2021年の「インディーズゲームの小部屋」もこれにて無事終了。どれも筆者が自信を持ってお勧めできるゲームばかりなので,もしまだプレイしたことがないものがあったら,この冬休みにぜひ遊んでみてほしい。
そして,今回ランクインしなかったタイトルから筆者が悩み抜いて選んだ一本は,周囲からの重圧に思い悩むギタリストの青年が銀河を冒険する「The Artful Escape」に決定! 主人公の心情を表現した素晴らしいロック音楽の数々と,カラフルでサイケデリックなグラフィックスが見事にマッチし,一度遊び始めたらあっという間に虜にされてしまうだろう。
それでは皆さん,来年もまたこの連載でお会いしましょう。よいお年を!
- この記事のURL:
キーワード