連載
インディーズゲームの小部屋:Room#249「Torchlight II」
「インディーズゲームの小部屋」の第249回は,東京ゲームショウ2012の真っ最中(日本時間で2012年9月21日)に発売されたハック&スラッシュRPG「Torchlight II」を紹介する。本作は,2009年に発売され,本連載の第111回でも取り上げた「Torchlight」の続編だ。東京ゲームショウといえば,筆者が買えなくてがっくりしていた杏ちゃんの「働いたら負け」Tシャツを,黙って次の日にaueki師匠が手渡してくれたのが個人的ハイライトかなあ。auekiさん,マジかっけーッス!
本作のストーリーは,予知夢に現れたガーディアン・ウォリアーのSylに導かれた主人公が,Estheriansという神秘的な種族を破滅させた錬金術師のあとを追って,邪悪な力に包囲されたVilderan大陸を旅するというもの。Torchlightの町の地下にある迷宮のみが舞台だった前作から打って変わって,本作では新たにフィールドマップでの冒険も楽しめるようになり,ぐっと世界観の広がりを感じさせる方向で正統進化を遂げている。
前作からの大きな変更点は,上述したフィールドマップの追加だけに留まらない。その中でも最も大きなものは,キャラクタークラスが一新されたことだ。本作では,前作のDestroyer,Alchemist,Vanquisherという3つのクラスに代わり,新たにBerserker,Engineer,Outlander,Embermageという4つのクラスが登場する。前作の面影がまったく見当たらないどころか,どんなクラスなのかもよく分からない有様だ。
それぞれ簡単に解説しておくと,Berserkerは拳を使った攻撃と,動物の精霊を呼び出す魔法を得意とするクラス,Engineerは攻撃や回復を行ってくれるボットを呼び出せる,近距離型のパワーファイター,Outlanderは銃などを使った遠距離攻撃と魔法に精通したクラス,そしてEmbermageはさまざまな精霊魔法を使いこなす魔法職となっている。何とも説明書的な紹介だが,筆者もまだ十分に遊び込んでいないので申し訳ない。
キャラクターメイクでは,前作と異なり,どのクラスでも男女を自由に選べるようになり,顔や髪型,肌の色などをある程度カスタマイズできる。また,おなじみのペットは前作にあった犬猫の2種類から大幅に増えて8種類となり,毛色も選べるようになったのが地味に嬉しい。
ちなみに,本作でキャラクタークラスが総入れ替えとなった理由には,前作のストーリーのあとに,3人のヒーロー(=3つのクラス)の一人だったAlchemist(錬金術師)の裏切りによって,DestroyerとVanquisherが倒されてしまったという背景があるようだ。えぇー,マジですか。
このほか,前作でプレイヤーからの要望が多かった,インターネットやLANを通じてのマルチプレイにも対応している。インターネットでのマルチプレイにはRunic Gamesのアカウントを作成する必要があるが,「Diablo III」の4人より多い,最大6人での冒険が楽しめるのだ。もう一つ,Diablo IIIとの違いという点では,本作ではレベルが上がった際に得られるポイントを任意のステータスやスキルに割り振れるので,より個性を出しやすいことが挙げられるだろう。
発表当時は,Diablo IIIより早く遊べるというのが謳い文句の一つだったが,蓋を開けてみたらDiablo IIIのほうが先に発売されてしまった本作。両者を遊び比べてみると,本作のほうが「Diablo II」のシステムに近いので,Diablo IIIも面白いけど,何となく肌に合わなかったという人は,こちらのほうが気に入るかもしれない。Diablo IIIよりもPCの要求スペックが低く,キャラクターの移動スピードが速いぶん,全体的にさくさく遊べるのも本作の大きなアドバンテージと言えそうだ。
そんな本作は,公式サイトやSteamでデモ版が公開されているほか,製品版が19.99ドルにて発売中だ。
■「Torchlight II」公式サイト
http://www.torchlight2game.com/- 関連タイトル:
トーチライトII
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