連載
インディーズゲームの小部屋:Room#556「BLACK BIRD」
昔,熱中していたハクスラゲームの続きがスマホで遊べるようになると知って,楽しみにしている筆者がお届けする「インディーズゲームの小部屋」の第556回は,Onion Gamesの「BLACK BIRD」を紹介する。本作は,禍々しい黒い鳥となって街を襲い,人々を滅ぼしていくという横スクロールシューティングだ。早くスマホでいつでもどこでも冒険に出発したい!
あるとき街角で倒れ,誰にも助けてもらえずに息を引き取った少女。そこへ謎の紳士が現われて少女の体をステッキで突くと,少女は大きな卵となり,中から不気味な黒い鳥が生まれた。この黒い鳥は,王国に古くから伝わる大災害の1つだという。そして,災いの黒い鳥として生まれ変わった少女は街を襲い,人々への復讐を開始する……。
本作は「ファンタジーゾーン」のような循環型のステージを,左右へ任意にスクロールしながら攻略していくというシューティングゲーム。プレイヤーは黒い鳥を操作して,逃げ惑う人々や,黒い鳥を阻止しようと攻撃してくる人々を無差別に倒していく。ステージにはいくつかの拠点があり,これをすべて破壊するとボスが登場。ボスを撃破すれば,ステージクリアとなる。
黒い鳥の攻撃方法はショットとボムの2つのみとシンプルで,人々をやっつけると出現する緑のジェムを集めることで,黒い鳥がさらに大きく禍々しく成長し,それに合わせて攻撃力もアップする。ジェムを大量に集めるコツは,連続で敵を倒してコンボをつなげ,コンボ数がMAXになったときにボムでまとめて敵を蹴散らすこと。ジェムは出現から時間が経つと小さくなり,やがて消滅してしまうので,なるべく素早く回収しよう。
また,ステージのあちこちにある壺を破壊するとアイテムが出現し,ショットを当てるたびに,ライフの回復,ボムの追加,スピードアップの3種類に変化する。敵の中には壺を持ち去ろうとする者もいるので,逃がさないように注意すべし。画面左上には黒い鳥のライフとボムの残数が表示されており,攻撃を受けてライフがゼロになってしまうとゲームーオーバーだ。
本作の大きな特徴であり魅力となっているのが,木村祥朗氏が作り出す,可愛らしくも不気味な独特の世界観。くすんだ色合いのグラフィックスは,まさに悲劇の舞台を描くのに相応しく,黒い鳥がしていることは破壊以外の何物でもないが,それでいてゲーム全体からにじみ出るユーモアによって悲惨さがうまく中和されており,その絶妙なバランスには脱帽させられる。
もちろん,ゲームとしての面白さも折り紙つきで,中でも筆者を虜にしたのは,シューティングでありながら探索要素がふんだんに盛り込まれているところ。ステージのそこかしこに隠れキャラが潜んでおり,建物や看板などを破壊してそれらを見つけ出すのがとにかく楽しい。演出的な面白さだけでなく,得点アップにもつながるので,ついついステージ中をくまなく探して(壊して)みたくなる。
本作は全4ステージ構成で,ノーマルモードをクリアすると,獲得スコアによってエンディングが変化する「トゥルーモード」が解禁される。ゲーム的にはここからが本番で,敵の攻撃が激しくなり,上述の隠れキャラもどっさり配置される。
耳に残る奇妙なBGMや,想像をかき立てられるステージの合間の短いカットシーンなど,そのすべてが結び付いて独特の雰囲気を生み出しており,一度プレイすれば病み付きになってしまうこと間違いなし。本作のPC版はSteamにて,Nintendo Switch版はニンテンドーeショップにて各1980円(共に税込)で発売中なので,憐れな少女の運命が気になる人はぜひどうぞ。
■「BLACK BIRD」公式サイト
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