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インディーズゲームの小部屋:Room#703「Medieval Dynasty」
最近,和室の畳の隙間から生えてきた謎の植物に困惑している筆者がお届けする「インディーズゲームの小部屋」の第703回は,Render Cubeが開発した「Medieval Dynasty」を紹介する。本作は,中世ヨーロッパのどこかの国を舞台に,自分の村を発展させていくというシミュレーションゲームだ。しばらく見守っていたらぐんぐん伸びてきて,一体どうしたものやら……。
本作の主人公は,戦争で家族も故郷も失った18歳の青年。そのとき主人公が思い出したのは,昔母が話してくれた,遠く離れた北の地でささやかな財産を築いて暮らしている叔父のことだ。しかし数週間の旅の末,ようやく目的の村にたどり着いた主人公は,叔父がすでに亡くなっていたことを知り,その地方の指導者から開拓の許可を得て,たった一人でサバイバル生活を始めることになる。えっ,村に住めるんじゃないの!?
ゲームの目的は,家を建て,道具を作り,狩猟や採集,農耕や牧畜を行い,近隣の村の人々と交流しながら,自分の村を発展させていくこと。そして子や孫に世代をつなぎながら,ゆくゆくは王朝にまで発展させていく……のが目標のようだが,今はまだ住むところもない文無しの流れ者なので,まずは自分の家を建てなければ始まらない。
そのためには道具が必要というわけで,ゲームを開始して最初にやるべきことは,石ころと木の棒を拾って,木を伐採するための石斧を作ること。本作では当面の目標が「チャプター」という一連のクエスト形式で出されるので,序盤のうちはこれに沿ってプレイを進めていくといいだろう。なぜかゲーム内では教えてくれないのだが,クラフトメニューを開くには「Q」キーを押せばいいので,今ここで覚えていってほしい。
本作では3日で季節が1つ進み,12日で1年となる。ゲーム内には昼夜の時間の流れがあり,季節ごとに気候や収穫できる植物,周辺で見つかる動物の種類などが変化するので,冬でも飢えや寒さに苦しまないようにさまざまな準備が必要となる。また,毎年春に税金を納めなければならないので,金策も必須だ。もし税金を払えないと自分の村の名声が下がり,最終的には土地を追われてゲームオーバーとなるので気を付けよう。
近隣の村の人達からの依頼をこなすと自分の村の名声が上がり,移住希望者を村に招けるようになる。新しくやって来た村人には仕事を割り当て,農作業や伐採などを手伝ってもらうことができるが,そのためには村人のための家や十分な食料などが必要なので,しばらく先の話となるだろう。また,お嫁さん候補と親密になると結婚が可能で,将来は自分の子供に村(未来の王朝?)を継がせることもできる。
本作はとにかく,やれること/やるべきことが多く,中世ヨーロッパの農村で悠々自適のスローライフを満喫! とはいかないが,自分のペースでゆっくりと村を発展させていく楽しさを味わえる。ところどころ意味不明な,機械翻訳のような日本語訳は残念だが,サバイバルゲームや生活系シミュレーションが好きな人にぜひオススメしたい。そんな本作はSteamにて3690円で発売されているほか,Xbox Game Passで配信中だ。
■「Medieval Dynasty」公式サイト
https://www.toplitz-productions.com/medieval-dynasty-lp.html- 関連タイトル:
Medieval Dynasty
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