連載
インディーズゲームの小部屋:Room#306「Rain Blood Chronicles: Mirage」
最近はもっぱら血の力に目覚めて,寝る間を惜しんでアラガミと戦っている筆者がお届けする「インディーズゲームの小部屋」の第306回は,北京の独立系デベロッパであるS-Gameが開発した「Rain Blood Chronicles: Mirage」を紹介する。本作は,異なるスタイルを持つ2人の暗殺者を操作して謎の勢力と戦う,武狭系横スクロールアクション。友達がいなくてもCPUと共闘できるから寂しくなんかありませんし……。
霧と雨に覆われた南方の地。その地には嘘か真か,数々の神秘的な逸話が残されていた。中でも,最もよく知られているのが“君主の船”の伝説だ。雨と雷が激しいある夜のこと,空を見上げるとそこには巨大な船が飛んでいた。その船が通ったあとには,虐殺に遭った村々が残されていたという。この“君主の船”の裏に,大きな陰謀が隠されていることを感じ取った秘密結社は,それを操る謎の勢力を全滅させるため,2人の暗殺者を送り出した……。
というわけで,本作の主人公となるのは,SoulとShangという2人の暗殺者。孤児だったSoulは,“Night Masters”と呼ばれる達人の一人ではないかと噂される養父から受け継いだ短剣“Dark Wound”の使い手で,独学ながら高い剣技を身に付けている。
一方のShangは冷静沈着な性格の持ち主で,剣の腕前そのものは平均的だが,虚空から剣を生み出す特殊な力を備えている。プレイ中は場面に応じてこの2人を切り替えながら,次々と襲ってくる敵と戦っていくのだ。
基本的なアクションと攻撃方法には,左右への移動とジャンプ,しゃがみ動作に加え,弱攻撃と強攻撃,スペシャルアタック,そして特殊ボタンで使用するキャラクター固有のスキルがある。スペシャルアタックは,敵を攻撃することで溜まっていくゲージがいっぱいになると使える,いわゆる必殺技だ。また,特殊ボタンで発動する固有スキルは,Soulが実体を消して影のように移動する“Ghost Step”,Shangは最大4本の剣を自在に生み出す“Sword Key”となっている。
操作には若干の癖があり,ジャンプ中に剣を振るとほとんどその場で停止したような感じで連続攻撃が行えるので,練習次第では華麗な空中コンボも決められる。また,これらのコンボはゲーム中で入手したアイテムを使って,強化が可能だ。
そして,全体的にモノトーン調に抑えられた,水墨画のようなグラフィックスも本作の見どころの一つ。白と黒の色彩の中に真っ赤な血しぶきが飛び散るさまは,独特とまでは言えないものの鮮烈で,武狭世界を舞台にした本作のイメージにマッチしている。ちなみにゲーム内のナレーションはすべて中国語(英語字幕)で,これまた雰囲気を盛り上げてくれる。主役の2人は今風のイケメンで,あまり武狭ものっぽくないけど……。そんな本作はSteamやDesuraで14.99ドルにて発売中だ。
■「Rain Blood Chronicles: Mirage」公式サイト
http://www.mirage-game.com- この記事のURL:
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