連載
インディーズゲームの小部屋:Room#579「ISLANDERS」
ノートルダム大聖堂の火災に大きなショックを受けている筆者がお届けする「インディーズゲームの小部屋」の第579回は,GrizzlyGamesの「ISLANDERS」を紹介する。本作は,小さな島にさまざまな建物を建てていくという街づくりゲームだ。起き抜けのニュースで見た尖塔と屋根が燃え落ちる映像は衝撃的で,原因究明と共に,以前のような美しい姿が復旧されることを心から願っています……。
上述のとおり,本作は街づくりゲームの一種だが,いくつか変わった特徴がある。その1つは,何かを建設するのに特定のリソースを必要としないということ。ゲームを開始すると,プレイヤーはまず2つの“パック”を提示され,そのどちらかを選択する。それぞれのパックには,家や畑,木工所や蒸留所といったテーマがあり,中にそれに関連した複数の建物が入っている。これを島の好きな場所に配置していくのだ。
また,建物を配置すると,それに応じてスコアを獲得できるというのも,このゲームの大きな特徴である。例えば,木こり小屋は周囲に生えている木の数が多いほど配置したときのスコアが高くなり,近くにほかの木こり小屋があると,そのぶん減点されるといった具合に,ほかの建物や環境との相互関係がある。効率的にスコアを稼げるように,うまく配置を工夫していこう。
目標スコアに達すると,そのたびに新たに2つのパックが提示され,再びどちらかを選んで島に配置する。これを繰り返して,ハイスコアを目指すというのがゲームの目的だ。逆に,目標スコアに届かないうちに配置できる建物が無くなるとゲームオーバー。本作はある種のステージ制になっており,スコアを稼ぐことで画面右下にある島の形をしたゲージが溜まっていき,これが満タンになると次の島へと進める仕組みになっている。
島の形はランダムで生成され,先のステージに進むほど大きくなっていくが,基本的に起伏が激しい地形が多く,建物が建てられる平地は限られている。土地を整地することはできないため,ここにさまざまな大きさや形の建物を配置していくのは,もはやパズルゲームのような感覚だ。次にどの建物のパックが出るかも分からず,せっかく用地を確保していても目的のものが出なかったり,いざというときに土地が足りなかったりと,運の要素もあるのが,もどかしくも面白い。
効率だけを考えると,建物をぎゅうぎゅう詰めに並べていくのが正解だが,それだけでは味気ないので,ほどよいバランスで街づくりを楽しむのが個人的にはオススメだ。ローポリゴンのグラフィックスで表現されたカラフルな島が可愛らしく,ほどほどに頭を使うパズルとランダム性で,気づけば夢中になって遊んでいる本作。一度プレイすれば,時間を忘れてのめり込んでしまうこと必至なので,一風変わった街づくりゲームを探している人はぜひどうぞ。そんな本作は,Steamにて620円で発売中。オススメです。
■「ISLANDERS」Steamプロダクトページ
https://store.steampowered.com/app/1046030/ISLANDERS/- この記事のURL:
キーワード