連載
インディーズゲームの小部屋:Room#656「WHAT THE GOLF?」
キムタクのスタイリッシュなハンバーガーの持ち方に刺激を受けて,お昼にマクドナルドに行ってきた筆者がお届けする「インディーズゲームの小部屋」の第656回は,Tribandの「WHAT THE GOLF?」を紹介する。本作は,退屈なゴルフを楽しくするため,あの手この手で既存のルールをぶち壊していくゴルフゲームだ。辛ダブチはおいしかったけど,筆者にキムタク持ちは10年早かったです……。
本作の基本的なルールは,コースアウトしないようにボールを飛ばしてカップに入れるか,旗竿(ピンフラッグ)にぶつけるというもの。遊び方はボールから伸びる矢印型のパワーゲージをマウスのドラッグ操作で引っ張り,飛ばす向きと力加減を調整して離すだけと簡単だ。クラブの交換といった要素はないので,プレイ感覚としてはパターゴルフに近いものがある。
しかし,これだけを見て本作を普通のゴルフゲームだと考えてはいけない。ゲームの舞台は「ゴルフ研究所」と呼ばれる施設で,ここでは退屈なゴルフをもっと面白くするため,日夜,新しいゴルフを研究しているらしい。だが,その“新しいゴルフ”という概念には大いに問題があり,やりすぎてしまった結果,もはやゴルフの原形を留めず,まったくの別物になってしまっているのだ。
例えば,コース上に爆発物が詰まったドラム缶が置かれていたり,ボールを打つとカップがひょいっと避けたりなんていうのは,まだ序の口。ゴルフのルールを一新しようとするあまり,ボールの代わりにクラブを構えたプレイヤー自身を打って転がして旗竿に命中させたり,ドリブルでディフェンダーを交わしてゴールにシュートを叩き込んだり,重たい球を転がして整列させたピンを倒したりと,どんどんカオスになっていく。
それでも,このへんまでは一応ボールを使うなど,多少なりともゴルフのルールを意識しているだけマシである。楽しいゴルフに対する探究心はますますエスカレートしていき,しまいにはなぜか矢で遠くの的を狙ったり,スケボーに乗って斜面を滑り降りたり,陸上選手になってハードル走を行ったりと,やりたい放題だ。今さらツッコむのもどうかと思うが,もうそれ完全に別のスポーツだよね?
さらに,さまざまな有名ゲームのパロディが詰め込まれているのも特徴の一つ。ドンキーコングやスーパーマリオ,アングリーバードやSUPERHOTなど,新旧の人気ゲームに見た目もルールもよく似たステージが次々に登場し,もうどう説明すればいいのやら……。500以上ある多彩なステージを遊ぶだけでも面白いが,本作にはまだ開発途中のステージエディット機能も仮実装されており,プレイヤー同士でデータを共有できるのも楽しい要素だ。
あまりにも奇想天外なステージに思わず大笑いしてしまう本作は,Steamにて2050円で発売中。またNintendo Switch版も,ニンテンドーeショップで配信されている。当たり前のゴルフゲームでは物足りないという人は,ぜひ挑戦してみてほしい。
■「WHAT THE GOLF?」公式サイト
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