連載
インディーズゲームの小部屋:Room#657「I Am Dead」
最近は,球状になってしまった東京で悪魔からのバックアタックに怯えている筆者がお届けする「インディーズゲームの小部屋」の第657回は,Annapurna Interactiveからリリースされた「I Am Dead」を紹介する。本作は,故郷の島の危機を救うため,幽霊になってしまった主人公と愛犬が奔走するというパズルアドベンチャーだ。死の安らぎは等しく訪れよう。人に非ずとも,悪魔に非ずとも……って,また全滅だよ!
本作の主人公は,シェルマーストン島の小さな博物館の館長として天寿をまっとうしたばかりのモリス・ラプトン。死後に幽霊となったモリスは,先にこの世を去っていた愛犬スパーキー(の霊)と再会し,シェルマーストン島の火山が噴火寸前であることを知る。その原因は,これまでずっと島を守ってきたガーディアンの力が弱まってしまったことにあるという。
このままでは島が崩壊し,そこに住む人々もろとも地上から永遠に消滅してしまう。モリスとスパーキーはそれを防ぐため,一刻も早く次のガーディアンとなってくれる人(というか霊)を見つけなければならない……というのが本作のストーリーだ。
ガーディアンの候補となるのは,モリスとも顔見知りの,かつてこの島で暮らしていた人々の幽霊だ。幽霊となったあとに居場所が分からなくなっている彼らを見つけ出すためには,まず生前の彼らのことを知る人々の記憶に入り込み,その形見の品が何であるかを知る必要がある。対象となる幽霊の思い出を持っている人は頭の上にシャボン玉のようなものが浮かんでいるので,すぐに見つけられるだろう。
形見の品が分かったら,次は実際にそれを島の中から見つけ出そう。モリスは幽霊になったあと,MRI装置のように物体を輪切りにして中身を透視できる不思議な能力が使えるようになっており,これを利用していろいろなものを調べていくのだ。島には謎解きとは関係がない,さまざまなオブジェクトもあり,中を覗いてみると意外なものが入っていたりするのが面白い。
また,形見の品を探すだけでなく,どこかに隠れている精霊を見つけるというやり込み要素もあり,そのすべてを発見しようと思ったら,遊びごたえもかなりのものだ。あれやこれやを輪切りにして見るという見た目の面白さと,ほんわかとしたグラフィックスが大きな魅力で,子供から大人まで楽しめるゲームに仕上がっている。
果たして,モリスとスパーキーは新しいガーディアンを見つけ,島を救うことができるのか。気になる人は,ぜひプレイしてみてほしい。本作は,PC版がSteamにて2050円で販売されているほか,Nintendo Switch版がニンテンドーeショップで配信中だ。
■「I Am Dead」公式サイト
http://iamdeadgame.com/(C)2020 Fish Tickler, LLC. Developed by Hollow Ponds Games Limited. Published by Annapurna Interactive under exclusive license. All rights reserved.