連載
インディーズゲームの小部屋:Room#611「Bug Fables: The Everlasting Sapling」
週末,久しぶりに山に行ったら,すでに紅葉の見頃が終わっていた筆者がお届けする「インディーズゲームの小部屋」の第611回は,Moonsprout Gamesが開発した「Bug Fables: The Everlasting Sapling」(邦題:Bug Fables 〜ムシたちとえいえんの若木〜)を紹介する。本作は,不老不死のお宝を求めてムシ達が冒険するというRPGだ。おまけにお目当てのカレー屋が混んでいて入れなかったので,諦めて隣のお店でパスタを食べて帰って来たよ……。
本作の舞台は,世界中の冒険者(?)がお宝を求めてやって来る,ムシ達の王国・バグアリア。中でも,彼らがこぞって探しているのが,その葉を1枚食べるだけで尽きることのない若さと力が手に入るという「えいえんの若木」だ。このお宝を見つけたムシには,バグアリアを治めるアリの女王から莫大な褒美が与えられる。
ということで,プレイヤーはカブトムシのカブ,ミツバチのヴィー,ガのリーフの3匹を操作して,バグアリアの各地を冒険することに。本作をひと言で表現すると,ムシ達が主人公の「ペーパーマリオRPG」といったところ。ゲーム要素としての“ペーパークラフト感”は薄いが,ゲームシステムの共通点が多く,奥行きのある横スクロールのフィールドと,紙のようにペラペラな見た目のキャラクターが特徴的だ。
3匹にはそれぞれ,フィールドで使える固有の能力があり,操作キャラを切り替えることで使い分けができる。カブのツノで重いものを動かしたり,ヴィーの“ビーメラン”(ブーメランのこと)で離れたスイッチを操作したり,リーフの魔法で水を凍らせたりしながら行く手をふさぐギミックを解除し,フィールドを進んでいこう。3匹とも羽があるんだから,ギミックなんて飛び越えればいいのに……などと言ってはいけない。
フィールドを徘徊している敵と接触すると,バトルが発生。バトルはおなじみのターン制で進行するが,戦闘中にタイミングよくボタンを押したり,指定されたコマンドを入力したりすることで,より大きなダメージを与えたり,受けるダメージを減らしたりできるので,気を抜けない。敵の攻撃を受ける瞬間にガードすればダメージを完全に無効化できるので,強敵との戦いではとくに重要だ。
メインストーリーだけでなく,さまざまなサブクエストが用意されており,可愛らしいムシ達の世界をたっぷりと満喫できるのも本作の魅力。一部のメッセージがウインドウからはみ出していたりと多少のアラがあるものの,全体的に丁寧に日本語化されているおかげで,3匹の掛け合いをばっちり楽しめるのも嬉しいところだ。ちょっぴりわがままでお宝に目がないヴィーが可愛い!
そんな本作はSteamにて,2050円で発売中。程よい難度のパズルと,意外と戦略性の高いバトルで,子供から大人まで楽しめるゲームに仕上がっているので,「ペーパーマリオRPG」のファンはもちろん,一風変わったRPGを探している人はぜひどうぞ。
■「Bug Fables: The Everlasting Sapling」公式サイト
http://dangenentertainment.co.jp/games/bug-fables- 関連タイトル:
Bug Fables 〜ムシたちとえいえんの若木〜
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